■『恋するベーカリー』■(映画) 


コイスルベーカリー
ヒロインのジェーン(メリル・ストリープ)は、人気のベーカリーのオーナー。
夫だったジェイク(アレック・ボールドウィン)とは、彼の浮気が原因で10年前に離婚。いまは知人としてのお付き合い程度の間柄。

折りしもジェーンは自宅のキッチンを改築しようとしており、その設計技師であるアダム(スティーブ・マーティン)と出会い、彼に惹かれます。

ある日、ジェーンは息子の大学卒業式に出席するために、とあるホテルに滞在。
と、偶然にもそこにはジェイクも宿泊しておりました。

ホテルのバーで久しぶりに二人で飲んでいるうちに意気投合。
いわゆるやけぼっくいに火がついてしまいます。

アダムとの恋も大事にしたいし、ジェイクとも離れられない。
さぁ、私はゐったいどうしたらいいのでせう・・・。 ってな話。


つい最近、実在の料理研究家を演じていたので、その流れで今回はパン屋さん役かいな、と思っていたメリル・ストリープ主演最新作。
監督は『恋愛適齢期』(03)『ホリデイ』(06)ナンシー・マイヤーズ。
彼女の作品って、ちょっとコミカルなうえに、人間ドラマも深く描かれていてけっこう好きなんですよね。

好きなんですけど・・・。

しかも、今回はヒロインがパン屋ってことで、たとえばラッセ・ハルストレムの『ショコラ』(00)のように、恋愛をいろんなパンでもって表現するような、そんな映画なんだろうな、と思っておりました。

でも、内容は先に書いたように、僕が思っていたようなものとはかなり違っていたんです・・・。

コイスルベーカリー1
60歳を前に、もう一度、ぱっと咲いてみましょう! というヒロインのポジティブな姿勢は良しとして、語弊を承知で書けば、なんとまあ女性に都合のいい話じゃございませんか、という印象が強かったですねぇ。

経営するベーカリーは大成功。
子供たちも手がかからなくなった。
新しい恋人もできた。
自分を裏切って若い女に走った旦那は、いまは私にメロメロ。
挙げ句に恋人か元旦那かどちらを選んだらいいんだろう、って・・・。

で、その元旦那であるジェイク、ジェーンと別れてくっついた若い女との間には、どういうわけか子供ができない。
しかもその女は子連れで、このガキンチョが相当なヤンチャ。
日々の暮らしに疲労困憊なところに、別れたジェーンが現れた。

そりゃあ、かつて心を許しあった彼女に安らぎを感じてしまうのは当然ですわな。


まあね、男に都合のいい女性が出てくる映画は山ほどありますから、その逆の設定があってもいいじゃないか、とは思いますけれど、本作で納得いかないのはジェーンとジェイクの子供たちのこと。
たしかに、いまやそれぞれ自立しているという設定ではありますが、両親の離婚という体験は少なからず子供たちの心を傷つけているのは明らかであり、ジェーンとジェイクの都合でいまさらくっつくだの別れるだの、まったく勝手な親だなぁ、と、一人の女性云々という前に、一人の母親だろアンタは! と、そういう点で強い抵抗感を本作に抱いてしまったわけです。

コイスルベーカリー2
あと、この映画、けっこうお下劣なんですよ。

ジェーンと同世代の女友達が、ワイワイ猥談をぶちかます場面があるんですけど、女性ってあんな話を平気でするものなんですかね?(具体的な内容は、本編をご覧あれ)
ウブな僕には「耳からウロコ」が落ちるがごときでありました。

そこはさすが、名女優メリル・ストリープ。
「こんな下品なセリフ、言えないわ」なんて言ってちゃ、女優なんて務まらないわなぁ。


で、彼女演じるジェーンが、永らくそっちのほうがご無沙汰になっていた(先の本編で披露される猥談でいうところの、塞がりかかっていた。何がだ?)ので、久しぶりにジェイクとゴニョゴニョしてみたら、あまりの快感でゲロを吐いてしまうほど。

・・・エッチの後にゲロ・シーンなんて映画、観たことなかったよ。


それとジェイクを演じるアレック・ボールドウィン。
いまや『レッド・オクトーバーを追え!』(90)『シャドー』(94)でヒーローを演じていた頃とは別人のような様相ですが(それはそれで、俳優としての味が出てきて良いと思うんですけど)、本作ではトンでもないシーンを披露してくれています。

これには違う意味で、ジェーンのようにゲロ吐きそうになりましたよ・・・。


ま、そんなこんなで、ジェーンと同世代のご婦人方がご覧になれば、もっと違う感想を抱かれるのでしょうが、僕にはなんと都合のいい、そして悪趣味な映画であることよ、としか映りませんでした。

まだまだ人生経験が浅いんでしょうねぇ・・・。


本作の原題は『It‘s Complicated』(それは複雑なこと、という意味?)。
邦題にあるような「ベーカリー」は大した意味はございませんでした。チョコ・クロワッサンがちょっとしたアイテムとして登場するくらいです。
羊頭狗肉とはいいませんが、なんだかなぁ・・・。

あ、最後に本作のコメディ・パートはアレック・ボールドウィンが主に担当しており、楽しみにしていたスティーブ・マーティンはほとんどそういったシチュエーションがなかったのも、彼のコメディアンぶりがお気に入りな僕としては、これまた不満が残った要因のひとつだったりしたのでした。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中20点】



※本作とは180度違うメリル・ストリープの怪演が光る秀作。
個人的には、こちらのメリル・ストリープのほうが良いです。



※ラブ・ファンタジーの秀作。
この頃のアレック・ボールドウィンはいま何処・・・。





コメント

No title

>名機ALPS(アルプス)MDプリンタさん
なるほど。

でも、僕にはお下劣で醜悪な映画にしか見えませんでした。

人生経験が浅いのでしょうね・・・。

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