■『REC/レック2』■(映画) 


レック21
ホラー映画を観慣れている僕としても、思わずチビりそうになるくらい怖かった『REC』。
その恐怖演出もさることながら「POV(POINT OF VIEW)」(主観撮影)を使って成功したいい例という意味でも、『クローバーフィールド』ともどもPOV映画のエポック・メーキングになったんじゃないかと思うくらい、完成度の高い作品でした。
その『REC』の公開から一年経って、早々にその続編を観ることができようとは・・・。

スタッフもそのままに、しかも前作とほとんど時間の経過のないままに、舞台も同じマンションということで、いくら前作がヒットしたからってそのインターバルの早さもあって、正直なところ不安要素の多い作品ではありました。
でも、いくらなんでも前作と同じ事をやってたのでは、クリエイターとしてのプライドもあるでしょうから、おそらくはなんらかの違う見せ方というのもあるのだろうと。

たしかに、前作以上に見せ場の多い作品でありました。
続編ですから、舞台となるマンションに起こった一大事に至るまでの経過をあらためて説明することもないので、早々にゾンビ(といっていいんだろうか?)と、マンションに突入するSWAT(といっても、内部調査を依頼された博士と呼ばれる男を入れてたったの4人)との死闘が展開されます。
その情け容赦のない設定(笑)には、思わず身を乗り出してしまいました。

が、興味深く観ていたのも最初の10数分だけ。
思わず「はぁ?」と声を出しそうになるような違う意味での驚愕が!
確かに、前作と同じ事をやってたんじゃ芸がないとスタッフも思ったのでしょう。それはわかるんだけど、いくらなんでもあの設定はあんまりです・・・。

前作が凄かったのは、最初にも書いたようにPOVという手法でもって、これまで何作も作られたいわゆる「ゾンビ物」に新機軸を打ち出したところにあるわけで、普通に撮ってりゃ普通のソンビ映画でしかなかったところに、ある種のリアリティを持たせたところが素晴らしかったんですよ。
たしかに本作でもそこのところは同じであり、謎の病原菌によってそれに感染した人間は、人を襲う凶暴なモンスターに変貌してしまう。で、それに噛みつかれたり血液が付着するとその人も凶暴になる、というコンセプトは同じなんですが、そこに余計な設定を加えたばかりに前作から引き継がれたはずのリアリティをことごとく殺してしまってるんです。
詳しくは触れませんが、平たく書けばいわゆるスーパー・ナチュラルな要素をこの映画に持ち込んだこと。
これには思いっきり醒めてしまいました・・・。

レック22
なんでも本作を作ったスペインの国民のほとんどがキリスト教信者なのだそうで、そういう意味でも本作にもたらされた新たな要素は、それを観るスペイン本国の方々なら容易に受け入れられるものだったのかもしれません。
先にも書いたように作り手の観客に対するサービス心からの、あの設定というのも納得できなくはない。
でも、せっかく前作で作り上げた世界感を覆されたのを目の当たりにして、かつて鈴木光司の「ループ」を読んだ際のガッカリ感に似たものをおぼえました。

おそらく、あの結末から想像するに、本作のヒットいかんでは3作目も作られるのでしょう。
でも、もし作られたとしたら、さらに雰囲気の違う別物のような作品にしかなり得ない・・・。
正直、もうええわ、って思いました。


帰り際、同じ作品を観たどこぞのおっちゃんとエレベーターが一緒だったんですけど、そのおっちゃんが、

「いまの映画、なんのこっちゃさっぱりわからんかったわ」

と。

「これ、続編なんですよ。前のほうがずっと面白かったですよ」

と僕が言いますと、

「へぇ、そうでしたんかぁ~~~」

続編だということを知らずにご覧になってらっしゃったようで・・・(苦笑)

(敷島シネポップにて鑑賞)

【採点:100点中10点】


※前作『REC』のDVD。
シリーズ物の定説どおりになっちゃったなぁ・・・。



※こちらはブルー・レイ。
まだご覧になってらっしゃらない方は、ぜひぜひ。



※『REC』のハリウッド・リメイク作品。
これはまだ観てないのですが、『REC2』があんまりな出来だったので、近いうちに観ようと思います。



※こちらは、上記作品のブルー・レイ。





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