■『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』■(映画) 







ゲノムハザード
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イラストレーターの石神(西島秀俊)は、愛する妻(中村ゆり)と誕生日を過ごそうと帰宅するも彼女は部屋で何者かに殺害されていた。
と、そこに目の前で遺体となっている妻から「今夜は帰宅が遅くなる」という電話がかかってくる。

いったい、妻は誰に殺されたのか? そして電話の主は?

いささか「ドグラマグラ」的不条理なシチュエーションから始まる、ノン・ストップ・アクション・ミステリー。
いやぁ、ドキドキ・ワクワクするねぇ・・・と思ったら、ドキドキ・ワクワクしたのはこの冒頭のシチュエーションだけ。

なんせ、サブタイトルで若干のネタバレはしているし(笑)、ああ、この主人公はじつは天才科学者で、何者かの陰謀で別の人の記憶かなにかを植え付けられているのだな、で、そこに奥さんが巻き込まれたのだな、と、おおよその見当はつくってなもので。
じゃあ、この映画の面白さはその陰謀を暴くところなんだな、これまたサブタイトルにあるように5日間という期限のなかで・・・と、ここで物語の半分以上は理解できるというわけだが、これがなかなか一筋縄ではいかないシロモノだった。

いや、物語の大筋はそうなんだけれど、ちょいと捻りの効かせたストーリーで、よく観ていないと細かい部分は分かりづらいところもなきにしもあらず。
それ以上に、この映画の演出がわかりづらい物語をさらに難解というか、複雑にしてしまっている。

監督したのは韓国のキム・ソンス。
つまり、本作は日本と韓国の合作なわけで、こういった作品は過去にも幾つかあったが、いずれもどこか日本と韓国の空気感の違いで、珍作が多々生まれていた(『僕の彼女はサイボーグ』(08)とかね)。

思えば珍作中の珍作である『サヨナライツカ』の主演だった西島秀俊が今回も主役だという時点で、今回の映画も「そういう映画」だということを前もって気づいておくべきだった。
しかも、監督したキム・ソンスは、コン・サンウとユ・ジテが共演した『悲しき野獣』(06)を演出した人で、あの映画も相当「ヘンな映画」だったことを考えると、今回の映画を観終わって、「ああ、なるほどね・・・」と思う部分も多々あった。

ネタバレになるので、映画の肝心な部分については触れないが、たとえば、時間軸をやたらと捻じ曲げて演出する点が幾つかあって、これが映画を観慣れていない向きには「なにがなにやら」な事態となってくる。

たとえばクライマックスで、主人公が彼を追う謎の組織と車に同席しているが、次のシーンでは別の車に乗って組織から追われているという場面に切り替わる。
あれ? いつ車に乗り換えたの?
と思う間もなく、次のシーンではまた元のように車に同席している。
かと思いきや、また次のシーンでは別の車に乗ってカーチェイスをしている。
幾つかそんなシーンが続いて、ようやく主人公が他の車を奪って、組織から逃走するというシーンが出てくる。

たしかに、これも監督なりの演出法で、なんらかの効果を狙ったんだろうけど、とにかく観ていてイライラするのなんの。
こういう、「これってカッコいいだろ~~~」みたいな演出があちこちに出てきて、その都度観客をイライラさせた挙句に困惑させるのだ。

また、主人公と行動を共にすることになる、キム・ヒョジン演じる韓国人TVレポーター。
主人公があれこれ災難に遭って、この先僕はどうしたらいいんだ・・・と悩んでいると、ひょっこり彼の前に現れては、眉間に皺を寄せて、ギャアギャアわめいてくる(笑)

いったい、このキャラは何なんだ?
しかも、主人公がどこへ行っても、まるでくノ一かなにかのように普通にあらわれる。
彼女の体にはGPS機能でもあるのだろうか(実際、そんな設定はなかった)。
てっきり、彼女もいわゆる敵キャラなんだろうかと思ったが、まぁ、それは実際映画をご覧になればお分かりいただけるだろうが、正直「なんじゃこりゃ」みたいなキャラだった。

映画の大団円、すべての謎が解け(あいかわらずそこへ到達するまで、監督のヘンな演出は続くので、スッキリ感は相当低いけど)るのだが、またそこから延々クドいシチュエーションが・・・。
ゆえに、西島秀俊目当てに映画をご覧にになろうという向きには、それなりの覚悟が必要な2時間になるということだけは保証する。
中村ゆりと真木よう子目当てに観た僕が書いているのだから間違いない(笑)

なお、関西人、特に神戸に造詣の深い方には、この映画、神戸近辺でロケをしている(『僕の彼女はサイボーグ』(08)もそうだったなぁ)ので、見慣れた風景が幾つか出てくる。
それがせめてもの救いといえば救いだろうか・・・。


スコアを担当したのは川井憲次。

キム・ソンス監督の『悲しき野獣』も担当しているので、今回も続いての起用ということか。
メインテーマはエモーショナルなメロディで、これが後半よく流れてくるし、エンドクレジット(これがまたねぇ・・・監督の過剰演出というかなんというか・・・)にも、ダメ出しと言わんばかりに流れてくる。

けっこう耳に残るメロディで、これで映画自体がもうちょっと何とかなっていれば・・・。正直なところ音楽負けしている映画だった。
サントラがリリースされていないのがちょっと残念。




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