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2015年度映画ベスト10 



さて、こちらはベスト10のほうです。

ベスト10の選出基準は、簡単にいえば「肌に合わなかった」とは真逆のもの。
感動した! というよりも、観終って、「あ、もう一度観たいな」と思わせる作品というのが最も大きいでしょうか。
もちろん、思わず涙を流してしまった作品も、評価は高くなります。

こちらも「ビンさんの銀幕音楽堂」の番組内では、昨年末にオンエアしておりました。

では、どうぞ!!


第10位 『キングスマン』(9月11日公開)
キングスマン
2015年はスパイ映画ラッシュだったが、この作品がダントツの出来だった。
(といっても、このジャンル、すべての作品を観たわけじゃないけど)

公開された時期はちょうど入院中であり、そりゃあもう、病室のTVでこの映画のスポットが流れる度に、観たくて観たくてベッドで切歯扼腕していたことを思い出す。
退院してすぐに観に行ったこともあって、いわゆるたまっていた欲求がこれによって発散された映画でもあった。

マシュー・ボーンの持ち味も十二分に発揮されていたと思う。
まさかのマーク・ハミルも、なんとも情けない役で登場していた(笑)が、年末のSWの前哨戦という意味においても嬉しい起用だった。



第9位 『海街diary』(6月13日公開)
ウミマチダイアリー
是枝裕和監督の最新作。

こんな美女4人が姉妹なんて、現実にはありえへんやろ~~~と思いつつ、観ている間にそんなこたぁどうでもよくなってくるくらい、漂う空気感に魅了かつ圧倒されてしまった。

禁欲的な映画ではあるが、そんな中で、長澤まさみは相当なもの(笑)だし、個人的には広瀬すずが当たる扇風機になりたいものよ、と、あらぬ妄想を掻き立てさせてくれる。
そういう意味では、健康的なエロスも内包された作品だと思う。

とにかく、映画は芸術だなぁ・・・と実感できる名作である。



第8位 『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(6月20日公開)
マッドマックスイカリノデスロード
ジョージ・ミラー監督による、まさかの20数年ぶりのシリーズ4作目。

文字通りノンストップとはこれ! とも言わんばかりに最初から最後まで突っ走っている。
(いや、ずっと走ってばっかりじゃないんだけど、そう思わせるスピード感が全編に迸っているのだ)
これを齢70の監督が撮ったというのが、とにかく凄い。

それでいて、泣かせどころも用意されているという、密度の濃厚な映画だった。
リピート鑑賞には最も適しているんじゃないだろうか。



第7位 『娚の一生』(2月14日公開)
オトコノイッショウ
榮倉奈々の生足を舐める豊川悦司という、衝撃的なポスタービジュアルに、廣木隆一監督作品ということで納得(笑)

廣木監督といえば、かつて『800』という映画があって、個人的には監督のベストに推していた作品だったが、本作はそれを超えたと思う。
物語にエロティックな要素を絡めるのが巧い監督であり、そんな魅力が今回も発揮されていた。
(それでいて、2015年は『ストロボ・エッジ』みたいな(みたいな、ってのは余計だが)作品も撮るので困ったものだ(笑))

歳の離れた男女の恋愛ドラマではあるが、それだけに終始せず、けっこう泣かせるシチュエーションも盛り込んでいて、エンターテイメントとしても満足できる(もちろんエロを期待しても)逸品である。

物語の落としどころも見事で、すこぶる後味の良い映画だった。
脚本の奥寺佐渡子も、あいかわらずいい仕事していたと思う。



第6位 『百日紅 〜Miss HOKUSAI〜』(5月9日公開)
サルスベリ
原恵一監督の最新作。

今年は萌え系(・・・)以外のアニメ作品も、たとえば本作や細田守監督の『バケモノの子』もあって、いずれも秀逸な仕上がりだった。

とりわけ本作は、元々興味のあった江戸文化をテーマに、原作はこれまた好きな杉浦日向子、さらにスコアはこれまたご贔屓の富貴晴美とあっては、ベスト10に入れずにおれようか。

無論、映画自体の仕上がりも申し分なく、とりわけ吉原の位置関係をきっちり映像化しているところがいい。
時代劇などを観ていると、吉原の場所は江戸の庶民が暮らしている街と地続きのような印象があるだろう。
しかし、実際はかなり離れた位置にあって(そりゃあ当然といえば当然なのだが)、田んぼのあぜ道をとぼとぼと歩いて行った先にあったのだ。
本作はそれをきちんと映像化しているのである。

それだけじゃなく、とにかく江戸文化考証については、かなり緻密に行われている作品だった。
そういう意味ではエンターテイメントだけではなく、歴史の教材としても利用されるべきである。

杉浦日向子の原作から、いくつかのエピソードをチョイスして映画化しているが、多くの世代が観れるように、セクシャルなエピソードは取り上げられていない(北斎の弟子兼愛人のエピソードはばっさり切られている。それでも男色宿なんてのは、取り上げられていたりするのが可笑しい)。
その代わりに、ヒロインお栄と妹お猶のエピソードをブローアップして、映画は原作の世界観を損なわず、それでいてまた違った魅力のある作品としていたのが見事。



