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■『クリスマス・キャロル』■ 


クリスマスキャロル
個人的に『クリスマス・キャロル』といえばロナルド・ニーム監督、アルバート・フィニー主演の70年作品が印象深いです。
たしか僕が子供の頃には、クリスマス時期になるとNHKあたりでよくオンエアされていた記憶がありまして、かくいう僕が観たのもそれでした。
文豪チャールズ・ディケンズが書いたあまりにも有名なその物語(とはいえ、僕は原作いまだに読んだことないのですけど)、強欲で偏屈な老人スクルージがクリスマス・イブの夜に3人の幽霊に出会うことで改心、一夜にして温厚で慈愛に満ちた男に変貌するという、単純明快なストーリーながら人として普遍なテーマを抱いた物語であり、洋の東西を問わず誰にも受け入れやすいその内容のために、先に挙げたロナルド・ニーム監督版のみならず幾度となく映像化されている作品なのは周知のとおり。

まぁ、人によれば説教臭いとか、人間そんなにすぐに改心するもんじゃねぇと、スクルージ以上に根性がひん曲がった方もおられるようですが(僕は違いますよ、ほんとほんと)、長きにわたって人々に愛されるお話というのはやっぱりそれなりの魅力があるわけで、今回の最新映画化作品を観ても「ええ話やなぁ・・・」と感涙のひとつも流れるってなもので。


さてここ数年、生身の人間ではなく、モーション・キャプチャーで映画を撮ることに没頭しているロバート・ゼメキスの最新作がその「クリスマス・キャロル」(ディズニーと共同制作)ということで、それに対して特に驚くとかなんとかってなことはなかったのですが、考えてみれば04年の『ポーラー・エキスプレス』だってクリスマスをテーマにした映画ですから、このあたりのお話は結構好きなんでしょうねゼメキスは。
で、同じ映画化するのならこれまでの作品以上の驚きと感動を提供しようとしたのでしょう。そこにモーション・キャプチャーの技術があるのはゼメキスにとっては鬼に金棒といったところ。いやむしろ、『クリスマス・キャロル』を作らんがためにモーション・キャプチャーの研究に専念していたんじゃないか、ってくらい本作はここ数年のゼメキス作品の集大成ともいうべき仕上がりであり、また『クリスマス・キャロル』の映画化作品としての決定版になったことを確信いたしました。

クリスマスキャロル4
興味深かったのは色の使い方。
本作に登場する幽霊にまつわるシチュエーション。おそらく幼いお子ちゃまが観るとトラウマになること必死な恐怖演出は、全体的に寒色なデザインを用いておりまさにホラー映画を観ているがごとき。
さすがゼメキス、ホラー映画専門レーベル「ダーク・キャッスル」の創始者だけのことはありますな。
それとは対照的に、主人公スクルージの若い頃の情熱と愛情が描かれる暖色を中心とする映像設計は、単純なことかもしれませんが、単純だからこそ最先端の技術との融合で多大な力を発揮することを証明したかのよう。

正直なところ、『ポーラー・エキスプレス』にはじまり『ベオウルフ/呪われし勇者』(07)を経て本作に到達した、そのパフォーマンス・キャプチャーによる作りこまれた映像を見るに、アニメーションとどう違うねん? ゼメキスよ、人間の俳優の演技には興味がなくなってしまったのかぃ? と少なからずも不満と落胆を抱いたものでした。
しかし、本作を観るに、その作りこまれた映像も生身の人間の演技があってこそのもの、という至極当然なことに改めて気づかされ、これもひとつの映像表現なのだと理解できたのは、なんだか劇中のスクルージのようでいささか恥じ入る部分も無きにしも非ずでございました。

クリスマスキャロル1
さて、本作は3D上映での鑑賞。
3D映画を観るのは昨年の『センター・オブ・ジ・アース』以来。
あの映画、肝心のストーリーよりも3D映像のほうに重きが置かれた内容であり、特に3D映画の面白味を感じなかっただけに、それ以降も何作か公開された3D作品であっても、普通の上映形式でのほうをチョイスしたものでした。

とはいえ技術の革新は日進月歩。
今回の『クリスマス・キャロル』では、まずストーリーがしっかり語られているうえに、19世紀のロンドンを粉雪舞い散るなかカメラが縦横無尽に走り回るオープニングの映像には思わず口アングリ。
その絶大な3D効果には諸手を挙げて賛成したくなるほどのクオリティでありました。
1時間半の上映時間も特に目に負担がかかるものでもなく(ただ、僕は眼鏡をかけていますので、その上から専用サングラスをかけると、上映中にちょいとズリ落ちたりするんですが)、あらためて3D映画の面白さを満喫しました。

クリスマスキャロル2
気になったのは3D上映される際には、字幕スーパー版ではなく日本語吹き替え版が主流になっており、それは3D映像になると字幕が鮮明に見えないからだと聞いていたので、いたしかたないのかなぁと字幕スーパー版派の僕にはちょっと残念な部分でもありました。
しかし、本編上映前に流れた『アバター』の3D版予告編(これが『クリスマス・キャロル』以上に効果絶大! あの某TVのCMでもおなじみのクラゲのような物体が宙を舞う場面。実際に自分の周囲に漂っているように見えました)は吹き替え版ではなく字幕スーパー版でありその字幕も鮮明に見えましたので、別に日本語吹き替え版じゃなくたって大丈夫なんですよ。

だったら、ジム・キャリーやゲイリー・オールドマンの生声が流れるオリジナル音声で上映してほしかったなぁ、と、作品自体がよかっただけにそんな愚痴のひとつも言いたくなる僕は、やっぱりスクルージ根性が消えないのでありましょうか?(その後、『カールじいさんの空飛ぶ家』は、字幕スーパー版でも3D上映されることが判明。そうこなくっちゃ!)


(TOHOシネマズ橿原にて鑑賞)

【採点:100点中70点】



※楽しい映画であり、モーション・キャプチャーによる驚異の映像には驚きました。
でも、キャラすべてが「死んだ目」をしているのがちょいとホラー。
『クリスマス・キャロル』ではそれも解消されていますね。



※上記作品のブルー・レイ版。しかも3D映像仕様!
ただし、偏光眼鏡ではなく昔からの赤青メガネで観る方式です。その点を踏まえて購入されたし。



※アンジーはどんな映像になっても、色っぽかったですね。



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