■『フライト・ゲーム』■(映画) 







フライトゲーム
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『エスター』(09)で、びつくりぎゃうてん(笑)なサスペンス映画の珍作を放った、ジャウメ・コレット=セラ監督の最新作。

まぁ、とにかく『エスター』の半ば反則技のような展開には、思わず口あんぐりになってしまったわけで、続くセラ監督の『アンノウン』(11)にもそれ以上のものを求めてしまった。

それがいけなかったんだろうか、『アンノウン』はそれこそアンノウンな仕上がりで、残念無念だった。

しばらくセラ監督の新作の話を耳にしなかったところへ出てきたのがこの『フライト・ゲーム』。
飛行中のジェット機の中で起こる殺人事件。
主人公は航空保安官で、犯人は彼にメールで次々と殺人予告を送ってくる。
てなわけで、主人公は乗客全員すべてが信じられないという状況のなかで、真犯人を突き止めようと奮闘するわけだ。
しかし、この映画を観ている観客には、冒頭からこの主人公自身がじつに怪しいキャラのように見える演出がなされている。
この、スクリーンの向こう側だけの物語じゃなく、映画の観客も巻き込むというのがニクいじゃないか。
しかも、犯人正解率3.7%(試写会でリサーチしたんだろうか)なんて、聞いた日にゃ、こりゃいっちょ挑戦してみようやないかいさ、ってな気分にさせてくれる。
ほんとに、ニクい映画だ(笑)

さらにこの映画、最初は殺人事件の謎解きでドキドキハラハラさせてくれるが、後半、もうそんな謎解きなんてどうでもよくなるくらいの、驚天動地なパニック・アクション映画になってくる。
まるで『エアポート2014』といった感じ。
一粒で二度美味しいとはまさに事のことだ。

そのうえ、これらがしめて90分というお手頃な上映時間で描かれるその手際の良さ!
まさに原題の「NON-STOP」そのものである。
ジャウメ・コレット=セラ、今後の作品にも目が離せない。

キャストに目を転じれば、主演のリーアム・ニーソンのそこはかとない虚脱感(その理由は劇中で明かされる)あふれる演技の妙(もう、これが怪しいのなんの)。
わざわざ彼の隣の席に意図的に座ることになるジュリアン・ムーア(もう、これだけで怪しさ90%!)。
CAに目を転じれば、なにげに『それでも夜は明ける』(13)のオスカー女優ルピタ・ニョンゴまでいるぞ(いや、別に彼女は怪しいわけじゃないけれど)。
他はおしなべて地味な配役に徹したのは、余計な先入観を与えないようにした、作り手の英断だったと思う。

個人的にはたった一人で搭乗する幼い少女(クイン・マッコルガン)が、むちゃくちゃかわいくて、思わず見とれてしまったほどだ(ってことは僕が一番怪しいやないかいっ!)。


フライトゲーム
スコアを担当したのはジョン・オットマン。
作曲家でありながら、編集の仕事もこなす器用な人物だ。

器用な人物なんだけど・・・。
おしなべて、メインとなるメロディがあまり印象に残らない作品が多くて、スコア担当に彼の名前が上がると、ある種の溜息をもらしてしまうのは僕だけじゃないはずだ。

だが、『ファンタスティック・フォー』(07)や『ATOM』(09)のように、バラエティ番組にしばしば使われるような印象深いフレーズを書くこともあるので、侮れない作曲家でもある。

残念ながら、今回のスコアは「印象に残らない」ケース。
打ち込みとアコースティックな演奏によるスタイルも、とりわけ目新しいというものでもなく、実はけっこう派手にスコアは流れているものの、演出の派手さに目を奪われていると聴き逃してしまうというパターンだ。

とはいえ、オットマン自身、編集の仕事同様、裏方に徹しようという姿勢であるならば、それはそれで重要なスタッフであることには違いない。
そういう部分を評価すべき人物なのだろう。

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