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■『LUCY/ルーシー』■(映画) 







ルーシー
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リュック・ベッソンの最新作。
スカーレット・ヨハンソン演じるヒロイン、ルーシーは留学で台湾に来ている学生だった。
そんな彼女が、付き合ってた男にダマされて、韓国マフィア(ボスはなんとチェ・ミンシク。初脱韓国映画(早口言葉じゃないよ)第一作!!)の運び屋をさせられるハメになる。
新開発された最強強烈なドラッグの入った袋を、手術でもって下半身に埋め込まれたルーシーだったが、いろいろあって体内でその袋が破けてしまったからさぁ大変!
最強強烈なドラッグが体中を駆け巡った結果、彼女は超人へと変貌したのであった。

人間というのは脳の10%しか使っていないんだそうで、劇中でルーシーはドラッグのせいで100%フル稼働状態になってしまう。
劇中、そのあたりの専門家として登場するモーガン・フリーマン演じる博士自身、人間の脳が100%フル稼働するとどうなるか「想像もつかない」、なんてセリフを吐かせることで、ベッソンはやりたい放題。

挙句、ルーシーは通常の人間では考えられないような動きを見せるのは序の口。
なんと、電波までも操るというか、自分自身が通信回線の中へ入ることができるようになる。
有機体の人間が、なぜ無機質な世界に入り込めるのか、僕にはまったく理解できない。
いえいえ、そんなのはまだまだ序の口。
さらには、時間までも超越できたりしてしまうんだな、これが。


数か月前に、ジョニー・デップ主演の『トライセンデンス』という映画が公開されたけれど、あの映画の主人公も通信回線の中に入り込めるという設定だった。
ただ、あの映画はあの映画なりに説得力のある説明がされていたのに対し、この映画のルーシーは「ドラッグが原因」ですべて片づけてしまうので・・・楽といえば楽だ。
そこがベッソンのベッソンたるところなんだけれど(笑)


ドラッグが原因で人間が進化する、という設定はケン・ラッセルの傑作『アルタード・ステーツ/未知への挑戦』(79)がある。
未確認だが本作はあの作品からヒントを得ているんじゃないか、とも思った。

いや、もっと本作に近い作品がある。
これも、つい数か月前に日本でも公開された『ホドロフスキーのDUNE』だ。
フランク・ハーバートの原作をアレハンドロ・ホロドフスキーが映画化しようとして未完に終わった『DUNE』にまつわるドキュメンタリー映画の傑作。
あの映画のなかで、ホロドロフスキーはハーバートの原作を彼なりに解釈し、原作とは異なる展開を映画で描こうとしたことが綴られていく。
詳細をここで書くと長くなるので割愛するが、ドラッグによって人間から超人へと進化する、という設定は原作でも描かれている。
しかし、原作と大きく異なるラスト・シーンは、まんま今回の『ルーシー』そのもの。


ベッソンがホドロフスキーについて語った資料は手元にない。
しかし、ホドロフスキーはメビウスとともに、バンド・デシネ(フランスのコミック)を幾つも出版しているし、フランス人のベッソンがそれに影響されていると考えるのは不自然ではないだろう。
さらに、ホドロフスキーが作ろうとした『DUNE』の世界についても、ベッソンが知らないと考える方が不自然だ。


かように、原典を挙げればいくつもの作品が見えてくる本作だが、じゃあ、模倣だらけのつまらない映画というとそうではない。
なにより主演のスカヨハの魅力は十分活かされていたし、ベッソン流アクション・シーン(彼の過去の作品を幾つも髣髴とさせるカット割りやシチュエーションが満載だ。チェ・ミンシクもなんだかかつてのゲイリー・オールドマンに見えてくるし)も堪能できる。
さらには、人間が進化したらどうなるか、という科学的な面白さ(先にも書いたように何一つ納得できるものじゃなかったけれど)というように、いろんな要素が詰まった、それでいて90分というお得感のある本作。
これが楽しくないわけがない(笑)



ルーシー
スコアはベッソンといえばこの人、エリック・セラ。

あいかわらずのエレクトリック・ポップにアコースティックなサウンドが融合するというスタイルで、ヒロインはどんどん進化しているのに、彼はまったく進化していない(なんて書くと語弊があるけれど)。

ただ、それが悪いというのではなく、それこそがエリック・セラのサウンドなのであり、それを欲するベッソンに今回もキチンと応えているところは、すでに仕事を超えた関係(あ、ヘンな意味じゃなくて)が築かれているんだなぁ・・・と実感させられる。

ただ、映画音楽ファンとして今回のスコアを聴くと、十分満足・・・というところまではいかなかったなぁ、というのが正直なところ。
たとえば、サントラに収録されているスコアは、そのほとんどが2分前後の短いもので、映画ではいわゆるブリッジ的な役割を担っている。
じっくりスコアを聴きたいという要求には、正直満たされていないスコアだった。

エンドクレジットではデーモン・アルバーンが主題歌を書き下ろしていて、これがなかなかの聴きもの。
というか、『レオン』(94)におけるスティングじゃねぇか、といえば身もフタもないけれど・・・。

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