FC2ブログ

■『永遠の0』■(映画) 







エイエンノゼロ
【公式サイトはコチラ!!】

ベストセラー小説の映画化ということで、様々なメディアで取り上げられている話題の一作。
この2014年の正月映画では興行成績はトップだという。

細かい部分まで作り込まれたストーリーの丁寧さは特筆ものだし、監督した山崎貴といえば白組によるSFXも今回もかなり高水準で迫力の映像を見せてくれる。

そして、SFXが派手だと肝心の物語がおろそかになってしまいがちなところを、山崎監督は脚本も担当しているので、彼の映画はなんというか安心して観ることができる(まぁ、過去にはヤマトなんたらかんたらって映画もあったけど(笑))。

ただ、その他の部分では特に意外性とか独創性というものは感じられなかった。
かつて特攻隊で命を落とした祖父の実像を追っていく孫の姿を通じて、戦争の悲惨さを訴えるというストーリーも、多少ミステリー的な要素はあるが、これとて斬新というものでもない。

じつはこの原作小説が若い世代によく読まれているというので、どこか奇をてらったようなそんな内容なのかと思っていた。
そもそも百田直樹氏の原作は読んだことがなかったし、どのような作品を書かれているのかもわからなかった(まぁ、関西ではそこそこ名のしれた人物ではあったけれど)。
今回の映画を観るかぎりでは、極めてオーソドックスな内容だったので、それがかえって意外だった。

物語に登場する特攻隊員の姿、つまり、戦時中であっても国のために命を捧げる、というのではなく自分の命を大切にしろと声高に叫ぶキャラクターは、現実に存在していた人をモデルにしているのか、それはわからない。
でも、いかにそのような教育が徹底していた時代とはいえ、自分の命を守ることが日本の未来を築いていくことになる、と考えた者がいないとは限らないし、口にしないだけで、心にそう思っていた方となると、相当おられたのではないかと思う。

この映画では、それを一人の人物の姿として描いてはいるが、先の戦争において程度の差はあれ、同じような境遇だったり、同じような考えを持っていた人は無数におられたことだろう。
そのような人々の礎の上に、いまの平和な時代が築かれているのだと、映画を観た人が感じ取ることができたなら、それでこの映画の役目は全うできたのではないかと思う。

そして、映画もさることながら、そんな物語が若い世代にも受け入れられているという現状に対して、深い感銘を受けた。



エイエンノゼロ
スコアは山崎監督とはずっとコンビを組んでいる佐藤直紀が担当。

ハリウッド大作に強い影響を受けているだろう佐藤氏のスコアなので、今回も相当に派手な鳴らし方、たとえば豊かなメロディで情感たっぷりに物語を謳いあげるかと思いきや、意外にもメインとなるのはストリングスをフィーチャーしたスリリングな旋律だった。

どちらかといえばサイドに回ったかのような立ち位置だ。

しかし、この映画は主人公のヒロイズムを讃えるという内容ではないし、また現在の平和を讃えるという内容でもない。
描かれるのは、未来の(つまり現在の)日本の礎になった名もなき人々のドラマだ。
しかも苦難と哀しみと恐怖に苛まれた人々のドラマであり、そこにヒロイズムはない。

時代の軋みが悲鳴を上げるかのような今回のスコアこそ、映画になくてはならないものであり、さすが監督と長い付き合いである佐藤氏ならではの仕事だったと思う。

【amazon】
【amazon MP-3】
【iTunes】



エイエンノゼロホタル
主題歌としてサザンオールスターズによる「蛍」(シングル:「ピースとハイライト」収録)がエンドクレジットに流れる。

このナンバーも佐藤氏のスコアとのバランスも良く、主題歌が浮くというような事態になっていなかったことが幸いだった。
(なお、サウンドトラックにはこの主題歌は未収録)



【amazon】




コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://binsan67.jp/tb.php/350-a8b791a1