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■『パラノーマル・アクティビティ』■(映画) 


パラノーマルアクティビティ
話題のフェイク・ドキュメンタリーがいよいよ日本上陸でございます。
製作費は低予算ながら、話題が話題を呼び記録的な興行成績を記録した、というのを聞けば思い出すのが『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(99)(もう10年以上も前になっちゃうんですねぇ)。

思えば個人的には『ブレア~』は全然ダメでした。
そもそもフェイク・ドキュメンタリーなんだから、ふりきっちゃえばどんなことでもできるだろうに、散々あおるだけあおっておいて「おいおい、それで終わりかよ!」と、思わず声を上げそうになったあの出し惜しみなエンディングには欲求不満というか怒りさえおぼえましたねぇ。

全編に漂うなんともいえない胡散臭さ。
それゆえにそこに僅かでもリアリティを挟み込むとそれがぐっと活きてくる。
それがフェイク・ドキュメンタリーの面白さだと思うんですけど、『ブレア~』はに~ちゃん、ね~ちゃんが森の中をウロウロするだけで、結局「観たいものを見せてくれない」不親切極まりない作品でありました。

やっぱりね、このジャンルのマスト・アイテム、『食人族』(80)くらいのハッタリ効かせてくれなくちゃ(そういう意味では、先日観た白石晃士監督の『オカルト』は、けっこういい線いってたと思うんですよ)。


そこで、今回の『パラノーマル~』。
ストレート過ぎるタイトルから、その内容も推して知るべしでありまして、じゃあ、そのパラノーマル=超常現象とやらをどう見せてくれるのか、そこが肝心なわけで。

パラノーマルアクティビティ1
ミカくん(女の子みたいな名前ですが、に~ちゃんです)とケイティさん(ちょっとぽっちゃり体型)は恋人同士で、とある一軒家で同棲しています。

さて、ケイティさんはどうも日頃から身の回りで不思議なことが起こっているような気がすると言い出します。それは彼女が子供の頃から続いているとのこと。
同棲しててなんでそれに気がつかないのかってことはともかく(笑)、ミカくんは悩めるケイティさんを救うべく二人の生活をカメラに収めることで、その不思議な現象の正体を突き止めようとします。

さぁ~て、カメラに映っていたものとは!!!


いたってシンプルな設定であり、登場人物はミカくんとケイティさん、そして超常現象の専門家の博士(これがまた胡散臭いし肝心な時に役立たず!)の3人。
さすが、製作費も少ないわけですな。

さて、TVスポットでも頻繁に流れているように、カメラにはしっかり超常現象が収録されていて、特にミカくんとケイティさんが眠る寝室でいろんなことが起こります。
どうやら超常現象を起こしているのはケイティさんに執着する、いうなれば『エンティティー 霊体』(81)みたいな助平な幽霊のようでありまして、実際にいろいろ手を出したりしますが、まぁそこは実際に本編を観ていただくとして、特に固定カメラで映された寝室のシチュエーションでは、映像の右下にはタイムコードも記録され、それなりのリアリティが恐怖心をあおるという形。


詳細については触れませんが、先述の『ブレア~』に比べりゃ、一応は「観たいものを見せてくれた」ので良しとすべきなのでしょうが、恐さの点からいえばそうでもなかったよなぁ・・・よくある映画だったなぁ・・・という程度の印象に留まりました。
むしろ、散々TVスポットで映されている以上の衝撃映像は無いに等しく、最近よく見かける日本の配給会社の無神経さに立腹してしまった部分(もっとも、それ以外に予告編で使える映像といえば、地味なのばかりになるのは判るんですが)もありまして。


それよりも、件のTVスポットでは本作を観て悲鳴を上げたり泣きじゃくる女子の姿が映されていて、宣伝効果としてはバッチリだったのか、僕が観た回もけっこうお客さんが入っていてそのほとんどが若い男子&女子。
それもそもはず、この映画、高校生は入場料金1000円だったんですね。
そんなキャンペーンやってるの知らなかったよ・・・。
で、その男子や女子がTVスポットさながらに、上映中キャーキャーわめくことわめくこと。
いやいや、こ~いうのは決して嫌いじゃなく、この手の映画はどんどんわめいてもらったほうが臨場感があるってなもので、また絶叫するほうも、これまた映画館で映画を観てこそ体験できること。


特に僕の斜め前に座っていた二人組みの女子のリアクションが最高で、本編よりもずっと面白かったです。
予告編が流れてる時点で、
「恐かったらど~しよ~~~、恐かったらど~しよ~~」
とつぶやいている(そもそも、アンタら、何の映画を観にきてるのさ?)。

そのうち、「海賊版撲滅キャンペーン」のクネクネカメラ男の映像に、
「恐~~~いっ! 恐~~~~いっ!」
(たしかにあの動きは恐いかもしれないけど・・・)。

で、いよいよ本編が始まって、驚愕のラストを迎え(無論、その間、彼女たちの絶叫が続く)、場内が明るくなっても放心状態だったのか、その2人はしばらく座り込んだまま。
ほんとに、いい体験したね。よかったねぇ・・・俺。


かつて梅田東宝で『リング』(88)を観た時にも、同じような体験をしました。
ご存知のようにあの映画のクライマックスは、語り草になるくらい恐かったですが、ちょうど場内は女子高生の観客が多くてその悲鳴が相乗効果を生み、あれはほんとにいい体験だったなぁ・・・。
今回も、『リング』のようにクライマックスに向けてテンションを上げていくような内容であればよかったんですけど、そこはあくまでドキュメンタリー風の映画ということで、演出面でも限度があったことは仕方がないといえば仕方がないのですが、どうも見掛け倒しな印象しか残りませんでしたねぇ。


ところで本作のクライマックス、先述のようにTVスポットでも頻繁に映っている映像が出てくるんですけど、これって当初の映像ではなく、オリジナル版を観たスピルバーグが、監督に費用を出してあげて撮り直しさせたものなんだそうな。

そりゃそうでしょう、低予算ななかでどうやってあんな映像を撮ることができた(具体的に書けば、被写体がカメラに向かって飛んでくる)んだろう? と不思議だったんですけど、それなりのSFXが使われているんだろうな(やっぱりILM?)。

で、オリジナルのクライマックス・シーンについては、某映像アップサイトでも容易に観ることができますので、本編をご覧になった方は見比べてみるのも一興かと思います(ただし、パロディ映像も山のようにアップされているので、どれがホンモノのオリジナル・エンディングなのか判断しづらいかも)。
ただ、個人的な意見としては、公開版もオリジナルのエンディングも、どっちもどっちですが(むしろ、余計なことするなよスピルバーグ! と思いました)。


ってなわけで、なにかと話題になっている本作よりも、もっと出来のいいフェイク・ドキュメンタリーなんて、レンタル・ショップへいけば幾らでもありますが、違う意味での臨場感を味わいたいなら、ぜひ劇場にてご覧いただきたい一本。

その際にはくれぐれも、観客の年齢層を確認してから入場されたし。

(MOVIX八尾にて鑑賞)

【採点:100点中35点】


※『パラノーマル~』を観て、悲鳴をあげていた女子たちの中には、本作のこと知らない世代もいることだろうなぁ・・・。


※そろそろ、劇場でリバイバル上映していただいてもいいんじゃないかって、数年前から思っております。




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