■『サロゲート』■(映画) 


サロゲート
ジョナサン・モストウといえば、『ブレーキ・ダウン』(97)『Uー571』(00)と、けっこう面白い映画を作る監督という印象があって、一般的には評価は芳しくなかったような『ターミネーター3』(03)も、個人的には楽しめたものですから、しばらく新作がないなぁ、どうしてるのかなぁ、なんて思っていたんです。
実際のところ、他の映画のプロデュース(『ハンコック』(08)とか)もやっていたそうですが、ようやく新作が公開されました。

今回は近未来を舞台にしたSFサスペンスということで、原作はグラフィック・ノベルなんだそうな。
最近、こういうケースも多いですね。


近未来、人々の生活は一変しておりました。
危険なことやイヤなことは、すべて「サロゲート」と呼ばれる身代わりロボットが行ってくれるのです。
本人は自宅で寝転がっているだけ。
特別な機械でもって「サロゲート」と自分の神経細胞が接続されていて、自分の意思どおりに「サロゲート」を遠隔操作するというわけ。

ちょいとややこしい設定ですが、公開中の『アバター』も設定としては共通するものがありますので、理解しやすいんじゃないでしょうか。
で、そんな世の中になったものだから、殺人なんてもう長い間起こってなかったのですが、ここにきて「サロゲート」が破壊され、それを操作していた人間も殺害されるという事件が起こります。

その捜査をするのが主人公トム(ブルース・ウィリス)とジェニファー(ラダ・ミッチェル)のFBIコンビ。
事件は「サロゲート」を製造したVSI社や、「サロゲート」使用反対を唱える団体などを巻き込んで、意外な展開を見せます。

はたして事件は解決できるのでしょうか・・・?

サロゲート1
上映時間は89分と、最近の映画では短いほうでコンパクトな仕上がり。
そこにサスペンス、アクション、SFと、エンターテインメントな要素を盛り込んで飽きさせないつくりになっているのはさすがモストウといったところ。

「サロゲート」という設定が本作の面白いところで、これが自分の希望する容姿のものが選べるのです。
主人公トムも、髪の毛フサフサで顔ツヤもいい、実年齢より何十年も若い姿の「サロゲート」を使用しています。
このブルース・ウィリスのメイクがユニーク。
いや、若いんですけどブルース・ウィリスには変わりない。
そこがとっても違和感がある(笑)のですが、本作の主人公はそれがいいと思ってるんだからそれでいいんでしょう。
他にもブロンドの美女なのに、それの持ち主は太った中年のおっさんというシチュエーションもありまして、かように「サロゲート」は性別をも超えることができるわけなのです。


しかし、ほんとにそんな世の中って楽しいの?
という、疑問が生じてくるのは自然なことでありまして、本作もそこのところが大きなテーマになっています。

トムには奥さん(ロザムンド・パイク)がいて、一緒に暮らしてはいるものの、奥さんも「サロゲート」を使っています。
ある出来事がきっかけで、奥さんは部屋にこもりっきり。
だから、トムが逢えるのは奥さんの「サロゲート」だけなんですよね。
映画はSFサスペンス・アクションのスタイルを取りながら、いかにして人々はアイデンティティーを取り戻すことが出来るのか、そして、それを主人公夫婦の再生という形で明確に描いていくという、けっこう奥深い作品に仕上っています。
トムが物語の途中で「サロゲート」ではなく、生身の姿(本来のブルース・ウィリス・笑)で捜査を続行しようと決意するところなど、とても深くていいんですよねぇ。


サロゲート2
ただ、肝心の殺人事件の顛末や、あるサプライズについては特に意外性というものが感じられず、このあたりもクリアできていれば映画としてはパーフェクトだったと思うのですが、その点がちょっと残念だったところ。

残念といえば、『U-571』で素晴らしいスコアを聴かせてくれたリチャード・マーヴィンが、本作で再びモストウ監督とコラボを組んだのですが、今回はあまり印象に残りませんでした・・・。


とはいえ、上映時間も短めなので、気楽に観ることができる1本。
時間潰しにはもってこいじゃないですかね。
でも、ジョナサン・モストウにはここらで一発、傑作を放ってほしいところではありますが・・・。
(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中70点】



※これは面白かったなぁ・・・。


※こちらも仕上がりといい、キャスティングといい、文句のつけどころ無し。
リチャード・マーヴィンのスコアも絶品でした。






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