ビンさんの銀幕音楽堂・第825回(2017年12月16日放送分) 



銀幕20171216














【放送日:2017年12月16日(土)PM9:00オンエア】
【再放送:2017年12月20日(水)PM6:00オンエア】

・ビンさんが選ぶ、2017年度映画ベスト10!(前編)

※オンエア終了しましたのでアップいたします。

第10位:『ママ、ごはんまだ?』 2月11日公開

一青窈の実姉、一青妙著によるエッセイを映画化。
食文化を通して、日本と台湾という国を超えた絆、夫婦の絆、母娘の絆を描いた人間ドラマ。
主演は木南晴夏、河合美智子。
テーマそのままに「味わい深い」作品であり、白羽弥人監督の丁寧な演出が光る。
そしてなんといっても本作のプロデューサーである高瀬博行氏は、いま僕が番組させてもらっているFMハイホーの元DJ仲間(笑)。
もうかれこれ10年近く前になるが、ジョニーというラジオネームでDJをされていた。
初日舞台挨拶が、十三の第七藝術劇場で行われ、木南晴夏、白羽監督が登壇し、その司会を高瀬氏が担当していた。
昔取った杵柄じゃないが、かつてのDJを活かして司会もスラスラ、と思ったがかなり緊張している様子が客席からも伝わってきたのがなんとも微笑ましいというか、それ以上に感激して思わず泣いてしまった。
夢に向かって走っている者の、ひとつの結果を出せた姿を見て感激したのだった。

♪『ママ、ごはんまだ?』ostより「幸せのダイニング -魔法のレシピ編-」(co:妹尾武)
♪『ママ、ごはんまだ?』より「空音」(vo:一青窈)


第9位:『関ヶ原』 8月26日公開

司馬遼太郎の原作を原田真人監督が映画化。
説明的な演出を排除するスタイルはいつもの如く、それはかえって潔いが多少敷居が高く感じる方もおられるだろう。
とはいえ、CGを使わずあれだけのスケールの映画を作れるのは、いまの日本映画界(日本だけじゃないだろうが)ではなかなか出来ないことなんじゃないか。
それをやり遂げたという意味においても、本年度忘れられない一作となった。
多彩なキャスティングも魅力的だったが、奈良県人としては島左近を演じた平岳大が素晴らしかった。
原田監督は、彼を主人公で映画を作る企画もあったそうだが、そういう映画でもよかったかもしれない。それくらいキャラ立ちしていたと思う。
そしてなにより、富貴晴美さんのスコアを映画館の大音響で堪能できたのは、ファンのひとりとして至福の喜びだった。
その反面、エンドクレジットのラスト、メインテーマの最後をフェイドアウトするような「信じられない」編集には、多少ならず憤りを感じたりもしたけれど・・・。

♪『関ヶ原』ostより「関ヶ原-メインテーマ-」(co:富貴晴美)


第8位:『メッセージ』 5月19日公開

テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を、ドゥニ・ヴィルヌーヴが映画化。
地球に飛来した地球外生命体と地球人とのコンタクトを描く。
映画を観る前に原作を読んでいたからか、じつにわかりやすい内容だったし、その映像化も見事だったと思う。
壮大な設定だが、描かれているのは極めてドメスティックな物語だったりして、そのバランスも極端というよりは絶妙といったほうがいい。
ドゥニ・ヴィルヌーヴはこの後、『ブレードランナー2049』も監督したのはご存知の通りで、続く作品は『デューン砂の惑星』だという。
彼のビジュアルセンスであれば、『~砂の惑星』も大いに期待できるが、SF映画の監督、というイメージがつくのは本人自身どう思っているんだろう?
ヨハン・ヨハンソンによるスコアも、人の声をサンプリングしたユニークなもので、映画自体の内容を考えるとはまり過ぎるスコアだったと思う。

♪『メッセージ』ostより「カンガルー」(co:ヨハン・ヨハンソン)


