2015年度肌に合わなかった映画ベスト10 



無事、第88回アカデミー賞も、その前には第36回ゴールデンラズベリー賞も発表になり、そういえば毎年ここで挙げている僕自身の2015年度鑑賞映画の総括ってやってなかったなぁ、と気づきまして、そそくさと挙げてみます。

「ビンさんの銀幕音楽堂」の番組内では、昨年末にオンエアしていたのですが、その際の内容アップもしてなかったし・・・。

ってなわけで、まずは「肌に合わなかった」ほうのベスト10です。

毎回書いているように、ワーストではなく、あくまで「肌に合わなかった」映画。
あ、スタッフも最初からワーストな作品を作ろうと思っちゃいないだろうし、せっかく汗水垂らして作られたであろう映画をワーストなんてレッテルを貼るなんてこたぁ、僕にはできませんわ。

たまたまその映画を観た時の体調とか、心情とか、こっちが勝手に期待してたのにそれほどでもなかったなぁ、とか、そういうことをひっくるめての「肌に合わなかった」映画という意味です。
(平たくいえば、それがワーストなんじゃないの? と問われれば否定できませんけどね)

そりゃあなた、はなっから「あかんやろ」と思う映画なんて、わざわざお金払って観に行きますかいな(笑)
(俗に「地雷を踏む」というのも、また楽しからずや、ではあるのですが)

さて、僕のいう2015年度というのは、2014年12月1日~2015年11月30日までの間に観た映画を対象にしています。
結果、205年度は合計106本の映画を観ました。

では、選りすぐりの「肌に合わなかった」映画ベスト10です、どうぞ!!


第10位 『ミケランジェロ・プロジェクト』(11月6日公開)
ミケランジェロプロジェクト
アレクサンドル・デスプラのスコア、特にメインテーマは近年屈指の「メロディが立つ」もので、本編観るまではかなり期待していた作品。

しかし、これがまったく面白くない。
公開延期されたのも納得である。

設定もいい、キャスティングも豪華。
ただ、シリアスな部分とライトな部分とのバランスが良いとはいえなかった。
特にせっかくのビル・マーレイが活かせてなかったのが残念。

ジョージ・クルーニーの演出というよりも、脚本がダメだったのかなぁ。
・・・あ、脚本もクルーニーだったわ。



第9位 『味園ユニバース』(2月14日公開)
ミソノユニバース
関西人とっては、イコンともいうべき場所が舞台。

公開前には実際に味園ビルを探訪して、個人的にもモチベーションを上げていた作品。
だが、作品自体は何を言いたいのか、よく判らなかった。
面白い作品が続いていた山下監督だったが、これはどうも・・・。

とにかく、映像から大阪の匂い、特に最近で言う「裏なんば」の匂いが漂ってこないのだ。
一応、「赤犬」がそのあたりを受け持ってはいたけれど、本作は「赤犬」のプロモーション映画じゃないでしょ?
そういうのをひっくるめて、この映画の目指すところは何なのか曖昧で、なんとも気持ちの悪い映画だった。

やっぱり、大阪を描くには、大阪出身の方じゃないとダメだということなのか(ちなみに山下監督は愛知出身)。



第8位 『罪の余白』(10月3日公開)
ツミノヨハク
内野聖陽、吉本実憂による歳の離れた男女のサスペンスドラマ。
学校で自分の娘が転落死した父親が、その事故の裏にはクラスの女王的存在の一人の生徒がいた、ってんで事件の真相を追及していくというお話。

物語自体は特にヒネリもなく、後味は悪いがそれなりに面白い。
ヒロイン吉本実憂の悪女ぶりもなかなか。

しかし、何が悪いってこの映画のスコアが・・・。
いや、けっしてスコア自体が悪いのではなく、スコアの使い方が最悪なのだ。

なんでこんな場面にこんな大袈裟なスコアが流れるのか?
というように、とにかくいたる場面でスコアが鳴り響き、映像とのバランスの悪さに終始イライラした。

いっそのこと、本編からスコアを全部取り去ってしまえば、もっとしまりのいい作品になっていたかと思う。
これは決して作曲家が悪いというのではない。
スタッフの間で十分な打ち合わせができていたのか、そこが大いに疑問なのである。

