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■『007 スペクター』■(映画) 







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シリーズ通算24作目であり、『007 カジノ・ロワイヤル』(06)から始まった、ダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じるシリーズとしては4作目にあたる最新作。

最初の頃は、出てきてすぐに殺されるチンピラA、みたいな顔しとるなぁ・・・と思っていたものだが、それも4作続くと堂々としたもので。
本作でもメキシコ・シティを舞台に1ショット長回し(この撮影風景を見たくなったのは、僕だけじゃないだろう)の演出で展開するオープニング・シークエンスを見れば、すでにボンドはダニエル・クレイグじゃなきゃ、ってくらいである。

プロデューサーもこのシリーズに「新しい血」を注ごうとしたんだろうけど、その思惑は見事に成功したといっていいだろう。
「新しい血」を注ぎつつも、昔からのファンを手放さないように、『~カジノ・ロワイヤル』にしろ今回の『~スペクター』にしろ、ファン心理をくすぐるタイトルというか、あれこれ原点回帰な印象を持たせるところがなんとも心憎い。
本作なんて、タイトル以上に劇中のあちこちに、これまでのシリーズのオマージュが散りばめられていて、そういった部分もファンにはたまらなかったりする。

ただ、ダニエル・クレイグ版の「007シリーズ」は、ご存知のように連作になっており、それの一応の完結編が前作『007 スカイフォール』(12)だと思っていたが、そういう意味では本作が一応の完結編のような感じ。
昔の映画の惹句でいえば、「新生ジェームズ・ボンド、最後の大勝負!!」といったところか。
真剣なのかどうかわからないが、クレイグ自身ももうボンドはやらない、なんてことをのたまっていたりするしね。

この連作というスタイルは、大きく評価が分かれるところだろう。
コアなファンにとってみれば、これまで色々と積み残してきたことに決着がつくということで、それなりの溜飲が下がる思いがして、これはこれで、またたまらなかったりする。
しかし、それはそのまま「一見さんお断り」みたいな、敷居の高さを印象付けてしまいかねない。

これまでのシリーズだって、多少、連作のようなエピソードがなかったわけではない。
しかし、基本、飛び込みで観ても楽しめるような完全一話完結のスタイルになっていた。
それに比べ、前作までのおさらいをせずに、軽い気持ちで今回の『~スペクター』を観ようとすると、100%楽しめない危険性がある。
少なくとも前作『~スカイフォール』あたりは抑えておいてから、鑑賞することをお勧めする。
娯楽の王道だった007シリーズも、なにかと難しい映画になってしまったものだ。

前作から起用となったサム・メンデスの演出も、先に挙げた冒頭の1ショット長回しは序の口。
それ以外にも数々の、スタイリッシュな演出で魅了してくれる。
これまで、どちらかといえばアクション映画の監督というよりも、人間ドラマをじっくり見せる監督だっただけに、このあたりも前作では危惧したが、それは杞憂に終わった。
彼の持ち味は、007のようなアクション映画でも十分に映えている。

ボンド・ガールにおいても、レア・セドゥをメインに据えながらも、、モニカ・ベルッチ(あいかわらず美しいのだが、大スクリーンでは寄る年波に勝てないところも・・・)なども起用しているのが嬉しい。
余談だが、昨年公開されたクリストフ・ガンズ監督の『美女と野獣』(14)で、ヒロインを演じたレア・セドゥだったが、相手役の野獣を演じたのはヴァンサン・カッセル。
そのヴァンサン・カッセルの元奥さんはモニカ・ベルッチということで、なんだか楽屋裏の人間関係がかなり狭くて、そこがなんとも可笑しかった。

まぁ、詳しい物語は敢えて省略するが、007ファンなら今回のタイトルが意味するものは何なのか、とても気になるだろうし、実際映画では納得いくストーリー展開になっているので、そこは十分楽しんでいただきたい。

個人的には、これで連作はひとまず完結、というのであれば、ボンド役が交代するしないに関わらず、こんどは一話完結の従来のようなスタイルの作品を観てみたいものだ。



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スコア担当はトーマス・ニューマン。

サム・メンデス監督とはずっとコラボレーションを組んでいるため、監督同様前作から引き続いての登板となる。
これまた監督同様、どちらかといえばアクション映画よりも、人間ドラマで実力を発揮する方で、正直なところトーマス・ニューマンの書く007のスコアは「面白くない」。

モンティ・ノーマンによる「ジェームズ・ボンドのテーマ」を随所に盛り込んで、いわゆるスコアにおけるオマージュも忘れてはいないのだが、ことアクション・スコアになると打ち込み系のリズムがベースになるという、お決まりのパターン。

メロディに多少の変化はつけてはいるものの、平たくいえば一本調子なのだ。

映像にこれが乗っかれば、決して悪くはないのだが、音楽的な高揚感は皆無といっていい。
挙げ句にエンドクレジットは、前作同様アンニュイな、「え? これが007のエンドクレジットなのか?」と首を傾げるくらい、どんよりとしたスコアがひたすら流れるのである。

それが作家性といえばそれまでだが、映画は一見、原点回帰を目指しているように見えるが、そこに流れるスコアは、原点回帰というよりも、相当に乖離しているように感じる。

ファンとしては、
「ああ、007を観たなぁ~~~」
と、気持ちよく劇場から送り出してほしいのだが、あんなアンニュイなスコアを流されると・・・。

アクションスコア以外でも、たとえばヒロインにつけられたスコアなどは、それなりにドラマティックではあるが、劇中、最もドラマティックに流れるのは、ボンドとマドレーヌ(レア・セドゥ)との列車内でのラヴ・シーンに続く、荒野の無人駅に二人が佇む場面を盛り上げる、主題歌「Writing's on the Wall」のインストゥルメンタル・バージョン。

ちなみに、主題歌の作曲はトーマス・ニューマンではなく、唄っているサム・スミスとジミー・ネイプスというから、なにがなんだか、である。

主題歌でいえば、このサントラにも不満がある。
ガン・バレルに始まり、先述のように劇中では「ジェームズ・ボンドのテーマ」が流れる場面が幾つかあるが、そのあたりのスコアがほとんど収録されていないばかりか、肝心のサム・スミスによる主題歌も収録されていない。

ダニエル・クレイグによる007シリーズのサントラには、この主題歌未収録というパターンが幾つかある。
それだけでも、従来の007ファンには、なにかが欠けてしまった喪失感を抱いてしまうのだ。

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