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■『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』■(DVD)※加筆済※ 



おんなごくもんちょうひきさかれたにそう
77年公開の東映映画。
監督は東映異常性愛路線の作品をいくつも監督した牧口雄二。
併映(というか、こっちがメインなんだけど)は『新宿酔いどれ番地 人斬り鉄』(主演:菅原文太)。

77年といえばすでに父に手を引かれ、あらゆる映画を観に行っていた。

月に1~2回、日曜日に父は好きな競艇に行って、その帰りに映画館へ行くというのがパターンになっており、僕は競艇は興味なかった(幼少から興味あるほうがおかしいけど。もっとも僕は競艇場で売ってるイカ焼きを買ってもらうのが目当てだった)わけで、その帰りの映画館が楽しみだった。
競艇で勝てばロードショー作品、負ければ名画座(千日前、新世界、布施あたり)というのパターンで、小ぎれいなロードショー館も好きだったが、2~3本立てが普通だった名画座もいろんな映画が観れるということで好きだった(たいてい場内はタバコの煙、床はヤニでベタベタな小屋が多かったけど)。

そんな中、東映作品もかなり観に行った記憶があるが(それがいったい何という作品なのか、膨大すぎて整理できていないのが正直なところ)、この本作は観たおぼえがない。

それは本作の牧口雄二監督の他の作品、たとえば『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』についても同じこと。
ただ、『~牛裂きの刑』は、磔にされた女性の構図のポスターには、幼少の頃に強烈な印象を受けたものだった。
おそらく東大阪は布施の映画館で上映されていた頃に、街角に貼り出されていたポスターを観たんだと思う。

昔の近鉄布施駅は現在のような高架式の駅舎ではなく地上にあった。
片方のホームへ行くには地下道をくぐる形式になっており、その薄暗い地下道に当時布施駅周辺に数多くあった映画館で上映中のポスターが、何枚も貼り出されていたのだ。
ポスターは記憶にあっても本編は観たことがない。
想像するにこういったエロ・グロ映画は子供に観せたらあかん、と父が判断したのだろう。
まぁ、作品そのものが成人映画扱いだったし、あえて見せなかったのか、あるいはひょっとしたら父一人で出かけた時に観ていたのかもしれない。
とはいいながら、洋画のそういった珍奇な映画は、普通に僕も観てたけどね。『悪魔のいけにえ』や『処女の生血』とかね。
2~3本立ての映画の中に、1作だけ成人映画が組み込まれているということも、しばしなあった。
そういう時は、モギリのおばちゃんかおっちゃんが、
「成人映画もあるんやけどなぁ」
と父に注意(というほどのもんじゃないけど)していたことも何度かあったが、
「子供やから、わからへんわからへん」
とそのたびに父が答えていたこともあったっけ。
たしかに、あまりに幼少の時は、スクリーンでなにが映し出されているのか理解できなかったけど、小学校の低学年くらいになれば、だいたいのことはわかるもんで(笑)
まぁ、父親からすれば情操教育もへったくれもなかったんだろうが、後年よく父が口にしていたのは、きれいなこともそうじゃないことも隠さず見せることが大事、と言ってたもので。
映画館へ僕を連れて行ったのも、そういうことの一環だったんだろうな。


大人になり、東京で単身赴任をしていた頃、品川区の大井町に今は亡き、大井武蔵野館という知る人ぞ知る映画館があって、ここではいわゆるカルトな映画を独自のラインナップで上映していた。
暮らしていたのが江戸川区だったので、ここへ行くのは結構遠かったこともあって、ほんの数回しか訪れたことがなかったが、上に挙げた牧口作品や石井作品も繰り返し上映されていたと思う。
情報誌「ぴあ」で上映情報を眺めては切歯扼腕していたことも数知れずだった。

いまやこの手のカルト映画も、最後の砦といわれた『~恐怖奇形人間』が、今年無事DVD化(サントラCDまでリリース!)されたこともあり、多くの方が鑑賞可能になったが、数年前まではこの大井武蔵野館のような小屋がなければ、映像としての資料は輸入版DVDを購入する以外に方法は限られていたんじゃないかと思う。
(あ、いまは東京にはラピュタ阿佐ヶ谷とかいう小屋があるんだっけ?)
大阪にも、新世界東映という稀有な映画館があるが、ここでかかるのは主にカルトな方じゃなく、2本立て興行作品でいえばメインの方の作品を中心にプログラムが組まれるのが定番なのが惜しい(本作でいえば、上に挙げた『~人斬り鉄』の方ね)。


