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■『海賊とよばれた男』■(映画) 







かいぞくとよばれたおとこ
【公式サイトはこちら!】

🎦TOHOシネマズ橿原にて鑑賞🎦

出光興産の創始者、出光佐三をモデルとした百田尚樹の原作小説を山崎貴監督が映画化。
主人公、国岡鐵造を演じる岡田准一以下、原作者、監督、主要キャストと『永遠の0』(13)の面子が再結集。

石炭を動力のメインとした戦前から、石油の商売をしていた主人公が、戦争の混乱を挟み幾たびかの困難を経て成功を収めるまでの物語。
原作は未読だが脚本も担当した山崎監督によって、わかりやすい作品になっている。

わかりやすい作品ということは、逆に大味な作品になり得るということでもあり、2時間25分という上映時間をもってしても、長編小説を映画するにはかなり駆け足な流れになっていたような印象がある。

国岡鐵造と石統社長鳥川(國村隼)との確執はドラマのキーポイントだが、最終的な描き方が曖昧だったのは残念。
日章丸事件等ドラマティックなエピソードもいくつか描かれてはいるが、もっと深く描いても良かったのではないかと思う。
思うに上映時間の制約上いたしかたなし、という部分もあったのだろう。

また、物語はわかりやすいが、時間軸があっちへいったりこっちへいったりして落ち着かない。
いったい現時点での主人公の年齢は幾つなのか、よくわからなくなってくる箇所も幾つかある。
原作もそのような構成なのかもしれないし、それによるドラマティックな効果を狙ったんだと思う。
でも、こういった大河ドラマとなると時系列で描く方が、観ている方としても登場人物に感情移入しやすいのではないだろうか。

たとえば劇中の早い段階で、戦地に赴いた国岡商店の社員たち(吉岡秀隆等)が戦後、大陸から引き揚げてきて、瓦礫の山となった東京で、自社ビルが崩れずに残っているのを目の当たりにして感激する場面がある。
しかし、観客は当の社員たちが、会社とそして国岡鐵造とどのような関わりを持ってきたのか、それがいまいちわからない。
詳細に語られるのは、その後であり、ゆえに観ている方としては社員たちがいかに感激していても、
「ふぅ~~~ん・・・」
程度の感情しかわいてこない。

また、強烈に気になったのは、女性の描き方だ。
昨今、これほどまでに女性の扱いが希薄な作品は珍しいんじゃないか、というくらい、添え物のような設定に正直驚かされた。
男中心の物語では華がないと思った(東宝の正月映画という位置づけでもあるだろう)のだろうか、本作における綾瀬はるか、黒木華の扱いにはただただ驚くばかりである。
これだったら、一層のこと出演者は男だけでも良かったのではないだろうか。

岡田准一も国岡鐵造を好演してはいたが、実際の彼の体形を考えると、「海賊」と呼ぶにはどうなのかな・・・? とは思う。
(余談だが、劇中で彼が「海賊」と呼ばれるのは、たしか1シーンだけだったと思うが、それでこのタイトルは「羊頭狗肉」とは言わないが、多少大袈裟ではないか?)
映画は映像のマジックでそれほど小柄な印象はなかったが、これも白組の仕事なんだろうか?(笑)
『永遠の0』に続き、監督が彼を主役にこだわった理由はよくわからないが、むしろ本作でいえば、GHQの通訳を演じた鈴木亮平と役を入れ替えても面白かったかもしれない。

山崎監督ということで、自身がSFⅩの監督も担当、お馴染み白組の仕事は今回も大スクリーンに映えるものだった(なにしろ、岡田准一の老けメイクまでCGが使われている)。
ただ、そこに内容が追いついていたか、と考えると、先に書いたような理由から少し疑問も残る。

まぁ、正月映画という観点からいえば、話題性ともども及第点といったとことか。



📖パンフレット📖

・縦300㎜×横225㎜
・48ページ 無線綴じくるみ製本
・㈱久栄社
・定価:667円(税抜き)

なによりSFⅩのメーキングに多くページを割いている。
メーキング本としても充実した内容で、歴史的な事象等も詳細に触れている。
現在のパンフレットの基本的な定価が667円ということを考えると、コストパフォーマンスは相当に高い。
逆に本パンフレットを基本とすると、いかに世の中には値段不相応なパンフが蔓延しているかということだ。



♬音楽♬
スコアは佐藤直紀が担当。
山崎組ではお馴染みだ。

今回は、主人公のキャラクターが豪快というイメージが観る前にあったので、いわゆるメインテーマもパーカッション鳴り響くような勇壮なものかと思っていた。
しかし、そこが素人考えとプロと違うところ(笑)
メインテーマはあくまで静かに、それでいてドラマティックなもので、これがかえって効果を上げていたのが印象的だった。
ひょっとしたら、主役を演じる岡田准一に対するイメージが先行しているのかも、というくらいに豪快さはかなり抑えられていた。

全体のスコアもそつのない仕上がりになっており、さすが長年の監督とのコラボレーションが活きているのだなと感じた。
エンディングにも、スコアと関係のないアーティストのソング・ナンバーを流すことなく、スコアで締めくくっていたことも好印象だった。

ただ、劇中で唄われる「国岡商店社歌」がどうも・・・。
もちろん既成曲ではなく、映画のために監督が作詞し佐藤氏が作曲したものだが、これがなんとも垢抜けたメロディ・ラインになっているのだ。
設定では戦前に作られたであろうこの社歌、一般的な風潮からすれば、もっと和風なテイストが濃いほうが合っていると思うのだが。
佐藤氏もこの「社歌」の作曲には相当苦労したそうだが、この垢抜け感が、映画全体から受けた印象(内容とSFⅩのバランスの相違)にも直結しているように思うのだ。

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