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■『フィッシュマンの涙』■(映画) 







フィッシュマンノナミダ
【公式サイトはコチラ!】

🎦シネマート心斎橋にて鑑賞🎦

報酬目当てでとある製薬会社の新薬の実験に参加したフリーター青年パク。
しかし、副作用が原因でパクは首から上が魚の「フィッシュマン」になってしまう。
困ったパクは、女友達のジンの家に転がり込むが、彼女は世間の注目を浴びたいために、パクのことをネットで公表するのだった。
一方、TV局に見習いで就職した新人記者サンウォンは、ネットで話題になっている「フィッシュマン」の真偽をたしかめるべく、上司に取材に行かされてしまう。
スクープをゲットすることで、地方大学出身という肩身の狭い思いから抜け出せると思い、サンウォンはジンの元を訪れ、かくしてフィッシュマンに対峙することになるのだが・・・。

予告編を観れば、コメディ要素が濃厚なエンターテインメントだと思っていたら、確かにそういう一面はあるものの、描かれているテーマはけっこう重たかったりする。
そこは評価の別れどころかと思うが、タッチとしては『グエムル』にも通じる韓国製モンスター・ムービーの佳作だ。

フィッシュマンを演じるイ・グァンスは韓国ではTVのバラエティ番組で人気の人物だそうだが、本作では終始素顔を見せない(映画の後半、彼の葬式で遺影として彼の顔が出てくる。あ、これはネタバレではないのでご安心を)。
CGが全盛のこの時代で、長い時間をかけて特殊メーキャップを施してフィッシュマンを演じきっている。
芝居が上手い人は顔を見せなくても成り立つわけだ。

このフィッシュマンのデザインがまた、グロテスクさとコミカルさのギリギリのところをいっており、けっこうな生々しくてなんだかスクリーンから魚特有の生臭さが漂ってきそうなほどにリアル。

図らずもモンスターになってしまったパクが、フィッシュマンというフィルターを通して見る今の韓国の姿は、自分が奇異な存在である反面、それ以上におぞましく欲にまみれたものだった。

「僕の夢は、平凡な人間になること・・・」

とはパクが劇中で漏らすセリフの一つだが、その夢さえもかなえられないほどに、世間は腐敗している。

彼は世をはかなみ、再び製薬会社の被験者として、その身を捧げようとする。
それは、彼自身の死を意味することでもあった。

映画は登場人物それぞれのエゴがどんどん露呈していき、取り返しのつかないところまで行ってしまうのだが、最後の最後にとある着地点を用意している。
その物語の落としどころが、本作の最大の魅力といっていい。

2017年の最初にこの映画を観たわけだが、意外に重厚なテーマではあるが、世間を顧みるという意味ではいいチョイスだったのではないか、と思う。





📖パンフレット📖

・・縦297㎜×横210 ㎜
・16ページ 中綴じ製本
・株式会社 シンカ
・定価:572円(税抜き)

オール・カラーページ。
映画のスチール写真満載。
監督へのインタビューに4ページを割いている。
後はいたって普通の内容。




♬音楽♬
スコア担当はチョン・ヒョンス。

他にどんな作品を担当しているのか調べてみると、ソン・ガンホ主演の『弁護人』(13)がヒットしたくらい。
それ以外は同名の脚本家の名前ばかりがヒットする。
脚本家と同一人物なんだろうか?

ちなみに本作のサントラのリリースはない。

耳に残ったスコアは、いわゆるメインテーマ的に流れてくる、ヤン・ティルセンによる『アメリ』(01)のワルツにどことなく似ている旋律。
おそらく、少なからず影響を受けているものと思う。




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