ビンさんの銀幕音楽堂・第683回(2015年3月7日放送分) 







【放送日:2015年3月7日 PM9:00オンエア】

・銀幕アラカルト:祝! アカデミー作曲賞受賞! アレクサンドル・デスプラ特集

『真珠の耳飾りの少女』ostより「グリートのテーマ」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『クィーン』ostより「ヒルズ・オブ・スコットランド」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『ラスト、コーション』ostより「ワン・チアチーのテーマ」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『ライラの冒険 黄金の羅針盤』ostより「飛行船」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』ostより「ポストカード」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『英国王のスピーチ』ostより「The King's Speech」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』ostより「イミテーション・ゲーム」(co:アレクサンドル・デスプラ)
『グランド・ブタペスト・ホテル』ostより「ムスタファ様」(co:アレクサンドル・デスプラ)


以上のラインナップでお送りいたします。



奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時

コミュニティFMですので、奈良県内だとカーラジオならたいてい聴取可能なのですが、自宅となると限られた地域しかクリアに聴けません。
もし、聴取可能だよ~、という地域にお住まいであれば聴いていただけるとありがたいです。
聴けない方には、雰囲気だけでもお伝えすべく、ここに放送内容をUPしておきます。



《裏ばなし》

第87回アカデミー賞において、6度目のノミネートの末、ようやくオスカーを手にした作曲家、アレクサンドル・デスプラの特集です。

90年代より母国フランスで仕事を初めていたようですが、個人的に彼の作品に注目したのは2003年の『真珠の耳飾りの少女』からでした。
以後、目覚ましい活躍ぶりはご存知の通り。

今や活躍の場はハリウッドですが、ハンス・ヅィマー一派が牛耳っているようなハリウッドにおいて、どこかヨーロッパ的な香り漂う独自のカラーを持ったデスプラの存在は、貴重だといえるでしょう。

過去5回のノミネートの末、6回目の正直で彼がオスカーを獲ったことは、本当に嬉しいニュースでした。

今回は彼の主要な作品の中から、断腸の想いでご覧のような選曲となりました。
時系列ですが、最後には今回のアカデミー賞受賞作である『グランド・ブタペスト・ホテル』のユニークなスコアと、同時ノミネートとなった『イミテーション・ゲーム』のスリリングなスコアも取り上げております。

昨年公開された『あなたを抱きしめる日まで』と『GODZILLA』も入れたかったのですが、昨年当番組でも散々取り上げましたので割愛。

どちらかといえばエモーショナルな雰囲気のスコアが中心となった選曲になりましたが、いわゆる「ドンドコ」と鳴り響くような派手目のスコアを取り上げられなかったのは、時間の関係とはいえ残念。
『ホステージ』、『ファイヤーウォール』、『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』は、ぜひ取り上げたかったのですが・・・。

それをいえば、『ハリーポッター 死の秘宝』も『ニュームーン トワイライト・サーガ』も取り上げられなかったなぁ・・・。
さらには『シリアナ』も『アルゴ』も取り上げられなかった。
それくらい、多才な作曲家だというわけです。

個人的には『ラスト、コーション』の「ワン・チアチーのテーマ」が、デスプラの作品の中では一番のお好みであります。
それだけは外せませんねぇ(笑)

今回は他の作品の音源も用意していましたが、結局はデスプラ一色になりました。
まぁ、そんな回があってもいいんじゃないでしょうか・・・ね。



シンジュノミミカザリノショウジョ
『真珠の耳飾りの少女』(03)のサントラ。

有名な絵画「真珠の耳飾りの少女」を描いた画家フェルメール(コリン・ファース)と、絵のモデルとなったグリート(スカーレット・ヨハンソン)の物語を描いた歴史ロマン。

なんといってもスカヨハの魅力満載の本作に、文芸作品調な香り漂う、デスプラの流麗なスコアが似合い過ぎる。
とりわけ、「グリートのテーマ」は絶品。


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クイーン
『クィーン』(06)のサントラ。

ヘレン・ミレンがエリザベス女王を演じ、なにかと話題となった本作。
映画自体の評価も高く、ミレンは主演女優賞でオスカーを獲った。

格調高い宮廷音楽のような荘厳なスコアから始まるデスプラのスコアだが、全体を通してエリザベス女王が抱える内面的なものに、スコアでアプローチしている。

ゆえにエモーショナルなスコアも多いが、総じてメロディ・ラインが美しく、既にデスプラのスタイルが確立されたように思う仕上がりだ。


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ラストコーション
『ラスト、コーション』(07)のサントラ。

