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■『鑑定士と顔のない依頼人』■(映画) 







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ジュゼッペ・トルナトーレ監督の新作は、美術鑑定士を巡るミステリー。

ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は初老の域に達した美術鑑定士。
その審美眼は多くの美術愛好家から評価を得ており、高級な調度品が並ぶ自宅には、とある隠し部屋がある。
部屋の壁には無数の女性の肖像画で覆い尽くされており、物言わぬ彼女たちがヴァージルを優しく見つめている。
世間的に認められている彼も、実生活は極めて孤独(しかも未だ童貞)であり、彼にとって、肖像画の部屋にいることが無常の喜びという、まぁ、ちょっと普通じゃないキャラなわけだ。

そんなヴァージルにクレアと名乗る女性から美術鑑定の依頼が。
両親が亡くなり、遺品を売りたいのでその鑑定を、と。
クレアの屋敷に向かうヴァージルだったが、彼女はまったく姿を見せない。
やりとりは電話を通じてのみ。
最初は不審に思い警戒心と嫌悪感をあらわにするヴァージルだったが、何度かクレアとやりとりするうちに彼女に興味を持ってしまう。
そして、とうとうクレア(シルヴィア・フークス)の姿を目の当たりにするや、その若さと美貌にヴァージルは魅せられてしまうのだった。

え? これってミステリーじゃないの? どこがミステリーなの?
と、ここまでの展開ならば、年の離れた男女のロマンスで終わるお話だが、そうはいかないのがこの映画。

とにかく、ヴァージルとクレアはいい関係を築いていくのだが、そこから先は書けない、言えない。

ここにヴァージルの古くからの友人(ドナルド・サザーランド)や、知人の美術品修正師ロバート(ジム・スタージェス)などが物語に絡んでくる。
特に、若くてプレイボーイでもあるロバートに女性の付き合い方を指南してもらうヴァージルの姿に、なぜだかとても親近感を抱いてしまったのも哀しい話。
いやいや、僕はまだヴァージルほど歳を重ねてはいないけれど・・・ね。

さぁ、そこから物語は紆余曲折あってとんでもない事態がヴァージルを襲うことになる。
これには、少しでもヴァージルに親近感を抱いてしまった僕には、相当にキツいシチュエーションでもある。
まぁ、勘のいい方なら途中で結末わかっちゃうような展開ではあるけれど、そこまでのストーリーの持って行き方が巧い。

古い屋敷、美術品、美女、さらには記憶力が超人並みな小人症の女、自動人形といったミステリーを深める要素がてんこ盛りでじつに見飽きさせないつくりにはなっている。

ただ、ラストの主人公の行動には、はたして「それでいいの?」と思わず問うてみたくなるような描写にとどめている。
その分、観る側にとってはいろんな解釈ができるので、その手法もアリだとは思うが、多少消化不良な印象が残ってしまうのは否めない。

まぁ、普通に考えれば、偏屈な初老の男が、年の離れた若い女性と深い仲になるなんて、そんな都合のいい話は映画の中だけにしておくれ。
でもなぁ、ひょっとしたらそういう機会がないわけでもないよなぁ。
ラサール石井みたいなケースもあるからなぁ。
あかんあかん、そんなことをちょっとでも思ったら、この映画のヴァージルのような目に遭いますよ、といういささか自戒を促すようなそんな映画であった(なんで自戒やねん)。


カンテイニントカオノナイイライニン
トルナトーレといえば、スコアは名コンビであるエンニオ・モリコーネが担当。
今年85歳だが、まだまだスコア作りに対する意欲は衰えていないのは、本作のサントラを聴けばわかる。

映画の原題でもある「LA MIGLIORE OFFERTA」は、抒情的なメロディのスコアで、それを聴けばモリコーネだとわかるくらい。

本作の真骨頂は「VOLTI E FANTASMI」と題されたスコア。
モリコーネ作品ではお馴染み、エッダ・デロルソを筆頭に5人の女性コーラスで構成された、じつにオリジナリティあふれるサスペンスフルかつ幻惑的な1曲で、エンドクレジットで延々流れてくる。
モリコーネもそうだが、エッダもまだまだ健在だ。

サントラは伊WARNER より、紙ジャケット仕様。
ジャケットを開くと、ちょっと面白い仕掛けが施されている。
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