さて、数年前より東映ビデオも、それまで封印されてきた、カルトな映画を精力的にDVD化してリリースしている。
おそらくは海外の輸入版DVD(国内ではリリースされず、米国ではリリースされるという変な現象だったな)を買い求める方が多くなったり、それをコピーした粗悪な海賊版DVDにお金が流れていくことを阻止するためなのだろう。

いずれにせよ、レイティングが細かく定められ、映像表現の規制が厳しくなった折、その反面こうしてDVD化されて、幻のカルト映画群が手ごろに茶の間で観ることができるようになったのは、時代に反比例していいことだと思う。
もちろん、描かれる内容は常識人からすれば、眉をひそめ、目を背ける作品が多いことだろう。
しかし、そういった作品は当時の活動屋たちが、いかに観客を楽しませてやろうかという智恵を搾ったうえでのバイタリティとサービス精神の表れであり、多少それがゆがんだ形だとしても一つの形として結実したのが、これら「東映異常性愛路線」の作品群なんだと思う。


ここ数年はレンタルショップへ出向いて映像作品を借りるという習慣がまったくなくなった。
よく行ってた近所のレンタルショップがことごとくなくなった上に、自宅で映像作品を観る時間もなくなったのが大きな理由だが、それでも観たいと思った作品があれば、いまは某ツ○ヤのネットレンタルを利用している。
(ネットが発達したのも、ショップがなくなった大きな要因なんだろうけど)
牧口監督の『~牛裂きの刑』や『毒婦お伝と首切り浅』などはこれで観たわけだが、なぜか『~引き裂かれた尼僧』だけがラインナップにない。
なんで? と思いつつ、よくよく探してみればなんてことはない、「成人映画」扱いになっていた。
それだったら『~牛裂きの刑』だって「成人映画」だろうよ(笑)
でも、こちらは「成人映画」扱いではないという、ツ○ヤのスタッフもなんだかいい加減だなぁ・・・ということで、まぁ、そんなこんなでようやく『~引き裂かれた尼僧』を借りることが出来、晴れて本編を観る事ができたわけだ。


※以下、ストーリーについて触れる。いわゆるネタバレもしているので、まったく知りたくないという方は、読み飛ばしていただきたい。
引き裂かれた3
江戸時代。
開巻早々、足抜けした女郎おみの(田島はるか)が、ボロボロになりながら逃げている。
演じる田島はるかは、高橋伴明監督の作品の端役で出演していたのを牧口監督が見初めたんだとか。
彼女がインドが好きだということで、芸名の由来はタージマハール。
この映画のギャラでインドへ行く夢を抱いていたという。
引き裂かれた2
だんごっ鼻のコケティッシュな女優で、いまでいえば二階堂ふみみたいな感じ。
雪の中を転げ落ちたり、大根やふきのとうを生でかじったり、のっけからから相当にハードだ。
これもインドに行くため、と我慢していたんだろうな。


それを追う岡場所の弥太八(汐路章)と亀(佐藤蛾次郎)。
いわゆる悪役だが、この陰惨とした映画のなかでコメディ・リリーフ的な役割を担っている。
やることはえげつないけどね(ここでは敢えて書かないけど)。
引き裂かれた5
ここでおもむろに挟み込まれる回想シーン。
おみのはその夜の客(いまや、誠実な豆腐屋を演じる主演映画まで作られるようになった小林稔侍。いきなり濃厚なお布団シーンを展開してくれますよ)に、一緒に逃げるよう頼み、足抜けしようとするのだが、すぐに弥太八らに見つかって哀れ稔侍はその場で殺される。
その隙をみて逃げ出すおみの。

