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■『交渉人 THE MOVIE ~高度10,000mの頭脳戦~』■(映画) 


コウショウニンザムービー
TVドラマの映画版ってのは、認知度が高いゆえにある程度の観客も見込める「美味しい素材」。
そもそも、ドラマを観ていない状態で映画版を観たってその背景がいまいちつかめないという難点もある(だからドラマ版をまったく観てなかった『のだめカンタービレ』の映画版も、クラシック音楽を扱った内容ながらまったく食指が動かないのです)ものの、そこは映画会社もちゃんと考慮していて、視聴率の低いドラマなんてはなっから映画化なんてしないわけで。

テレビ朝日系でオンエアされていた『交渉人』については、ファースト・シーズンなんてほとんど観てなかったし、セカンド・シーズンも「つまみ観」していた程度なので特別な思い入れもありませんでした。
今回の映画版についても、ちょっと視聴率が取れればすぐに映画版を製作する昨今の日本映画界の流れに乗った「安易な企画」としか捉えてませんでしたからねぇ。
そもそも、主演の米倉涼子のファンでもないし・・・(キャラとしては嫌いじゃないんですけど、まったく色気を感じませんのです・笑)。

しかし、映画版と銘打ったうえに、サブタイトルの「高度10,000mの頭脳戦」とあるように、邦画では珍しいハイジャックを扱っているのも興味を持った部分でもありまして。

あ、どうでもいいことですけど、本作のポスターやチラシの「10,000」の後3桁のゼロを消すような傷がデザインされてます。ならば、「高度10m」でいいの?
さらにそこに「タイムリミット」というルビもふってあるので、本作のサブ・タイトル、いったいどう読むのが正しいんだろう?

・・・どうでもいいことですけどね(笑)

現金輸送車から2億6000万を強奪した犯人グループの乗った車を、複数のパトカーが追う。
犯人グループは、とあるショッピングモールに客や店員を人質にたてこもる。
警官隊が包囲するなか、警視庁捜査一課特殊班捜査係の宇佐木(米倉涼子)が犯人との交渉に出る。

犯人グループの主犯は御堂(津川雅彦)という男。
彼はジョン・レノンを暗殺したマーク・チャップマンの名前を出し、
「彼はひとたび社会に出れば、レノンのファンから殺されることは確実。だから警察が彼を拘留することでその命が守られている」
と、人命の格差の矛盾を説くや、ショッピングモールを爆破。
しかし、人質は解放され、御堂は逮捕される。

数日後、羽田から北九州へ向かう旅客機がハイジャックされる。
その飛行機には宇佐木も乗っていた。
ある用件で北海道へ向かう予定だった彼女は、先のショッピングモールの事件で人質となっていた青年、木本(林遣都)の姿を空港で見かけ妙な胸騒ぎをおぼえ、彼の後を追っていたのだった。

ハイジャックの主犯、中川(反町隆史)は乗客159人の命と引き換えに、拘留されている御堂の釈放を要求する。
そして、木本は中川と同じくハイジャック犯のひとりだった。

はたして、宇佐木はいかにして事件を解決することができるのだろうか?
159名の乗客の運命や如何に?


ショッピング・モール立てこもり&爆破に続いて、ハイジャックというアクション映画のカテゴリーがてんこ盛りなうえに、ストーリーにもいくつかのドンデン返しを忍ばせていて、観客を楽しませようというその姿勢はとってもいいと思うんですが、いかんせん犯人側の書き込みが薄いといわざるを得ないのです。

本作に興味を持ったのは津川雅彦演じる御堂というキャラで、彼がいかにして若者たちの心をひきつけるカリスマたりえたのか。
最近は好々爺みたいな印象が強い津川雅彦も、昔は悪役を嬉々として演じていた怪優。
たしかに本作では昔取った杵柄といえる悪役を好演していましたが、若者たちが彼に心酔する理由という、肝心な部分が描けていないのは致命傷。
もっとも、なぜ肝心な部分が描けていないのかは、映画の後半の展開に関わってくることでもあり、それを考えればあえて描いていないのかもしれませんが、ならば冒頭のショッピング・モールでの彼の言うことなら素直に聞く犯人メンバーの行動に説得力がなくなってしまうんです。
マーク・チャップマンの名前を出すことで、現代の若者が共感するとでも?
おそらくは作り手にジョン・レノンやビートルズへの思い入れがあるのでしょうが、彼らへの思い入れ=若者文化という感覚には、強烈なズレを感じてしまいました。

アクション・シーンに力を入れるのも良いのですが、物語の地盤が固まっていないと、せっかく本作に用意された様々なエンターテインメント性が薄くなってしまう。
残念ながら本作はそういう典型的なケースになってしまって、つまるところわざわざ映画にするほどのものだったか? という印象しか残らないんですよね・・・。


米倉涼子はドラマ同様、スーパー・ヒロインを演じてました。
特にクライマックスのある場面では、けっこう体力が必要だったことと思います。
でも、相変わらず本作でも色気はまったくございません(そもそも、そういうキャラだし・・・)。
とりあえずドラマ版を楽しくご覧になっていた方には、とあるサプライズも用意されていて、それなり楽しめることと思います。


最後に、極々個人的に気になったのは、本作における寺泉憲の扱い。
思わず見過ごすくらいに扱いが小さい(まともなセリフもなかったと思う)のは何故?
監督と折り合いが悪いのでしょうか?
それとも、もはやそういうポジションの俳優になってしまったということなのでしょうか?

あと、密かに楽しみにしていた某女優の出番も、もうちょっと増やして欲しかったですなぁ・・・。
本作におけるお色気担当は彼女が担っていると思っていたのに・・・(星野真里じゃあないよ)。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中45点】



※本作の主題歌。
TVドラマ、ファースト・シーズンに続いて、湘南乃風が担当。
本編の内容に合っているのか、よくわかんない・・・。



※楽しみにしていた女優とは彼女のことです(笑)




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