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■『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』■(映画) 







マダムフローレンスユメミルフタリ
【公式サイトはコチラ!】

🎦TOHOシネマズ橿原にて鑑賞🎦

NYのショウビズ界の実力者を夫(ヒュー・グラント)に持ち、夫がプロデュースする芝居に出演しては、この夫妻の支援者からの絶賛を浴びていたマダム・フローレンス(メリル・ストリープ)。

世界が第二次大戦へ突き進もうとする中で、戦地へ赴いた息子にその母親がアリアのリクエストをしているラジオを聞いて感激したフローレンスは、

「お父ちゃん、うちもリサイタル開いて、みんなを勇気づけたいねん」

と一念発起。
お父ちゃん、もとい、夫はかねてから舞台で歌うことを夢見ていた妻の希望を叶えるべくあれこれと奔走する。
ただ、大きな問題は、フローレンスが壊滅的な「音痴」であり、それを彼女自身が気づいていないことだった。

実在したマダム・フローレンスのことは、この映画で初めて知った。
とにかく、世界にはユニークな方がおられるもので、自分の音痴をものともせず、カーネギー・ホールでリサイタルを開き、レコードまで残しているのである。
イギリスの監督、スティーヴン・フリアーズは、彼女と彼女を支える夫との物語を、コメディ・タッチのなかで真摯に描いていく。

マダム・フローレンスは、いまでいうところの「セレブ・タレント」だ。
日本でいえば大屋政子みたいな感じかな。
個人的にはその印象がとても強かった。
いかに財も地位も名誉もある中で、それをどういう形で活かせば良いのか、凡人の僕にはなかなか想像もできないが、マダム・フローレンスはそこをちゃんと理解している。
そこが、海千山千の昨今の「セレブ・タレント」と大きく違うところなんじゃないだろうか。

そんな彼女の姿を映画は追っていくのだが、妻をずっと支える夫の姿もまた、興味深いところだ。
じつは、この夫婦にはいわゆる体の結びつきは結婚当初からない。
その理由は本編の早い段階でわかるようになっているが、結婚してずっとプラトニックな愛情を貫いている夫婦の姿は、ある意味驚異である。

夫が妻の突然の申し出に、なんとか応えようとする姿を見て、そこまで果たしてできるものなのかな、というちょっと斜に構えて見てしまう部分もなくはない。
事実、夫には妻とは別に愛人もいるのが人間臭いというかなんというか。

それでもなお、妻への愛情は揺るがないのは、先に触れた理由からなのかもしれない。
でも、それだけで片付けるほど、この夫婦は浅くないのだ。
まぁ、夫の愛人(レベッカ・ファーガソン)にしてみれば、
「私っていったい何なの!」
と不満をぶちまけるのは当然ではあるけれど。

はてさて、マダム・フローレンスのカーネギー・ホールでのリサイタルは、大成功を収めるのだろうか?
そこはぜひ劇場でお確かめいただきたい。

今回もメリル・ストリープの演技には魅了されっぱなしだった。
彼女はほんとは歌唱力に長けているのは『マンマ・ミーア!』(08)で実証済みだが、今回は敢えて「音痴」という設定に挑戦。
歌を上手に歌うのは難しいだろうが、下手に歌うというのはさらに難しいだろう。
演技が下手だと「音痴」だという説得力がなくなる。
そうなると芝居は白けたものになる。
そこをさすがのメリル・ストリープは見事にやってのけた。
リサイタルの場面は大きな見せ場となっている。

観終わって、こういう夫婦の姿もあるんだなぁ・・・と、驚嘆したのは言うまでもない。



📖パンフレット📖

・縦250㎜×横250㎜
・16ページ 中綴じ製本
・日商印刷株式会社
・表紙のタイトル部分に盛り上げ印刷
・定価:667円(税抜き)

久保玲子、鈴木淳史、石川三千花(敬称略)の寄稿あり。
ヒロインであるフローレンス・フォスター・ジェンキンズの経歴等の記述あり。
価格相応の内容かと。



♬音楽♬
マダムフローレンスユメミルフタリサントラ
スコア担当はアレクサンドル・デスプラ。

夏に公開されたアニメ『ペット』でも、ジャージーなスコアを披露していたが、本作ではさらにそれを推し進めたような仕上がりになっている。
『ペット』のスコアを聴いた際に、デスプラもこういうスコア書くんだ・・・とある種の驚きがあったが、考えてみればそれは本作への前ステップだったのかもしれない。
舞台がNYということもあって、スコアもそういうスタイルが求められたのだろうが、監督がイギリス人でスコア担当はフランス人という、非アメリカンなクリエイターによる、NYが舞台の映画というのは、考えてみればじつにユニークだ。

当初は『ローグ・ワン』の作曲者としてクレジットされていたデスプラだが、スケジュールの都合が合わず降板したのは残念な限り。
SF映画やアクション映画のスコアを担当したことがないわけじゃないが、彼の書く『SW』のスコアというのも聴いてみたかった。

サントラには魅力的なテーマ曲(エンドクレジットに流れる)や、もちろん、メリル・ストリープ演じるマダム・フローレンスのあの歌声も収録。
ピアニスト役(彼も本作の魅力のひとつ!)のサイモン・ヘルバーグが実際に奏でるピアノの旋律も収録。

映画に惹かれた方には、満足できるサントラになっているといえよう。

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