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ビンさんの銀幕音楽堂・第767回(2016年11月5日放送分) 



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【放送日:2016年11月5日(土)PM9:00オンエア】
【再放送:2016年11月9日(水)PM6:00オンエア】

・ニューシネマ・サウンド

『インフェルノ』ostより「地下宮殿」(co:ハンス・ヅィマー)
『インフェルノ』ostより「ライフ・マスト・ハヴ・イッツ・ミステリーズ」(co:ハンス・ヅィマー)

・銀幕アラカルト:ハンス・ヅィマー特集

「ラジオ・スターの悲劇(vo:バグルス)
『レインマン』ostより「ウォールブルックを後に/オン・ザ・ロード」(co:ハンス・ヅィマー)
『ブラックレイン』ostより「Nick and Masa」(co:ハンス・ヅィマー)
『バックドラフト』ostより「ショウ・ミー・ユア・ファイアートラック」(co:ハンス・ヅィマー)
『ライオン・キング』ostより「アフリカの大地」(co:ハンス・ヅィマー)
『アサシン』ostより「ハッピー・バースデー、マギー」(co:ハンス・ヅィマー)

以上のラインナップでお送りいたします。



奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時
再放送日:毎週水曜日 PM 6時~7時 (土曜日放送分の再放送です)

2016年1月1日よりサイマル・ラジオがスタートしました。
ご自宅のPC、スマートフォンでもお聴きいただけます。
上記、サイト内のバナーをクリックしてください。



今回も今回も(笑)、番組の冒頭では、『天使のいる図書館』のお話を。

オールアップした日のことを、ちょこちょこっとお話ししております。
また、あらためて撮影に参加した経緯については、近いうちに忘備録としてブログにアップしようと思っています。

さて、今夜は公開中の話題作、『インフェルノ』公開にちなんで、そのスコアを担当したハンス・ヅィマーの特集を。

いまや、ハリウッドの大作には欠かせない作曲家となったハンス・ヅィマー。
頭角を現した88年の『レインマン』で、面白い作曲家が出てきたなぁと思い、その頃の作品、たとえば『ドライビング Miss デイジー』(89)や『ブラック・レイン』(89)のスコアには、強く魅せられたものでした。

エモーショナルなメロディ・ライン。
そしてシンプルなフレーズのリフレイン。
さらに、そこにパーカッシブルなリズミカルなアレンジを加えると、アクション映画にピッタリ。
簡単に言えばそれがヅィマーの特徴であり、それゆえ耳に馴染みがいい。

個人的なベストは93年の『アサシン』。
このスコアには、その後の彼のスコアのスタイルの基本となる要素が満ちており、特に今回番組で取り上げた「ハッピー・バースデー、マギー」は特にお気に入りの1曲でもあります。

ただ、ちょうどその頃からでしょうか、ヅィマーは自分の知人や弟子の作曲家を集めて、メディア・ヴェンチャーズ、その後のリモート・コントロール(以下、RC)を結成。
さらにハリウッドにおける作曲家としての地位を確固としたものにしていきますが、その姿勢は作曲家というよりも、ビジネス・マンとしての印象が強く、それが個人的には彼に対して強い抵抗感を抱くことになっていきます。

印象的な事象としては、93年の『トゥルー・ロマンス』。
これ、クレジット上では作曲はヅィマーとなっていますが、実際は彼の門下生であるマーク・マンチナが作曲したもの。
映画会社が名の知れた作曲家の名前をクレジットとして欲したとか、その詳細はともかく弟子が書いたスコアを親方名義にしたヅィマーは、その「穴埋め」として彼にオファーが来た『スピード』(94)をマンチナに譲った、というのが当時の美談として伝わっていました。

よくよく考えれば、それって美談でもなんでもないですけど・・・。

ここで、昔、僕がとあるサイトで、「『パイレーツ・オブ・カリビアン』と『グラディエーター』のスコアが似ていることについて、作曲家は違うのになぜなんだろう?」という質問が挙がっており、それに対して回答した文章が残っていたので引用しておきます。

「質問者さんの書いてらっしゃるとおり、似ているのも当り前。
『グラディエーター』のサントラのクレジットをよくご覧いただくと、クラウス・バデルトの名前もあるでしょう?
クラウス・バデルトはハンス・ヅィマーが親方の作曲家集団「リモート・コントロール」の一員です。
現在のハリウッドの作曲家の大半がこの「リモート・コントロール」一派で、他にもスティーヴ・ジャブロンスキー、ニック・グレニー・スミス、ハリー・グレッグソン・ウィリアムズ、マーク・マンチナ、ジョン・パウエルなどなど、ゾロソロおりまして、映画のエンドクレジットを見ていると「追加音楽」という部分でこれらの作曲家の名前も挙がっていたりします。
つまり、一応は一人の作曲家のクレジットが挙がっていながらも、実際に作曲しているのは他のスタッフも関わっていたりするので、似てくるのもおかしくないのですね。
たとえば、日本でもある漫画家のアシスタントが独り立ちをして、作品を発表してもやっぱり親方の作風に似ているのと同じような感じ。
(永井豪と石川賢の例を挙げるとわかりやすいでしょうか)
このハンス・ヅィマーのやり方は、分業制で効率的(限られた期間内に作曲を完成させる)という方もいれば、ヅィマーの税金逃れであるとか、いろいろ言われていますが、個人的には、個々の作曲家の「芸術性」を考えれば、作曲家自身どう思っているんだろうか? と常々疑問に思うところです。
実際に権利関係で問題も生じていたり、ヅィマーの元を離れた作曲家もいますが、映画のプロデューサー側からすれば、「ヅィマー風の曲」だったら誰が作曲したって特に問わない、というのが実情なんじゃないでしょうか。」

ってなことで。

つまりは、クレジットはヅィマーとなっていても、実際は誰が作曲したのかわかんないよねぇ・・・というのが目に見えだしてから、どうもヅィマーに対する抵抗感が抱いてきたのです。

そこで先にも挙げた『アサシン』。
これも、クレジットをよくよく見れば、「追加音楽」としてニック・グレニー・スミスの名前が挙がっている。
これを見て、じゃあ、実際はヅィマーはいったいどれくらいの割合のスコアを書いてるんだ?
ひょっとしたら、ほとんどニック~の手によるスコアなんじゃないか・・・?

それに気づいた時に、なんだか「騙された」ような気分になったのです。

もちろん、分業制をとったヅィマーに対する評価は否定しませんが、作曲家としての芸術性はどうなんだろう? と思った時に、大いに疑問を抱いてしまっているのも事実なのです。

まぁ、最近はたとえヅィマーがクレジットされていても、ヅィマー印のスコア、として捉えることで自分に納得させてはいますけどね。

だらだらと長文を書いておりますが、こういったことを番組でも延々喋りたかったのですが、時間の制約もありそれは不可能。
といはいえ、さわりくらいは喋ってますけど(笑)

なので、今回僕自身がお気に入りのヅィマーの作品も、RC結成以前のものが中心になったのはそういう理由からなのです。

ってなことで、愛憎相半ばという複雑な今回の特集、ご用とお急ぎでなければどうぞお聴きあれ♪



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