これだけ、映像とスコアのバランスが悪い映画も珍しいので、そういう意味では一度試しに観てもらえれば、僕の言いたいことは理解してもらえると思う。
邦画で最近よくあるエンドクレジットに本編と何の関係もないソングナンバーが流れる、なんてこともしてないだけに、本当に残念だった。



第7位 『リアル鬼ごっこ』(7月11日公開)
リアルオニゴッコ
何度も映画化されている原作を、かの園子温が映像化。
しかも、監督は原作をまったく読まずに映画化したという。
ってことは、こりゃあ監督の持ち味が炸裂した快作になっていると思いきや・・・。

ファースト・シークエンスで展開される豪快な人体破壊場面は、シャマランの『ハプニング』を思わせる(というかほとんど引用しているような)スリル感があるが、それ以降の物語展開がどうも・・・。

ここ最近、この方の映画にはかつてのパッションが感じられない。
東日本大震災が影響しているのか、それはわからない。
しかし、かつての突き抜けたような作風に、どこかブレーキをかけているように思えるのだ。



第6位 『ラブ&ピース』(6月27日公開)
ラブアンドピース
またもや園子温監督作品。ほんとにこの方の作品は・・・。

ちょっと映画撮り過ぎなんじゃないか。
そういう意味においても、この方は三池崇史監督と通じるところがある。
精力的に作品を発表するが、当たり外れが激しい(ここでいう当たり外れというのは、僕の肌に合う合わない、ということ)のだ。

園監督初のファンタジーというのも、うまく機能してなかったように思う。
地下に住む謎の老人を演じる西田敏行は、個人的にも好きな俳優だが、ここでは彼の「イヤな」部分がいっぱい出ている。
具体的には書けないが、これも観てもらえれば言わんとしていることが判るかもしれない。

って、なんだか肌に合わないと言いながら、映画の宣伝をしているみたいだな。
そりゃあ、基本的に映画好きなもので(笑)



第5位 『図書館戦争-THE LAST MISSION-』(10月10日公開)
トショカンセンソウ
数年前に観た一作目は、さほど肌に合わないとは思わなかった。
榮倉奈々も出てるし(笑)

しかし、この続編に先だってオンエアされたドラマ・スペシャルと本作を観て、
「あれ? この物語ってこんなだったっけ?」
と強烈な違和感を抱いた。

とにかく、恋愛ドラマにかなり比重が多く、それでいて死人も出るような銃撃戦が展開される。
にも関わらず、主人公側は死者の描写がまったくない。
死者を弔う場面もない。
そのくせ、恋愛描写はせっせと描かれる。

なんなんだ、これは?

1作目の時も「戦争ごっこ映画」なんて評する声もあったのだが、この続編とドラマ・スペシャルを観てそれを強く感じた。
とにかく観ている間中、虫酸が走るほどの嫌悪感を抱いた。



第4位 『劇場版 境界の彼方 -I'LL BE HERE- 過去編』(3月14日公開)
ゲキジョウバンキョウカイノカナタ
そもそもいわゆる「萌え系」(なんて書くだけで恥ずかしい)なキャラが出てくるアニメには、強烈な拒否反応を起こしてしまう僕が、なぜこれを劇場まで観に行ったのか。

それは背景のデザインに奈良県内の各所の風景が使われている、ただそれだけの理由だった。
この手の作品を劇場へ観に行くことに慣れていない僕としては、この手の作品の予告編ばかり流れる(当たり前といえば当たり前なんだが)苦痛の数分間(だったら観に行くなよ)をなんとか耐え、ようやく本編が始まったのはいいが・・・。

いきなり登場人物らしいキャラが歌に合わせて踊るシーンが。
・・・なんやねんこれは?

