■『パーフェクト・ゲッタウェイ』■(映画) 


パーフェクトゲッタウェイ1
「《警告》 この映画の結末は、誰にも喋らないでください。」

いやぁ~~~そそりますねぇ!!

久しくこういう宣伝文句が踊る作品ってなかったよなぁ、と思いつつ、なんと監督はかのデイヴィッド・トゥーヒーじゃ、あ~~~りませんか!!
池袋のシネマ・ロサで観た『グランド・ツアー』(91)のあまりの面白さに、以来、彼の作品はその都度注目しておりました。個人的には最高傑作と思う『ピッチブラック』(00)や、他にも『アライバル 侵略者』(96)『ビロウ』(02)とジャンル・ムービー一筋であり、なおかつ、決してB級ではないんですが、どちらかというとファーム・リーグ的な香りのする作品を放つところも彼の魅力だったりするんですよね(本人はどう思ってらっしゃるかわかりませんが)。

しかし、ビッグバジェット・ムービーとなった、『ピッチブラック』の続編にあたる『リディック』(04)以降、まったく新作の話が舞い込んでこないのはどうしたものかと案じていました。
たしかに、『リディック』もそこそこ面白い映画だったものの、これまでのデイヴィッド・トゥーヒーの作品からはちょっと異質な印象を受けました。
おそらくは彼の意向よりもプロデュースをしたヴィン・ディーゼルの発言力が強かったと思しき作品(日本のSFアニメの焼き直しみたいなストーリーだったし)でしたからねぇ。


それから5年のブランクがあったわけですが、その新作はSFXらしいSFXも使わず、ハワイを舞台にしたスリラーということで、見た目の派手さに左右されることのない、いわば中身で勝負する題材。
しかも、冒頭に挙げたような宣伝文句が踊っているとなれば、これは期待しないわけにはまいりません。

でも、関西で上映しているのはたったの2館。そのうち大阪は1館だけ・・・。
DVDの発売を待とうかと思いましたが、いやいや、久しぶりのデイヴィッド・トゥーヒー作品とならば、これはぜひともスクリーンで観たいということで、いそいそと出かけてまいりました。

パーフェクトゲッタウェイ2
新婚旅行のメッカ、ハワイはカウアイ島。

ここにシドニー(ミラ・ジョヴォヴィッチ)とクリフ(スティーヴ・ザーン)の一組の新婚さんがやってきます。
美しい自然の中で甘い時間を過ごす二人。

そうこうしているうちに、二人はニック(ティモシー・オリファント)とジーナ(キエレ・サンチェス)という一組のカップルと出会います。
意気投合した4人は自然のなかをトレッキングしつつ、ハワイで最も美しいといわれるビーチを目指します。

が、その途中、オアフ島で新婚カップルが惨殺されるという事件が発生したことを知る4人。
しかもその犯人はカウアイ島へ逃走しているというではないですか!

おりしも、ケイル(クリス・ヘムズワース)とクレオ(マーリー・シェルトン)というカップルにも遭遇する4人。

そこで物語は、思いもよらない方向へ加速していくのでありました・・・。


主要な登場人物は上記の6名。
そのうちの2名が、いわゆる殺人犯ではないか・・・、という疑惑が登場人物の間で、そしてこれを観る観客の間に渦巻いてきます。このあたりの見せ方は、脚本も担当したデイヴィッド・トゥーヒーの面目躍如といったところで、けっこう楽しませてくれます。

ただ、これは僕の悪い癖なのかもしれませんが、最初に宣伝文句でけっこうあおってくれるような作品は、観る前から

「こいつが犯人だろうなぁ・・・」

と、ある程度の見当をつけて映画を観てしまうんですよね。

今回のような作品で思い出すのが、3年前に公開された『パーフェクト・ストレンジャー』(07)。
ハル・ベリーとブルース・ウィリスが出演したサスペンス映画で、奇しくも本作と同じく、タイトルに「パーフェクト~」が付いておりますが(笑)、あの映画も相当に煽ってくれた(「あなたは絶対ダマされる」とかなんとか)映画だったものの、開巻早々に犯人がわかってしまうお粗末な仕上がりでありまして、そういう例もあったので一抹の不安も抱きながら本作を観たわけです。

で、やっぱり今回も、最初に見当をつけていた通りの犯人でありました・・・(苦笑)


そりゃあ、登場人物が限られているし、選択肢も限られてくる、となると的中率も高くなる。
でも、たとえそういう作り手には不利な状況であっても、それをどれだけ面白く見せるかが監督なり作り手の手腕が問われる部分。
そういう意味では、本作では真相が明らかになって以降の異常なほどの盛り上がりがとにかく凄いんです!!
そのラスト・シークエンスにこそ監督の全身全霊が込められているといっても過言ではないくらいに。

パーフェクトゲッタウェイ3
これ以上、内容について触れることは避けますが、ロケを行ったハワイの自然の見事な風景(某作品における、描かれた惑星パンドラと、生の自然の風景との違いを、ぜひスクリーンで確認していただきたい)と、画面分割やモノクロ処理といったオーソドックスな映像処理を駆使するに留めた映像設計、そして出演者たちの見事な演技と見どころも多い、一見の価値あるエンターテイメント作品に仕上っていました。

また、音楽を担当したボリス・エルキスは、これまでトゥーヒー監督に関わっていた作曲家グレアム・レヴェルのスタッフだった人物で、親方に勝るとも劣らないスコアで本編を盛り上げており、新しい作曲家の実力を体験するいい機会にもなったことも、映画音楽ファンとしては嬉しい限り(サントラ未発売なのは残念ですが・・・)。
【当初、サントラ未発売と書いていましたが、ダウンロード販売されていることが判明しました。ここに訂正して、追記いたします。(2010.2.14)
購入希望の方は、このジャケ写をクリックしてください(iTuneにリンクしています)】



A Perfect Getaway (Original Motion Picture Soundtrack)



派手なSFXを使用しなくても、これだけ面白い映画が撮れるという、昨今のハリウッド大作の主流を遡上するかのようなデイヴィッド・トゥーヒーには、これからもこのスタイルを崩すことなく進んで行って欲しいと切に願うものです。

(敷島シネポップにて鑑賞)

【採点:100点中80点】



※デイヴィッド・トゥーヒー監督の最高傑作(だと僕は思う)。
SFアクションが好きな方は、観て損はないですよ!



※ミラ・ジョヴォヴィッチ、本作ではこの映画のような姿にはなってくれませんでした・・・。
でも、もっと違うものを見せてくれますよ。



※本作に出演している、ティモシー・オリファントの代表作。
今回はスキン・ヘッドではありませんが、もっと違うものを・・・。





コメント

ありがとうございます!

>朝まであいぼうとさん
コメントいただき、ありがとうございます!!

ちまちまっとやっておりますが、これからも覗いてやってくださいねv-411

No title

素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。

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