引き裂かれた6
おみのは途中、二人組みの猟師(片桐竜次と野口貴史。前者はいまや『相棒』で警察のえらいさん。後者も息の長い俳優さんだな)に襲われさらにボロボロに。

その後、イケメンの行商人、伊三郎(成瀬正。現:成瀬正孝)に助けられて、ようやく目指す駆け込み寺へとたどりつく。

引き裂かれた8
寺には美しい庵主、桂秀尼(折口亜矢。藤田敏八監督作品でデビューし本作が2作目。その後、映画の世界を離れてダンス界で活躍されているとか)と、修行中の三人の女性、おかじ(ひろみ麻耶。 『女教師 少年狩り』での彼女は僕の幼少期のトラウマだ。本作では蛇好きという設定だが、本人もほんとに蛇が好きで撮影で使った蛇を持って帰ったそうな。だが、クランクアップの翌日に麻薬で逮捕される。にしきのあきらに麻薬を提供していて、二人とも逮捕されたのは有名な話)、おつな(芹田かおり。撮影中に逃げ出したところを京都駅で監督らに連れ戻される。猫好きという設定。劇中で猫の死体が出てくるがやけにリアルだなと思ったら、麻酔で眠らせるつもりが本当に死んでしまったという。それが嫌で逃げ出したんだろうか)、おとく(藤ひろ子。ピンク映画にいろいろ出てらっしゃいましたな。本作でも胸をさらけ出す場面はあるけど、それよりエキセントリックな芝居で後半の空気全部持って行きます)、そして口の利けない少女小夜(佐藤美鈴)がいた。
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おつなの話では、桂秀尼はとある旗本の娘だったが、男に騙されて下女の小夜を連れ流浪の果てにこの寺にたどり着き、先代の庵主に助けられたのだという。

彼女たちが読経している本堂には、即身仏(蛆がたかっているのが、なんとも悪趣味。『サンゲリア』かよ。中に人が入ってて、微妙に動いてるし)が安置されているが、これが先代の庵主なのだろうか。
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ある日、寺に一組の駆け落ちカップルがやってくる。
嘉助(五十嵐義弘)、お絹(内村レナ。『~牛裂きの刑』で牛裂きされたのに、本作ではちゃんと体くっついてます)を親切にかくまってやる桂秀尼。
ここで二人の濃厚なお布団シーン(本作はそもそも「成人映画」、いわゆる「ポルノ映画」扱いだったのを、いまになって気づく。こんな内容で当時のおっちゃんたちは満足したんだろうか?)が展開される。
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しかし、翌朝、嘉助の姿が見えなくなる。
不審に思ったおみのとお絹は、小夜の指し示す寺の裏に回ってみると・・・。




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ボッサボサの頭に顔面白塗りの寺男、作造(志賀勝)が、生肉の塊をナタでバラバラにしてるじゃあ~~~りませんか!!

大きな鍋で肉塊をぐつぐつ煮て、それにくらいつく作造と小夜。
お絹はその肉塊が嘉助だと察知し、狂乱のあまり首をくくってしまう。

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駆け込み寺とは表の顔で、この寺は迷い込んだ男を食い物(本当の意味での)にしていた、おそるべき食人寺だったのだ。
境内で栽培されているのは真っ赤なケシの花。
これで夜な夜なトリップしている桂秀尼はおみのとお布団シーン(またかよ)を展開。
彼女を自分たちに引き込もうとする。

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おかじとおつなは仲良くお布団シーン(もうええって)。

年増のおとくは陀羅尼経を唱えながら護摩を焚いている(このハイテンションな演技は見ものですよ)。

彼女たちはそれぞれに男に対する恨み(があるようなことをほのめかすセリフはあるけれど、具体的なシーンは描かれず)から、この寺に迷い込んできた男を食い物(しつこいけど本当の意味で)にしていたのだ。

でも、志賀勝は平気で寺内ををウロウロしてるけど・・・。
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すべてを悟ったおみの(彼女の内面を表現するシーンで、極彩色なサイケなスタジオで、登場人物たちが珍奇に踊る場面が挿入される)は、こんな寺にいてられるかい! と出て行こうとする。




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が、寺へ来る前に彼女を襲った猟師コンビにばったり遭遇。
またも襲われそうになるところを、食人尼さんたちが猟師を捕らえ、またまた食料にしてしまう。

さらに、おみのを追ってきた弥太八と亀も捕らえられてしまう。

さらにさらに、伊三郎も寺にやってくる、ってここは男ホイホイかよ。
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おみのは伊三郎を逃がそうとするが、「俺ぁじつは幕府の隠密だから心配すんな」、とかっこいいことを言っておみのとお布団シーンを展開するが、翌朝、伊三郎は首を切られた無残な死体となる。



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十手をくわえた生首が、水桶に沈んでいるのだが、成瀬正、桶の底から首だけ出しての渾身の演技。
しかし、本人も監督もどうやって撮影したのかおぼえてないんだとか。
そんなもんなんやね・・・。


