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■『ムード・インディゴ うたかたの日々』■(映画) 







ムードインディゴ
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コラン(ロマン・デュリス)はいわゆるお金持ちの青年。
何不自由なく人生を謳歌している彼だったが、唯一満たされていないのは恋人がいないこと。
しかし、ある日彼はついにクロエ(オドレイ・トトゥ)という女性と運命の出会いを果たす。
デートを重ね結婚にいたる。
幸せな日々を送る二人だったが、やがてクロエはある奇病にかかってしまう。
肺の中に蓮の種が迷い込んだのだ。
それが発芽するとともにクロエを激痛が襲う。
日々、衰弱していくクロエにコランはなすすべもない。
そして・・・。

毎回、奇抜な映像感覚で魅了してくれるミシェル・ゴンドリー監督の最新作は、ボリス・ヴィアンの「うたかたの日々」(「日々の泡」と訳される場合もあるとのこと)の映画化。
といっても、僕自身この原作は未読。
なので、物語の明暗が前半と後半でガラリと変わってしまうことを知らずにいた。

ゴンドリー監督の演出は、特に前半はシュールでポップな映像の洪水。
なにしろ、おそらく原作で書かれているだろう、あらゆる「比喩表現」をそのまま映像化しているのだから、ゴンドリー監督に免疫のない向きは相当に面食らうことだろう。

たとえば冒頭、主人公コランの頭の中には巨大なオフィスがあって、彼の思考はそのオフィスで働くタイピストが打ち出す文章から成り立っている、なんて描写が「当たり前」のように出てくる。
ほかにも水道の蛇口から巨大なウナギが出てきたり、コランの言葉を理解するネズミがネズミの衣装を着たミニミニなおっちゃんだったり(笑)、スケートリンクのアナウンサーが鳥だったり、ダンスをする人々の体がコンニャクのようにクネクネ湾曲したり、次から次へと繰り出されてくるシュールかつユニークな映像(それはVFXであったり、モデル・アニメーションであったり、あらゆる技術が駆使されている)からは片時も目が離せない。

とにかく、相当に奇抜な作りになっているので、その執拗さに好き嫌いは分かれるだろう。
しかし、この前半部分から一転して、物語が進むにつれ極彩色だった映像が次第にモノトーンへと色褪せていく。
そして、あまりにも現実的なクライマックス・・・。

形あるものは、いつかやがて消えゆく運命にある。

描かんとするテーマは簡単にいえばそういうことなのだろう。
だが、原作ともども物語は他にももっと深いものを抱えているように思う。
決して観終わった後の印象は爽やかとは言い難い。
しかし、観るたびに新しい発見を秘めているような、新たなカルト映画の誕生に立ち会ったような気分だ。

昨年(2013年)の秋に主要都市のミニ・シアターで上映された本作。
今回は僕の地元、奈良県はMOVIX橿原にて年が明けて1月に上映された。
通常版での上映だったが、一部の劇場では40分ほどの映像が追加された特別版での上映もあったとのこと。
いずれにせよ、このようなアート系の作品が地元の奈良でも鑑賞でき、じつにいい機会に恵まれた。
この年末年始は『ゼロ・グラビティ』といい『ブランカニエベス』といい、エキサイティングな映像感覚の作品に巡り合えて満足している。

なお、68年に同じ原作を映画化した作品があり、さらには2001年に利重剛監督が舞台を日本に置き換えた『クロエ』(永瀬正敏、ともさかりえ主演)を撮っている。
共に作品のことを知らなかったので、機会があれば合わせて観てみたい。



ムードインディゴ
スコアを担当したのはミュージシャンでもあるエティエンヌ・シャリー。

ゴンドリー監督とは一緒に音楽活動もしているそうだ。
劇中でも自身が歌うナンバーが、コランとクロエのデート・シーンで流れて、映画を盛り上げている。
スコアの一部にはかのポール・マッカトニーもベーシストとして参加している。

また、ヒロインの名前の元ネタであるデューク・エリントンの「クロエ」はもとより、同じくエリントンの「A列車で行こう」は映画のオープニングを飾る。
さすが、ミュージック・ビデオの監督からキャリアをスタートさせただけあって、ゴンドリー監督の映像と音楽のバランスは毎回エキサイティングだ。
また、エンドクレジットに流れるLoaneが歌うナンバーが個人的にはお気に入り。

サントラは既成曲とスコア、それぞれ別のディスクに収録された2枚組でリリース。
デジパック、ダブルジャケット仕様となっている。

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