どうやら、TVシリーズからのファンにすれば、ファン向けのサービス映像なんだそうで、この時点で劇場まで来たことを後悔した。

物語は山田風太郎の「甲賀忍法帖」というか、古くは「ロミオとジュリエット」に端を発する、相反する団体の垣根を超えた恋愛話。

これを「萌え系」(ほんと、恥ずかしい)なキャラが壮絶なアクションを展開。
ここに兄妹間の恋愛とか、お色気な年増キャラとか、まぁこの手のアニメ好きが好みそうな(べつにアニメ好きを卑下しているわけじゃないが。そのように感じたらすんません)要素がてんこ盛り。

お目当ての背景デザインは、なるほど「あ、あそこだ!」と、場所を知っている者でもけっこうマニアックと思われる場所(こういうのを「聖地」などと称する昨今の風潮にも抵抗を感じる)を使用していて、それを見つける楽しみはあるが、それ以外はとにかく苦痛でしかなかった。



第3位 『ギャラクシー街道』(10月24日公開)
ギャラクシーカイドウ
三谷幸喜監督初のSF映画。
ベースは『惑星ソラリス』か?

予告編の段階ではそれなりに期待(綾瀬はるかのコメディエンヌぶりとか)したのだが・・・。
最初から最後までまったく笑えず。
豪華なキャスティングも空回りの連発(小栗旬のあのくだりは、『大日本人』の悪夢を思い出させる)。

三谷監督のパッションは、本作よりもすでに大河ドラマの方にシフトしてしまっていたんじゃないか、と思えるくらいの散々たる出来。

それ以上、書くべきことはない。



第2位 『劇場霊』(11月21日公開)
ゲキジョウレイ
かつてのJホラーを牽引した中田秀夫監督最新作。
この人ももうダメだなと思った。ちっとも恐くないのだ。

まず主役の演技が下手すぎる。
ホラー映画に必要なのは、出演者の説得力ある演技だ。
これがダメだと目も当てられない。
その分、脇役の足立梨花の演技のほうが際立っていた。

そして中田監督の演出。
まず冒頭のあの場面。
演出のチープさ、セットのチープさ、ああ、これは劇中の芝居の場面から始まったんだな、と思ったらそうじゃなかった。
このファースト・シークエンスで「あ、ダメ」だと。

ここで思うのは、あのJホラーにあったなんともいえない恐さの源は、高橋洋の脚本だったんだなと痛感。
この方が去った後の中田監督の作品、たとえば『クロユリ団地』も『仄暗い水の底から』の焼き直しでしかなかったし、はたして監督にやる気はあるのか? という疑問が湧いてくる。

まぁ、そもそもなんでも金儲けにつなげてしまう「あの人」が関わってから、このジャンルがダメになった(自分の子飼いのタレントを主役に据える)とも言えなくもないが。
惹句の「ぜんぶ、ちょうだい」ってのは、「あの人」の本音を掲げてるのだとしたら、それが一番ホラーだ。



第1位 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』(2月13日公開)
フィフティシェイズオブグレイ
女子大生とイケメン会社社長との、ソフトなソフトな団鬼六もの。

二人の間で奴隷契約なんてのを交わすのだが、これがもう、観ていて失笑もの(具体的な内容な書かない、というか恥ずかしくて書けない)。
それでいて、最後にちょっとお尻を叩かれただけで、
「こんな痛いの、もういやや」
といって社長の下から去っていく女子大生。
残された社長はさめざめと泣く、というなんじゃこりゃ、なストーリー。

原作は主婦層に爆発的なベストセラーになったということで、どんなもんだろ? 
と観に行ったら、こんなんでええの?(いろんな意味で)と思った映画だった。

ベッドシーンでは、時代錯誤な画像処理(花瓶を置くとか黒丸とか)が施されていて、それが余計に画面が卑猥というか滑稽で、これまた失笑もの。
これは日本で公開する際に処理されたものだろうけど、この手の映画を観に行って笑ってしまうってのも、なんだかなぁ。

まぁ、そもそも僕自身も多少は(ほんとに多少は)鼻の下を伸ばして観に行った作品ではあったけど、それがこの出来だったもので、ちょっとでも興味を持った自分に対する嫌悪感と自戒の意味も込めて、2015年度もっとも肌に合わなかった映画としてこの作品を挙げる。

あ、唯一この作品でよかったのは、まさかのダニー・エルフマンのスコアのみ。
エルフマンも作品を選ぶべきだよ、まったく!




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