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おみのは食人尼たちを倒そうと、捕らえられていた弥太八をそそのかすが、あっという間に桂秀尼に返り討ちに遭う(汐路章は今回もいいところなしだ)。

亀はおとくに母乳を飲まされて窒息死(どんな死に方や?)されてしまうし。

その間、おみのはおかじ、おつなを殺害、おとくは落下した本堂の梁の下敷きになって死ぬ。

と、ごちゃごちゃあって、おみのと桂秀尼と最終決戦に突入する。
燃えさかる寺の本堂で、闘う二人。
たいていこういう作品って、クライマックスは燃える建物の中だね。
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で、おつなは桂秀尼を倒すのだが、彼女は小夜に槍で突き殺されてしまう。
ヒロイン、死ぬのかよ・・・。





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ここで小夜の回想シーン。
雪深い中を旅行く桂秀尼と小夜。
しかし、猟師に襲われる桂秀尼。
それを助けようと、小夜は猟師を殺害する。

この二人が親子だったかはわからないが、強い絆がそこにあったことを示唆する場面だ。
そして燃え盛る本堂で、小夜は初潮を迎えるのだった。
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ここで、安置されていた即身仏がいきなり立ち上がるという、珍奇なシーンが盛り込まれるのだが、せっかくのセンチメンタルな場面をぶち壊す、最後の最後で残念な演出だ。




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すべてを失った小夜は、一人雪の中を旅立っていく、というところで「完」。









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はたして、田島はるかはこの映画で、インドへ行けるくらいのギャラをもらったんだろうか?

というか、あれ? 志賀勝はどこ行った?



すべてにおいて陰惨な物語だが、汐路章と佐藤蛾次郎の使い方や、醜悪だがどこかコミカルな志賀勝といった、こういうところに作り手のバイタリティを感じる。
男に騙された女の悲哀、というのが物語の根底にあって、いつも酷い目に遭うのは女性であるという視点は、物語こそ醜悪だが揺るがないテーマでもある。
そして、一人の少女の通過儀礼の物語(人肉喰ってたけどね)という、リリカルなエンディングという、終わりよければすべてよし、ではないが、70分足らずの映画の中で語られるものはかなり多い。
じっさい、冗長な映画もある中で、凝縮しての70分足らずはじつに濃密な体験を与えてくれる。
とはいえ、こういう映画に慣れた向きじゃないとキツイ映画であることはたしかだか。
【amazon】 DVD ※18歳未満の方は購入できません】



おんなごくもんちょうひきさかれたにそうかるとぜんしゅう
本作に関しては、ワイズ出版より発売された日本カルト映画全集8(96年発刊)に詳しく、シナリオ(完成した映画と多少の違いがあるのも面白い)や牧口監督のロングインタビュー、出演者、スタッフの談話、撮影時のスナップ写真、スチール写真などが掲載されており、本作に興味を持った方には必携の書である。

とりわけ、小夜を演じた佐藤美鈴は当時中学生であり、完成した映画は成人指定だったので、父親と一緒に上映中の映画館に観にいったという本人による談話が微笑ましい。

さらに、監督を囲んで女優たちが談笑しているスナップ写真は、完成した映画こそエログロナンセンスではあるが、撮影時はわきあいあいとしていたことが感じ取れてじつにいい雰囲気(じゃあ、なんで芹田かおりは逃げ出したんだろう。あ、逃げ出す前の写真なんだな)。

監督のインタビューでは撮影時の秘話があれこれ語られており、スコアを担当した渡辺岳夫についても、作り手仲間の友情というか義理のようなものを感じられる逸話が披露されている。

すでに入手しづらくなっている書籍だが、これは資料として、また映画そのもののパンフレットとしても、じつに読み応えのある一冊だ。
【amazon】 まだ扱ってます。



※加筆(2018.1.3)
なお、この作品には原作が存在する。
オープニング・クレジットにも挙がっているが、島森俊夫 著:「女地獄獄門帖」がそれ。

上に挙げた「日本カルト映画全集8」にて、本作のプロデューサー本田達男氏の談話によれば、原作のタイトル(実際の映画は「地獄」が抜けているが。語呂が悪いので削ったんだとか)と、尼寺が舞台ということを引用しただけで、内容はまったくの創作とのこと。

