■『エンダーのゲーム』■(映画) 







エンダーノゲーム
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漢字で書くと「園田の遊戯」。
競馬で大穴当てるギャンブラーの話のようだが実際は全然違う(当たり前だ)。

ただ、予告編から受けるイメージで、この映画はこんな内容なんだな、と大体の予想をして本編を観ると、予想を覆すような作品に出合うこともしばしばある。
それが良い方だったら幸いだが、悪い方だと最悪だ。
ゆえに、映画を観るということは、ある種のギャンブルなのかもしれない。

『エンダーのゲーム』は、オースン・スコット・カードによるSF小説で、77年に短編小説として発表されたとのこと。

僕はまったくこの原作があるということは知らなかった。
映画公開に合わせてハヤカワ文庫から新訳版がリリース。
書店で見かけたそのカバーには、いかにもアニメアニメしたデザインのイラストがあしらわれていた。
てっきり、日本でアニメ化なりされているのかと思ったが、そうではなかったようで。
ただ、そのイラストのイメージと、予告編のイメージから、『スターシップ・トゥルーパーズ』のジュヴナイル版みたいな内容だと思っていた。

近未来、地球は昆虫型エイリアンの襲撃を受け、多数の被害者が出た。
政府は今後予想されるエイリアンの襲撃に備え、世界中から戦闘能力のある少年少女をスカウト。
宇宙ステーションで軍事訓練を推し進める。

その中の一人、主人公エンダーは軍事力に並々ならぬ才能を発揮。
同期の少年少女たちを出し抜いて、どんどん出世していく。
当然、風当りも強いので、彼に対して執拗にいやがらせを仕掛けてくる者もいる。
といったエピソードを交えつつ、エンダーの成長を描くという内容。

とにかく、この主人公がなかなか一筋縄ではいかないキャラで、華奢な体つきで人との争いを嫌うと見せかけて、じつは相当なやり手。
自分の思うことはズバズバ言うわ、上官にも平気でたてついたりする。
実際にいたら、ほんとにヤなタイプ。
しかし、これを演じるのが『ヒューゴの不思議な発明』(11)のエイサ・バターフィールドなので、妙に憎めない。
そんな擦れたキャラというのは、その後の日本のアニメに多大な影響を与えているということだが、そのあたりは得意分野じゃないので詳しく触れない。

物語のほとんどは、主人公たちの軍事訓練に費やされるので、いわゆるアクション映画というよりもドラマ性重視である。
ただ、敵であるエイリアンがほとんど登場しないわ、その襲撃で人類がどれだけの被害を被ったかという具体的な場面もほとんどない。
なので、観ているこちら側としては、登場する少年少女たちへの感情移入がしづらく、彼らがどういう使命や目的で軍事訓練をしているのかが曖昧で、なんだか戦争ごっこを延々見せられている気分になってくる。

予告編からはもっとライトな感覚の内容で、極悪なエイリアンに対して一致団結で戦っていこう、という勧善懲悪な物語かと思っていた。
が、敵の存在が曖昧なうえに大人顔負けの、そして妙にリアルな軍事訓練のシーンの連続を目の当たりにし、予想以上に好戦的で、まるで極右養成映画のような内容には正直面食らってしまった。

かような内容なのに、たとえば先に挙げたような文庫本の表紙のイラストであったり、日本語吹替え版の上映館数のほうが多かったりと、日本におけるこの映画の扱いはどこか低年齢層、もしくは若年齢層向けのような印象がある。
それに対して、たとえばどこかの団体から「この映画はけしからん」などという抗議があったのを、上映から約1カ月も過ぎた今の時点でも聞いたことがない。

どちらかとえば右寄りな僕だが、この映画を観た際に、これはおそらくなんらかの波紋は起こるだろうな、とは思ったが、それがまったくないというのも、かえって不気味だ。
『永遠の0』がヒット中の日本において、である。

つくづく、日本という国は不思議な国だ。


エンダーノゲーム
スコアを担当したのはスティーヴ・ジャブロンスキー。

RC一派の一人で、やはりというかどうしてもRC風なスコアに聴こえてしまう。

ただ、物語の内容自体、活劇とは縁遠いものなので、スコアも活劇調のスコアはほとんど聴かれない。
むしろ、主人公エンダーの内面を綴るようなダークなトーンのスコアで占められている。

映画ではエンダーの立ち位置(兄弟との確執)について、詳しく描かれていないので、なぜ彼が終始むくれっ面なのか、いまいち理解しがたい部分があるが、スコアはそれを補ってあまりある。

スコアもむくれっ面だが、隠し味的に響くチェロの音色が、エンダーの人間性を保っているかのようだ。

なお、国内盤には前園秀国氏の解説が添えられているとのこと。
嗚呼、国内盤を買えばよかった・・・(先走って輸入盤を買ってしまったので)。

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