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■『GODZILLA ゴジラ』■(映画) 







ゴジラ2014
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じつはローランド・エメリッヒが監督した『GODZILLA』(98)は、個人的には世間が言うほど否定的ではない。
ハリウッドでゴジラが映画化されると聞いた時、はなっから日本のものとはかけ離れたものができるだろうから、ならばリアルなゴジラ像というのを見てみたいと思ったからだ。
僕が思うリアルなゴジラとは、基本は爬虫類と想定して4本足で歩行、皮膚はヌメヌメヌラヌラとウェットなもので、目はヤモリのように黒目は縦長。
それが高速で歩行するという、まんまトカゲの怪物のようなものを想像した。
すでにスピルバーグが『ジュラシック・パーク』(93)や『ロスト・ワールド』(97)でリアルな恐竜を映像化していたので、その技術があれば可能だろうと。

実際、完成したエメリッヒ版のゴジラは、皆さんご存知のような造形で、まずは僕が観たかったものを見せてくれたことに対して、満足したのだった。
もっとも、実際に動き回る様を目の当たりにすると、想像していたとはいえ相当な違和感があったのは僕も同じこと。
だが、娯楽映画に徹した姿勢と、冒険活劇のようなデイヴィッド・アーノルドのスコア等々、これはこれでアリだと今でも思っている。


さて、今回のハリウッド版ゴジラだが、エメリッヒ版の例があったので、実際に作られるのかというのは半信半疑だった。
しかも、いくら『モンスターズ/地球外生命体』(10)の評価が高かったとはいえ、インディペンデント作品の次に、早々とビッグ・バジェットを任されたギャレス・エドワーズという監督の実力も果たしてどうなんだろうか、という懸念もあった。

しかし、完成した映画はプロデューサーに『ゴジラ対ヘドラ』(71)の監督、坂野義光氏が名前を連ねていることもさることながら、日本でのシリーズ、とりわけ1作目の『ゴジラ』(54)へのリスペクトも大きい快作に仕上がっていたのは大いに喜ぶべきところだ。


まず、本編を観て思ったのは、日本版の予告編の巧みさである。
本編ではゴジラの他に、MUTOなるオリジナル・キャラの怪獣が登場する(全体からいえば、MUTOの登場数のほうがゴジラよりも遥かに多い)。
この姿を日本版の予告編では一切見せなかった(海外では映像使われまくっているのに)。
これは快挙だ。
予告編で本編の見せ場を使ってしまうケースも多々ある昨今、配給会社としてはこれは一つの賭けだったかもしれない。
が、それによって観客は本編で初めてMUTOにご対面するサプライズという楽しみがあるわけで、この配給会社の粋な計らいには本編以上に心揺さぶられてしまった(実際は、レジェンダリーが東宝にMUTOの映像使用を許可しなかったのかもしれないけど・・・)。


それに倣って僕もストーリーは敢えてここでは触れない。
できれば未見の方は、できるだけ情報をシャットアウトして本編をご覧いただきたいからだ。
そのうえであくまで僕が感じたことを書くとするならば、まずは怪獣映画という娯楽的な要素よりも、パニック映画という印象が強かったこと。
無論、SFXの進化によるところも大きく、たとえば『クローバーフィールド』(08)を観た時も恐怖感が強かったが、今回のゴジラも同様。
特にゴジラが登場するまでのシークエンスのリアリティが生み出す恐怖感は、いままで観たゴジラ作品では味わえなかったものだ。

気になったのは、物語が多少硬かったか、というところ。
無論、それもリアリティ重視と1作目に対する監督のリスペクトであろう、核爆弾がもたらす放射能の脅威を盛り込んだからなのだが、そこはエメリッヒ版とは言わないまでも、もっと娯楽に徹しても良かったのではないかと思う。
前半で肉親の絆が濃厚に描かれているが、それが途中で雲消霧散してしまうのは、ストーリー展開上仕方のないことなのかもしれない。
ただ、SFXの技術が高いのはともかく、前半のドラマ部分の書き込みが本作の魅力かと思っただけに、これは少し残念だった。


だからといって、それらが本作に対する評価を貶めるものではない。
日本版のゴジラ同様、鈍重な動きを見せるゴジラに惚れ惚れしたし、溜めに溜め、ようやく登場したゴジラが放つ咆哮には心底痺れた。
またMUTOとの対決には童心に帰ってワクワクもした。
予想以上に登場時間の多かった渡辺謙の好演も満足いくものだったし、キャストでいえばジュリエット・ビノシュの起用は個人的に嬉しかった。
彼女は登場時間は多くはないけれど、けっこういい役を演じていて強い印象を残している。

間違いなく2014年サマームービーの本命であり、ぜひとも劇場の大スクリーンで堪能していただきたい一本である。

余談だが、僕はこの作品2Dと3Dの2バージョンを観た。
本作に惚れこんで・・・というのではなく(違うんかい!)、仕事帰りに2Dを観たわけだが連日の熱帯夜で睡眠もままならず、なんと、肝心のクライマックスの場面で睡魔が襲ってきて見逃してしまったのだ。
その際の落胆ときたら・・・。
我慢できず翌日、今度はIMAX3Dで、つまり2日続けて同じ作品を観た。
IMAX3Dはたしかに迫力はあるが、画面の隅々まで注目するとなると、2Dで観るほうが専用メガネじゃく肉眼なだけに見やすくお薦めである。
あくまで個人的な感覚であり感想だけれど。
2回観て、ようやく自分の中で完成した作品であり、つまり2回観ても鑑賞に十分耐える作品だったというわけだ。



ゴジラ2014コクナイバン
スコアを担当したのはアレクサンドル・デスプラ。
これまでアクション映画を担当したことがないわけでもなく、たとえば『ハリーポッター』シリーズの後半のエピソードのスコアも担当している。
しかし、彼の印象といえばどちらかというと人間ドラマにおける、エモーショナルなメロディだ。

記憶に新しいのは今年公開された『あなたを抱きしめる日まで』(13)。
デスプラといえば、この作品のような作風をまず連想してしまう。
そんな彼がゴジラのスコアを担当する、と最初に耳にした時は驚くとともに、いったいどんなスコアになるのだろう、と期待が高まったものだ。

出来上がったスコアは、怪獣がもつバーバリズム、パニック映画におけるパーカッショナルな響きも炸裂する好スコアjになっていた。
さらにはストーリー上重要になってくる日本の要素を和太鼓や尺八で表現するそのセンスに、伊福部でもなく、デイヴィッド・アーノルドでもなく、はたまたキース・エマーソンでもない、デスプラなりのゴジラを音楽で産み出したことに素直に感動した。

特にメインテーマのフレーズは、日本におけるTVスポットでも使われていて、オリジナル・スコアを強く印象付けるのに一役買っている。
先に書いた日本版予告編同様、本作に対する配給会社の姿勢には、まったくもって脱帽ものだ。


音楽面でいえば、ジェルジュ・リゲティの「アトモスフェール」が使われている場面があって、これもじつに効果的だった。
「アトモスフェール」といえば『2001年宇宙の旅』(68)で使われて有名になった現代音楽。
これがいきなり流れてきたのには驚いたとともに、映像との相乗効果により屈指の場面となっている。

なお、サントラCDは国内盤にはゴジラの咆哮がラストにボーナス・トラックとして収録。
それ以外のスコアについては国内盤、輸入盤ともに同じ内容だ。
ちなみにリゲティの「アトモスフェール」は未収録。

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