第7位:『散歩する侵略者』 9月9日公開

劇団イキウメのオリジナル戯曲を黒沢清が映画化。
人類をのっとるべくやってきたエイリアンと地球人の攻防を描く、と書くとどこにでもあるようなSF映画だが、とにかく本作のエイリアン、もとい侵略者はとてもユニーク。
実体がないままに人間に乗り移って、人間のもつ「概念」を奪ってゆくのだ。
かつての『ウルトラセブン』の一編のようなお話。
長澤まさみ、松田龍平、長谷川博己の演技も素晴らしく、特に長澤まさみは昔のような五社協定みたいなものはないんだろうけど、東宝映画以外で彼女が出演するのがなんというか新鮮だった。
ハードな面もありながらも、ブラックなユーモア(林祐介氏のスコアがまた素晴らしい)で味付けされた本編は、そのバランスも絶妙で最後までスクリーンから目が離せない。
映画的な題材だが、これがオリジナルの舞台ではどのような演出がされていたのか気になった。

♪『散歩する侵略者』ostより「愛のテーマ」(co:林祐介)


第6位:『沈黙-サイレンス-』 1月21日公開

遠藤周作の原作を巨匠、マーティン・スコシーシが映画化。
一度、篠田正浩監督で映画化されているが未見。
江戸時代、危険を冒して日本へ布教にやってきた若き宣教師の苦難の物語。
宣教師役がスパイダーマンにカイロ・レン、さらに、先に布教にきて棄教した宣教師はクワイ・ガン・ジンという、出来過ぎたキャスティングがまず絶妙。
キャスティングでいえば日本人俳優もかなり多彩であり、ポスター等に挙がっている名前はそのほんの一部であることを本編を観て知ることとなった。
ほんとに、日本人キャストだけでもクレジットがいっぱいになるくらい、それぞれに主役ができるような俳優たちが次々に登場し、語弊承知で書けばそういうところがとても面白かった。
逐一ポスター等にクレジットされてなかったのは、観客への楽しみを奪わずにいた配給会社の配慮だろうか。
個人的には小松菜奈も地味なメイクを施され、揚げ句には簀巻きにされて海に放り込まれるという難役(後半はスタンド・インだろうけど)もこなしていたのが印象深い。
物語自体は信仰心を持つことの意味をという、深遠なものであり、壮絶な描写もあるが、とにかくキャスティングで楽しませて(重ねて語弊承知で書くけれども)もらった作品だった。
劇中にスコアはほとんど流れず、自然の音、たとえば雨音や蝉の声を本編を彩っている。
ゆえにサントラは出ない(というか出せない?)と思ったら、日本公開後すぐにリリースされた。
一応、キム・アレン・クルーゲ、キャスリン・クルーゲという夫婦によるユニット・ミュージシャンの名前がスコア担当として挙がっていたが、本編で流れるスコアはほんの数秒くらい。
リリースされたサントラは、厳密に言えばイメージ・アルバムのようで、雨音、蝉の声をサンプリングした楽曲や、讃美歌を取りいれた楽曲など、それらしいもので構成されていた。

♪『沈黙-サイレンス-』ostより「Only God Can Answer」(co:キム・アレン・クルーゲ&キャスリン・クルーゲ)


・銀幕音楽堂メールボックス

番組宛にいただいた、メール、FAXを紹介。

『あゝ、荒野』より「今夜」(vo:BRAHMAN)


以上のラインナップでお送りいたします。


奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時
再放送日:毎週水曜日 PM 6時~7時 (土曜日放送分の再放送です)

当番組はサイマル・ラジオでも発信しています。
ご自宅のPC、スマートフォンでお聴きいただけます。
上記、サイト内のバナーをクリックしてください。




【裏ばなし的なもの】

さてさて、今回は年末恒例、ビンさんが選ぶ映画ベスト10の前編をお送りいたします。
2016年12月1日~2017年11月30日の間に劇場で観た映画の中から、選りすぐりの10作を紹介。
今夜はその前編ということで、第10位から第6位の5作品を発表いたします。

とにかく、肌に合わなかった5作よりも、良かった作品を10本に絞るほうがかなり困難でありました。
とりあえず選んだら25作品になって、さらに絞り込んで10作品としました。

あ、『天使のいる図書館』は別格ですので、10作には入っておりません(笑)
この作品については次回に。

ベスト10紹介の合間に挟み込むような形でメールBOXのコーナーも設けております。
リクエストいただいたのは、『あゝ、荒野』の主題歌、BRAHMANによる「今夜」。
この映画もけっこうよかったんですが、果たして僕の選んだ10作に入っているかは、番組を聴いておくんなせぇ。

連日、あまりの寒さに肩を縮めていたばかりに、肩こりになってしまったビンさんがお送りする映画音楽専門番組、ご用とお急ぎでなければ、ぜひぜひお聴きあれ!!


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