◆『女教師 少年狩り』◆(ビデオ) 


オンナキョウシショウネンガリ
僕が小学生の頃からにっかつロマンポルノを劇場で観ていた(そればっかりじゃないですよ)というのは、『女教師』のレビューのところでも書きましたが、そのなかで長年それがなんという作品なのかわからなかったものがありまして。
やはり『女教師』と同じく、学校が舞台でやっぱり教師が生徒たちにご無体なことをされるという作品だったのです。てっきり、それが田中登監督の『女教師』だと思っていたんですが、後年、『女教師』を観たら「あ、違うわ」って。

学校の屋上で女性教師が数人の生徒に襲われる。
そこに叙情的なフォーク・ソングが流れる。

それが強烈に印象深くって、さらにラストシーンではその教師の結婚式に、生徒の一人がナイフを持って乗り込んでくるというのも強烈でした。
あれは一体何という映画だったんだろう? とウン十年間謎のままだったのですが、ひょんなことからこの年末にそれがようやく判明したのでした。
75年に作られた『女教師 少年狩り』(なんちゅうタイトルだ)という作品がそれ。
監督はにっかつロマンポルノでも数多くの作品を撮っている小沼勝。

主演はひろみ麻耶。70年代にロマンポルノに数多く出てましたし、東映の作品でもよく出てましたな。
彼女が出た『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』(77)は、カルト映画ファンには有名な一本ですが、残念ながら僕は未見なんですよ。なぜかアメリカではDVDが出てるのにねぇ。

ま、それはともかくとして、にっかつロマンポルノの女教師ものって、『女教師』が最初かと思ったら、それ以前から作られていたんですねぇ・・・。

都内の男子校が舞台。
山上先生(ひろみ麻耶)は生物の教師。
普段から色メガネ(サングラスじゃないよ。色メガネだよ)をかけ、フェロモンむんむんな彼女(そんな状況で、性教育なんてやるもんだから思わず笑ってしまいますわ)に、生徒たちの視線は釘付け。
特に晴彦と耕介はどちらが先に彼女といい関係になるかで争う始末。
それを見た山上先生は二人を自分のマンションに誘い込みますが、デリケートな部分を剃毛だけされて部屋をから放り出される晴彦と耕介でありました。

とにかく、聖職者として振舞う彼女でしたが、じつはとっても淫乱でありまして、教え子の父でヤモメで歯科医の野田(高橋明)ともいわゆるアバンチュールを楽しんでいるような次第。

さて、ある日学校に一人の転校生がやってきます。
出川弥太(村国守平)というその少年の名前を聞き、驚く山上先生!
じつは弥太の兄は山上先生の前任の学校で、彼女が手を出した生徒の一人。
弥太の兄は、奔放な山上先生にショックを受けて自殺してしまったのです。
つまり、弥太は兄の復讐のために山上先生のいる学校へやってきたというわけです。

山上先生は罪の意識に苛まれながら、弥太の要求(ノーパンで登校して来い、に始まって、下着を着けずに学校に来いと要求はエスカレート)を受け入れてしまいます。
やがて、彼女が下着をつけないまま授業(カエルの解剖。これがまた克明に映し出してくれるその悪趣味さよ!)をしていることが生徒たちにバレてしまいます。
特にプライドを傷つけられた晴彦と耕介を中心に、生徒たちは山上先生を校舎の屋上に追い詰めるや、次々と彼女に襲いかかっていくのでした(でも、次第に嬉しそうな表情をする山上先生は一枚上手!)。

それを醒めた目つきで傍観している弥太。
これでようやく兄の復讐を遂げることができた(そうなのか?)のでした。
が、後日、弥太はクラスの野田から山上先生が彼の父親と結婚することを聞き逆上。
ウェディングドレスを着飾った山上先生の結婚式に、弥太はナイフを片手に現れるや、彼女めがけて突進していくのでした。


上映時間1時間ちょっとの映画のなかで、その3分の2くらいが性描写。
とにかくヒロインの山上先生ってのが淫乱な教師という設定ですので、彼女のあらゆるそんな場面が出てまいります。
さらには、教え子の野田と彼の父親がよく通うバーのママの娘とのそんなシーンであるとか、山上先生と歯科医の野田とバーのママとの3P(これがやたらと長い)だとか、正直観ていて「もうええがな・・・」というくらい、まぁそういうシーンが多いわけです。
なので、『女教師』ほどのドラマ性はかなり薄いのですが、しかし、山上先生によって自殺に追い込まれた少年と、彼が大事にしていた戦艦大和の模型が象徴する少年の持つナイーブな心情(この模型が最後にどうなるかを観るに、この模型にどのような意味を持たせているかが明確になってきます)。

それと対照的な晴彦や耕介といった、いつも頭の中はエッチなことしかないというマセガキの心情。
その中間を行ったり来たりしながら煩悶する弥太の姿を描くことで、ある種青春映画の様相を呈するその作風には、全体的にどこか爽快感のようなものさえ感じられます。
とりわけ、クライマックスの屋上での場面と、ラストシーンに流れるダッチャ「夏の風」というナンバーが、この映画の本質を代弁するかのようでじつに効果的なんです(ダッチャというシンガーは初めて知ったんですけど、70年代に活躍された関西出身のアーティストだそうで、「26号線」というナンバーが有名なんだとか)。


とにかく、小学校低学年の時に観て以来の再会には、作品の質がどうこうってよりも、素直に感動いたしまして、あのタバコのヤニが床にこびりついて、歩くたびに「ベタッ、ベタッ」と音が鳴った、東大阪の名画座のどこか猥雑な雰囲気をも追体験するかのようでありました。
それにしても、『女教師』もそうですけど(さらに言えば池玲子や杉本美樹らが出た東映のスケバン映画も)、映画自体がいわゆる文芸作品じゃなくタブーやアブノーマルを扱った作品でありながら、撮影は実際の学校で行われているのをみるに(ゲリラ撮影ではないと思うけど)、当時は理解ある学校も多かったんだなぁ、と妙なところで感心してしまいましたとさ。


【採点:100点中60点】


※DVDは未発売。
中古ビデオなどを根気よく漁ってくだされ。



コメント

>朝倉葉子さま

コメントありがとうございます!

かなり幼い頃に劇場で観た映画で、歌の内容もうろ覚えだったのですが、ビデオで再見してとても感動いたしました。

このダッチャのナンバーって、CD化されてないのでしょうかねぇ?

ビデオではなく、じっくりと聴いてみたいのですが・・・。

映画のなかで流れていた、ダッチャの『夏の風』なかなかいい曲でしたね★彡

…青い夏の夕暮れには小道づたいにキミを連れて 小さな花を摘みに行こう…
こんな出だしだったかな

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