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■『海難1890』■(映画) 







カイナン1890
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「♪ここは串本 向いは大島♪」の串本節(僕のような関西出身の者には「串本海中公園」のCMでもお馴染みだ)にも歌われた和歌山県串本町の大島で1890年に起こったトルコの軍艦エルトゥールル号遭難事件の顛末を描いた日本・トルコの合作巨編。

件の事件については、いろんな本も出ていてまったく知らないわけじゃなく、僕自身も教科書か何かで教わったような記憶があるけど確かじゃない。

これを『火天の城』や『利休にたずねよ』の田中光敏監督が映画化。
こういった出来事はTVの歴史番組や、こうして映画化などにしてくれると個人的にはとっつきやすいし、いい勉強素材になるというものだ。


日本とトルコの合作ということもあって、決して日本側に比重が大きいわけじゃないのが好印象。
『杉原千畝』の製作スタイルとあれこれ共通するところもあって、日本の外国人タレント事務所の方々総出演、というのじゃなく、キチンとトルコの俳優を起用して作っているのもその一つ。
いや、日本の外国人タレント事務所の俳優を起用するのが悪いというわけじゃないが、何を観ても、何処かで観たような外人俳優(数年前の『ジャッジ!』みたいなね)が出てくると、それだけでスケール感が縮んでしまうように感じるのだ。

世界の中で、日本の先人たちがどのような貢献をしたのか、という点でも『杉原千畝』にも通じていて、奇しくもこうした作品が娯楽重視な正月映画のシーズンに公開されるというところが、ユニークといえばユニーク、ってことは『杉原千畝』のところでも書いたっけ。

しかも、いずれもそれなりに観客動員をしていて、ロングラン上映になったのも嬉しい限りだ(さすがに2月も半ばになると、もう上映は終わっているかもしれないけど)。


ただ、これはあくまで個人的な印象なのだが、田中監督の映画って、上に挙げた2作品同様、どうも真面目過ぎて、はっきりいって面白くない(重ねて書くが、あくまで個人的な印象として)。
とても興味のある題材を映画にしながらも、なんとなく重いというか、、肩に入った力の抜けどころがないというか、観終わって疲れてしまうのである。
それは今回の作品においても同じだった。

なんでも今回の作品は、田中監督の同級生だという串本市長からの持ち込み企画だったそうで、そこに日本を世界にアピールするうってつけの素材と思ったのか、外務省やら文部科学省やら、ひいては安倍首相やトルコの首相までもが製作にぶら下がってきて、それだけで映画がいろんな意味で「重い」のだ。

もっとも、製作に関する内幕についてのあれやこれやは、観終わった後で知ったのだが、ある意味「なるほどね・・・」と思った。


映画も2部構成になっており、前半はエルトゥールル号の物語、後半は時代はど~~~んと飛んで85年のテヘラン日本人脱出事件の一幕が描かれる。
いや、そういう構成もアリだけど、それじゃあタイトルの「海難」や「1890」は無視かいな?
言いたいことはわかるけど、そこまで描くのはちょいと押し付けがましくはないかい?

さらにとどめはエンドクレジット後に、トルコの首相まで登場して「日本人は素晴らしおまっせ!」と語らせているところ(笑)
政府が映画に絡むと、なんでこういうことになっちゃうのかね?


エルトゥールル号の物語だけにとどめて、90~100分くらいの映画で収めていたほうが、すっきりしたかも知れない本作、またしても田中監督の映画は、真面目で硬いなぁ、という印象を払拭できなかった。
まぁ、それは監督だけの責任じゃないのかもしれないけどね。



スコア担当は大島ミチル。
かなり大袈裟(笑)ともいえるスケールの大きなスコアを書いており、映画自体が先にも書いたように真面目で硬い分、スコアのエンターテイメントな部分が浮き上がっていたように思えた。

ただ、なぜかサントラは未発売。
ダウンロードでさえもリリースされていない。
どういう経緯で未発売なのかはわからないが、大島ミチルのような作曲家とれば、ネームバリューもあるしファンも多いことと思う。
ここにもCDが売れなくなっている現状が反映されているような気がする。




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