第二次大戦中の香港、上海を舞台に、日本の傀儡政府の高官と、彼の暗殺目的で送り込まれた反日スパイの女との、任務を越えた愛憎劇。
監督はアン・リー。

トニー・レオンとこの映画で大抜擢されたタン・ウェイとのハードなラヴ・シーンが話題となった。

とにかく、本作のヒロイン、ワン・チアチーのテーマ曲は、屈指の名曲。
個人的にもデスプラのスコアでベストは? と問われたならば、迷うことなくこのスコアを推す。


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ライラノボウケンオウゴンノラシンバン
『ライラの冒険/黄金の羅針盤』(07)のサントラ。

『LOTR』の大ヒットに続けとばかりに、ファンタジー小説の映画化が相次いだ中の一編。
興行的に振るわなかったため、続編以降の製作が中止になってしまった、多彩な出演者とSFXで作り上げられたファンタジー巨編。

おそらく、デスプラにとっては初めてのビッグ・バジェット作品だったのではないか。
彼が映画音楽作曲家になろうと決心したきっかけとなった、ジョン・ウィリアムズが書くスペース・オペラに迫るスケールの大きなスコアになったが、その中でも独自のヨーロッパ的フレーバーは健在だった。

映画の内容も面白かっただけに、続編製作中止になったのは残念なことだった。


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ベンジャミンバトンスウキナジンセイ
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(07)のサントラ。

老人の姿で生まれ、年を経るごとに若返っていく主人公を描く、ファンタスティックな一大叙事詩。
監督がデイヴィッド・フィンチャー、主演はブラット・ピット。

様々な独創的な監督たちとコラボレーションを展開するデスプラだが、それによって作風を著しく左右されるのではなく、自身の確固としたスタイルを保っている。
その姿勢はじつに素晴らしいものだし、そういう作曲家をクリエイターは欲しているんだと思う。

本作のサントラはデスプラのスコアと既成曲と、それぞれを収録したCD2枚組の構成。
それくらい音楽面でも力の入った一作だったといえる。


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エイコクオウノスピーチ
『英国王のスピーチ』(10)のサントラ。

イギリス王ジョージ6世と、彼の吃音を治そうとする言語療法士との友情を描いた人間ドラマ。
コリン・ファースとジェフリー・ラッシュの演技が高い評価を得た力作だった。

『クィーン』と同じく、英国王室がテーマとなるが、全体的には『クィーン』ほどきらびやかなスコアではない。
静かに、それでいて熱く友情を描く本作の丁寧さは、そのままデスプラのスコアにも活かされている。

派手さはないが、染みるスコアの数々が魅了してくれる内容となっている。


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イミテーションゲームエニグマトテンサイスウガクシャノヒミツ
『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のサントラ。

『グランド・ブタペスト・ホテル』とダブル・ノミネーションとなった本作。

第二次大戦中、ドイツの暗号記「エニグマ」解明に挑んだ数学者を描いた人間ドラマ。
主演はベネディクト・カンバーバッチ。

日本公開は3月13日から。


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グランドブタペストホテル
『グランド・ブタペスト・ホテル』のサントラ。

ヨーロッパの架空の国にある豪華ホテルのコンシェルジュが巻き込まれる殺人事件。
コンシェルジュと彼の部下であるベルボーイが事件の真相を解き開かす。

多才な出演陣とブラック・ユーモアあふれる物語。
そしてテンポのよい演出で、楽しませてくれる娯楽巨編。

監督はデスプラと何度かコレボレーションを汲んでいるウェス・アンダーソン。

異国情緒を醸し出す、バラライカの音色による、アコースティックながらミニマル・ミュージックのようなスコアが、絶えず物語のバックで流れており、それが映画のテンポを形作っている。

観終ると耳から離れないデスプラのスコア。
そのインパクトも、今回のオスカーへとつながったのではないだろうか。

オリジナル・スコアとともにトラディショナル・ミュージックも収録されたサントラは、本編ともどもバラエティに富んでいる。


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コメント

>Reiさんへ

コメントありがとうございます!

『グランド・ブタペスト・ホテル』は、公開時に地元、奈良のTOHOシネマズ橿原でも上映されていました。

でも、残念なことに気づけば上映が終わっていたのでした・・・。

現在、テアトル梅田でリバイバル上映されていますが、観に行く時間もないようで、泣く泣くDVDで鑑賞した次第です。
で、DVDで観てさらに劇場で見逃したことを後悔するくらいに面白い作品でした・・・。

劇場で観ていたならば、迷わず2014年度ベスト10に入れていたものを・・・。

ま、こんな感じでブログやってます。

またいつでも覗きに来てやってくださいね!


映画ファンの代表!

ビンさん

どうも。
番組は中々聴くチャンスがなさそうなので、
このサイトを読むことにしました。

グランド・ブタペスト・ホテル 観ましたよ、上映されてすぐに。
東欧的な雰囲気満載の、エロファンタジー(?!)な映画で大好きです!

年に一度の映画の祭典も バタバタしてたら見逃してしまい、気付けば3月。

・・・早い。

また興味深い映画ネタが読める事を楽しみにしています!

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