当時話題になったトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』の路線で、生き地獄から逃げだしたヒロインが駆け込んだ尼寺が、それ以上の地獄だったという内容で、脚本を担当した志村正浩氏が考え出したオリジナル・ストーリーである。
同じく「日本カルト~」では、志村氏の談話も掲載されているが、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の影響もあるというのが面白い。

とはいえ、原作があるというのなら、それも読んでみたい、というのが人情だ(どういう人情だよ?)。
で、amazonで調べたら、ちゃんと扱ってるじゃないか。
早速注文したら、あっという間に届いたよ。
おんなごくもんちょうひきさかれたにそうげんさく
作家は島森俊夫。
不勉強で存じ上げなかったが、いわゆる江戸時代を舞台にした官能小説を多く書かれている。
「女地獄獄門帖」もその一つで、昭和50年代前半、東京スポーツ紙に連載されていたのを、昭和52年(77年)に双葉社の双葉新書という形で1冊の本にまとめられて出版。
内容は15編の短編から構成されていて、いわば、団鬼六作品をもうちょっとソフトにしたような内容だ。
本作の原作という「引き裂かれた尼僧」は一番最初に登場する。

ヒロインはとある尼寺の美貌の庵主、春蘭。
周囲の貧しい農民に施しを与え、慕われていた尼僧だが、じつは相当な淫乱だった。
時に町娘、時にあでな姿の姐さんのいでたちで、夜な夜な町に繰り出しては男をたぶらかし、最後に金品を奪うというとんでもない春蘭尼の所業が描かれる。
それがバレそうになると、相手を平気で殺してしまうおそろしい悪女だ。
しかし、最後には騙した男にひょんなことで遭遇、文字通り、引き裂かれてしまうという因果応報なお話。

・・・ほんとに映画とまったく違う(笑)

実際、映画のタイトルは「引き裂かれた尼僧」だが、映画ではそんなシーンはまったくない(引き裂かれてるのは男だもんね)が、原作を読めばなるほど、ってなもので。
内容はおろか、登場人物の名前も全然違う。
それでも、クレジットに原作云々を掲げなければいけないのは、タイトルだけであっても後で問題が生じることの防御策だったのだろう(だったら、タイトルも創作したらよかったのに)。
逆に、当時はこの原作がけっこう知名度があって、映画の製作陣もそれにあやかったのかもしれないけれど。

本書に掲載されている短編小説だが、ほかにも興味をそそられるタイトル(逐一挙げませんよ(笑))が掲載されていて、まぁ、暇つぶし程度に読めばいいだろう、くらいなもので。
この手の映画を作ろうと思う向きには、アイデアの宝庫かもしれない。
【amazon】  興味のある方向け。




コメント

Re: 奈良県の映画上映

> ナヨンさま

今年もよろしくお願いいたします!!
それと、メールでいろいろお送りいただきありがとうございます(笑)

まだ聴けてない(この年末年始はほとんど仕事でした。丸々休みだったのは今日、1月3日だけでした)んですけど、『新感染~』のスコア、流している局あったんですね・・・(笑)
ご存知のようにあの作品、サントラはリリースされていません。
Youtubeに出処不明の音源が挙がってますけど、ひょっとしてそれを流してらっしゃったんでしょうかね。
因みに、うちの場合は某ルート(Youtubeに非ず。作曲家サイドより)から入手したものです。

> 奈良県のマイナー映画の上映状況を調べてみました。
>
> 【イオンシネマ西大和】
> 1/5(金)~1/18(木)「gifted/ギフテッド」
> 1/13(土)~1/26(金)「IT イット“それ”が見えたら、終わり。」
> 1/13(土)~1/26(金)「ゴッホ 最期の手紙」
>
> 【シネマサンシャイン大和郡山】
> 1/6(土)~「彼女がその名を知らない鳥たち」
> 4/7(土)~「blank13」
>
> 【ユナイテッド・シネマ橿原】
> 1/6(土)~「あなた、そこにいてくれますか」
> 1/13(土)~「gifted/ギフテッド」
> 1/13(土)~「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」
> 1/13(土)~「女神の見えざる手」
> 1/20(土)~「ビジランテ」
> 1/20(土)~「人生はシネマティック!」
> 1/27(土)~「南瓜とマヨネーズ」
> 1/27(土)~「不都合な真実2:放置された地球」
> 1/27(土)~「パーティで女の子に話しかけるには」
> 2/9(金)~「コンフィデンシャル/共助」
> 2/10(土)~「彼女が目覚めるその日まで」
> 2/10(土)~「新世紀、パリ・オペラ座」
> 2/17(土)~「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

