■『TRICK 劇場版 ラストステージ』■ 







トリックゲキジョウバンラストステージ
【公式サイトはコチラ!!】

2000年にTVシリーズが始まった『TRICK』。
その後、新シリーズ、劇場版、TVドラマ特別版と幾つか作品が作られ、14年経った今年、とうとう完結編が劇場版として公開となった。

14年前、たまたまチャンネルを合わせてやっていたドラマが『TRICK』だった。
基本的にはミステリー仕立てだが、細かいギャグがふんだんに盛り込まれた内容、そしてそれまで共に二枚目を演じ続けていた阿部寛と仲間由紀恵のコメディアン、コメディエンヌぶりは衝撃的だった。

無論、ファンの一人となり、毎週の放送を楽しみにしていたし、いまとなっては当たり前のように乱発されているが、当時としてはまだ珍しかったTVドラマの劇場版公開も楽しんで観たものだ。

が、そんな僕でも続く劇場版2、3には正直辟易した。

もともとストーリーの面白さが魅力(毎回登場する超能力者のトリックを暴くという)だったはずなのに、回を重ねるごとにギャグや小ネタが肝心のストーリーを凌駕していく度合いが増していく。
それを目の当たりにして、いったい作り手は何をしたいのか、完全に方向性がブレてきているように感じたのだ。
特に劇場版2、3の本編もさることながら、それに続くエンドクレジットのダラダラ感は、いま考えても寒気が走るくらいにくだらないし・・・おぞましい。

さて、今回の完結編公開に合わせ、ドラマ版の特別編も先日放映されたが、これとて、劇場版2、3と同様、ストーリーよりも出演者の奇抜な演技とギャグ、小ネタの洪水で目も当てられなかった。
ストーリーは横溝正史の『犬神家の一族』をなぞっただけの陳腐このうえないものだった(大絶賛した『かぐや姫の物語』の主役を演じた朝倉あきが重要人物で出演していただけに、その無念さのほどといったら・・・)し、さらにはまたもやエンディングのダラダラ感。

もう、ホンマにええ加減にせぇよ!
という悪態をつきながらも、毎回観てしまうのは、一度ファンになった者の宿命か悲しい性か。

いや、そのダラダラした内容の映画やドラマを作る製作サイドに対して、惰性で映画(ドラマ)を作るなよ、と過去に批判した僕ではあったが、それを観るこちらも考えてみれば惰性じゃないか。
製作サイドも観る側も、惰性で成り立っている摩訶不思議なシリーズが、この『TRICK』なんだろう、なんて言葉で片づけるのも悲しすぎる・・・。

という、ダラダラした(笑)前置きになったが、そんな複雑な心境で、半ば惰性で今回の完結編を観た。

おや? これは少なくともここ数作でみられたダラダラ感は皆無とはいわないまでも、意外とストーリー重視の内容になってるじゃないか。

完結編ということもあり、海外ロケも敢行し(といっても『TRICK』なので、日本のどこかでロケしたんじゃないか? って最初は勘繰ったけれど)、製作サイドの力の入れようが伝わってくるというもの。
相変わらず、小ネタやギャグが多いが、どこか原点回帰のような印象を受けた。

先が読めてしまうストーリー自体には、もはやミステリー性は望むべくもないが、クライマックスは14年間の集大成ともいうべきある種のカタルシスが待ち受けている。
これにはファンであれば感銘を受けることは間違いないだろう。
スター・ウォーズのファンでもある僕が、『ジェダイの復讐』を観た時ほどの喪失感はないけれど、それでも一抹の寂しさが漂う仕上がりになっていた。
そしてもっとも危惧していたエンドクレジットとラスト・シークェンスも、今回ばかりはここ数作の「あんなていたらく」ではなく、ファンならば満足のいくものであったことを、「少なくとも」僕は保証する。



トリック
スコアを担当したのはTVシリーズから一貫して辻陽。

いまや聴けば誰もが知っているんじゃないかというくらいテーマ曲は浸透しているだろうが、映画音楽ファンからすればゴブリンの『サスペリア』の流用、とまではいわないが、酷似していることは周知のこと。

実際のところ、辻氏は『サスペリア』に対してリスペクトしたのか、もじったのか、そこのところは僕の調査不足(というほど大袈裟なものじゃないが)で詳細はわからない。

今回の完結編についてはサウンドトラックのリリースはなく、聴いたところこれまでのスコアを使用していたようだ。

そして、エンドクレジットでは定番、鬼束ちひろの「月光」が溜飲を下げてくれる。

トリック10シュウネン
サントラCDとしては通常盤と、2010年に10周年記念盤がリリースされている。








【amazon】※通常盤
【amazon】※10周年記念盤





コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://binsan67.jp/tb.php/356-65e6b57d