第5位 『マエストロ!』(1月31日公開)
マエストロ
さそうあきら原作のコミックを小林聖太郎監督が映画化。

オーケストラの楽団員の裏事情であったり、楽器の薀蓄、演奏の薀蓄等々、ストーリーもさることながら音楽的な魅力がつまっており、非ミュージカル映画でありながら、音楽映画としては特出した仕上がりである。

偏屈な指揮者を演じる西田敏行は、かなり癖のある役を好演。
『ラブ&ピース』とは真逆な役柄だが、こういう役こそ彼の本領が発揮されるのだ。

そんな彼に対等な暴言(しかも関西弁)を吐く、シンガーシングライターのmiwaの好演も光る。
特に彼女がフルートをソロで吹くシーンは絶品。

と良かった点もあるが、そうでなかった点も無きにしも非ず。
小林監督はかの上岡龍太郎の息子さんで、その関係からか、東京が舞台なのに関西弁を喋るヤクザ役にテント(上岡龍太郎の弟子。関西ではお馴染み)や長原成樹を出演させるという楽屋ウケな部分がまず鼻についた。
miwaが演じるキャラクターが関西弁を喋るのは、きちんと理由があるが、唐突に出てくるこの関西お笑い芸人たちははっきりいって蛇足である。

また、全編のスコアを上野耕路氏が担当しているにも関わらず、エンドクレジットのためだけに辻井伸行氏がテーマ曲を作曲しているのはどういうことか。
いや、辻井氏が悪いというんじゃなく、ここにサントラを売らんがための商業主義な部分が見えてしまい、辻井氏を「利用」しているように思えて、それがとんでもなくイヤだった。
これじゃ、本編と関係のないソング・ナンバーを流す、大多数の邦画の悪しき習慣と同じではないか。

映画全体の印象は良かったので、そういうところは目をつぶることにしよう(それじゃダメなんだけどね)。



第4位 『エール!』(10月31日公開)
エール!
これまた音楽映画。

こちらは主人公たちも唄うので、半ミュージカルというべきか。
物語に音楽を巧みに組み入れており、そのバランスが絶妙。

面白いのは、単なる感動語ではなく、思わずドン引きするようなエロ度強めなユーモアを盛り込むところが、フランス人気質といったところか。
これはハリウッドの映画や日本映画では味わえない要素で、そういう意味でも新鮮だった。

クライマックスもいいのだが、中盤のエピソードで思わずもらい泣きした本作、迷うことなくベスト10入り。



第3位 『アゲイン 28年目の甲子園』(1月17日公開)
アゲイン28ネンメノコウシエン
2015年度の作品で最も泣けたのがこの作品。

ちなみに僕は野球にはまったく興味がないし、甲子園にもまったく思い入れはない。
それでも泣けた(泣いた要素は甲子園云々じゃないのだが)。

この作品が上映されていた頃は、ヒロインを演じる波瑠の力量はまだよくわからなかった(出演したドラマ等々、ほとんど観たことなかったので)が、かつて持っていた情熱を失ってしまった中年たちに、再び情熱をもたらす「天使」のごとき役割に、素直に感動。

それでいて、ヒロインの弱さもまた映画の魅力になっており、それらも合わせて広い世代が共感できる映画になっていたと思う。
特に中盤で彼女が見せる演技には、ぽろぽろ涙をこぼしてしまったほどだ。

なお、波瑠の力量はその後の朝ドラで、それこそ「びっくりぽん」な実力を発揮しているのはご存知の通り(笑)



第2位 『セッション』(4月17日公開)
セッション
これはとにかく凄まじい映画だった。

『マッドマックス~』も凄まじかったが、これはこれで別の凄まじさがある。

音楽映画の皮を被ったサイコ・サスペンス映画の秀作。
いわば、『ブラック・スワン』にも通じるものがある。

これを観て、音楽好きになるか音楽嫌いになるか、そういう意味では罪な映画だ。



第1位 『ソロモンの偽証』(前編:3月7日公開 後編:4月11日公開)
ソロモンノギショウ
宮部みゆきの原作を成島出監督が映画化。

ミステリ―映画ではあるが、これはまごうことなき青春映画だ。
しかも、登場人物の青春映画でもあるし、本作にオーデションで選ばれた若き才能たちの青春映画でもある。

前編のクライマックスの異常なまでのテンション(雪深い校舎に「アルビノーニのアダージョ」が流れるそのセンスに震えた)に完全に打ちのめされ、これは傑作だ! と実感。

しかし、つづく後編がそのテンションを持続できたなかったのは残念だった。
ここに、昨今流行(なのか?)の前・後編スタイルの弱点がある。
できれば長時間でもいいから、通して観たかった。

主人公を演じたヒロインと同じ名前を芸名にした藤野涼子は、本当に演技は初めてなのか? と思うくらい見事にヒロインを演じきっている。
これだけの演技を披露すると、続く作品が出づらいんじゃないかと心配になる。

その彼女に相対する石井杏奈の恐るべき演技も、ただ一言凄かった。
ちなみに監督は彼女がE-Girlsのメンバーだとは知らなかったそうだ。
かくいう僕も知らなかったんだけど(笑)

若き出演者をサポートする、ベテラン俳優陣も、その適材適所(という表現が正しいかわからないが)なキャスティングが功をなし、エンターテインメントとしても「見せる」映画に仕上がっていた。




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