いろいろ挙げていただきありがとうございます。
もちろん、このあたりの情報はすでに入手済みであります。
2月3日からはイオンシネマ西大和にて『天使のいる図書館』リバイバル上映決定しましたよ。

> 「IT」はイオンシネマ西大和でかかるの遅過ぎですね。
> 勝ち馬に乗るの遅過ぎて、今更かよ!って思ってしまいます(笑)。(^^;

いわゆるセカンド上映です。
おそらく県の興行組合でファースト上映、セカンド上映が決まるんだと思います。
でも、『IT』は音楽的にも取り上げたかったので、音源、陽の目をみました(笑)

> 「gifted/ギフテッド」は1ヶ月半遅れですね。
こちらもセカンド上映。
シネマサンシャインさんの『彼女がその名を~』も同じく。

セカンドでも、こういった作品を地元で上映してくれるのはじつに嬉しいことです。


> 私的に観とかないとマズイなあと思っている映画はこの辺りですね。
> (どこのシネコンでも上映しているメジャー作品は外しています)
>
> 1/6(土)~「クイーン 旅立つわたしのハネムーン」シネマート心斎橋
> 1/20(土)~「目撃者 闇の中の瞳」シネマート心斎橋
> 1/27(土)~「はじめてのおもてなし」シネ・リーブル梅田
> 1/27(土)~「星くず兄弟の新たな伝説」シネ・リーブル梅田
> 1/27(土)~「ミッドナイト・バス」なんばパークスシネマ
> 1/27(土)~「ジュピターズ・ムーン」シネマート心斎橋
> 1/27(土)~「花筐/HANAGATAMI」大阪ステーションシティシネマ
> 2/1(木)~「スリー・ビルボード」TOHOシネマズ橿原
> 2/3(土)~「アバウト・レイ 16歳の決断」なんばパークスシネマ
> 2/9(金)~「マンハント」シネマサンシャイン大和郡山
> 2/10(土)~「アウトサイダーズ」シネマート心斎橋
> 2/16(金)~「エターナル」TOHOシネマズなんば
> 2/23(金)~「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」TOHOシネマズ橿原
> 2/24(土)~「blank13」シネマート心斎橋
> 3/1(木)~「シェイプ・オブ・ウォーター」TOHOシネマズ橿原
> 3/2(金)~「ダウンサイズ」TOHOシネマズなんば
> 3/21(水・祝)~「トゥームレイダー ファースト・ミッション」
> 4/7(土)~「ラブレス」
> 4/20(金)~「レディ・プレイヤー1」
> 4/21(土)~「タクシー運転手 約束は海を越えて」シネマート心斎橋
> 4月~「娼年」
> 6/29(金)~「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」
> 7/13(金)~「ジュラシック・ワールド 炎の王国」
> 7/20(金)「未来のミライ」
> 順次公開「ナチュラル・ウーマン」シネマート心斎橋

『マンハント』(なんちゅうタイトルや)や『ジュラシック~』~はメジャーかと(笑)←ツッコミすみません。

僕は数少ない正月休み、シネリーブル梅田へ『最低。』を観てきました。
(これは奈良ではやらんだろうと思い)

『8年越しの花嫁』の瀬々監督作品ですが、やっぱりこちらのほうがしっくりいくんじゃないかと監督的には。
ネットでの反応が薄かったので、どんなもんだろ、と思いましたが、僕はけっこうよかったですよ。

> 私的に注目しているのは斎藤工が初監督した「blank13」ですね。
> かなりの映画マニアなので、いい意味で裏切って欲しいなあと思っています。
> (「ソニータ」を日本上映する為のクラウドファンディングに斎藤工が出資してたのには驚きました)

こればっかりは、蓋を開けてみないと・・・ね(笑)

> 京都みなみ会館の閉館は残念ですね。
> もし後継映画館を作るのにクラウドファンディングしたら、幾らか出資したいです。

僕はまったく行ったことがないので、思い入れはないのですが、ファンの多い小屋だったようで、そういうのもなくなっちゃうんですね。

この項(『女獄門帖~』)でも触れている、大井武蔵野館みたいに・・・。

奈良県の映画上映

ビンさん、こんにちは。
今年も宜しくお願いします。(^^)

奈良県のマイナー映画の上映状況を調べてみました。

【イオンシネマ西大和】
1/5(金)~1/18(木)「gifted/ギフテッド」
1/13(土)~1/26(金)「IT イット“それ”が見えたら、終わり。」
1/13(土)~1/26(金)「ゴッホ 最期の手紙」

【シネマサンシャイン大和郡山】
1/6(土)~「彼女がその名を知らない鳥たち」
4/7(土)~「blank13」

【ユナイテッド・シネマ橿原】
1/6(土)~「あなた、そこにいてくれますか」
1/13(土)~「gifted/ギフテッド」
1/13(土)~「プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード」
1/13(土)~「女神の見えざる手」
1/20(土)~「ビジランテ」
1/20(土)~「人生はシネマティック!」
1/27(土)~「南瓜とマヨネーズ」
1/27(土)~「不都合な真実2:放置された地球」
1/27(土)~「パーティで女の子に話しかけるには」
2/9(金)~「コンフィデンシャル/共助」
2/10(土)~「彼女が目覚めるその日まで」
2/10(土)~「新世紀、パリ・オペラ座」
2/17(土)~「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」

「IT」はイオンシネマ西大和でかかるの遅過ぎですね。
勝ち馬に乗るの遅過ぎて、今更かよ!って思ってしまいます(笑)。(^^;

「gifted/ギフテッド」は1ヶ月半遅れですね。

1~3月は観とかないとマズイなあと思う映画が多いので(特にミニシアター系)、奈良県だけ上映が遅れちゃうと観る映画が溜まって困るんですよね。

50歳でハシゴ3本はキツイので。(^^;
2本が限界ですね。

私的に観とかないとマズイなあと思っている映画はこの辺りですね。
(どこのシネコンでも上映しているメジャー作品は外しています)

1/6(土)~「クイーン 旅立つわたしのハネムーン」シネマート心斎橋
1/20(土)~「目撃者 闇の中の瞳」シネマート心斎橋
1/27(土)~「はじめてのおもてなし」シネ・リーブル梅田
1/27(土)~「星くず兄弟の新たな伝説」シネ・リーブル梅田
1/27(土)~「ミッドナイト・バス」なんばパークスシネマ
1/27(土)~「ジュピターズ・ムーン」シネマート心斎橋
1/27(土)~「花筐/HANAGATAMI」大阪ステーションシティシネマ
2/1(木)~「スリー・ビルボード」TOHOシネマズ橿原
2/3(土)~「アバウト・レイ 16歳の決断」なんばパークスシネマ
2/9(金)~「マンハント」シネマサンシャイン大和郡山
2/10(土)~「アウトサイダーズ」シネマート心斎橋
2/16(金)~「エターナル」TOHOシネマズなんば
2/23(金)~「The Beguiled ビガイルド 欲望のめざめ」TOHOシネマズ橿原
2/24(土)~「blank13」シネマート心斎橋
3/1(木)~「シェイプ・オブ・ウォーター」TOHOシネマズ橿原
3/2(金)~「ダウンサイズ」TOHOシネマズなんば
3/21(水・祝)~「トゥームレイダー ファースト・ミッション」
4/7(土)~「ラブレス」
4/20(金)~「レディ・プレイヤー1」
4/21(土)~「タクシー運転手 約束は海を越えて」シネマート心斎橋
4月~「娼年」
6/29(金)~「ハン・ソロ スター・ウォーズ・ストーリー」
7/13(金)~「ジュラシック・ワールド 炎の王国」
7/20(金)「未来のミライ」
順次公開「ナチュラル・ウーマン」シネマート心斎橋

私的に注目しているのは斎藤工が初監督した「blank13」ですね。

かなりの映画マニアなので、いい意味で裏切って欲しいなあと思っています。
(「ソニータ」を日本上映する為のクラウドファンディングに斎藤工が出資してたのには驚きました)

今週の土曜日はシネマート心斎橋で「クイーン 旅立つわたしのハネムーン」を観てきます。

27日が集中してるので、ここをどう乗り切ろうかなあ?と思案しています。(^^;

京都の出町桝形商店街内に出来た立誠シネマの後継映画館の出町座は、暖かくなった4月以降に行ってみます。

京都みなみ会館の閉館は残念ですね。
もし後継映画館を作るのにクラウドファンディングしたら、幾らか出資したいです。

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