ビンさんの銀幕音楽堂・第621回(2013年12月21日放送分) 







【放送日:2013年12月21日 PM9:00オンエア】

・銀幕アラカルト:ビンさんが選ぶ、2013年度映画ベスト10!!(前編)


【第10位】 『中学生円山』(日本)   5月18日公開
チュウガクセイマルヤマ
今年は『あまちゃん』で、世の老若男女にもその名前が浸透した宮藤官九郎。
彼が4年ぶりに監督した映画は、とある目的のために体を柔らかくすることに没頭する中学生の日常を描いた一大ファンタジー巨編。

まぁ、中学男子が考えることって、たいがい「シモの方」の事が多くて、この円山クンもそんな極々平均的な男の子。
しかし、妄想癖は人一倍。
そんな彼の周囲で奇奇怪怪な出来事が起こる。

これまで宮藤官九郎の作品って、正直あまり好きじゃなかったが、この映画は笑いとペーソス、そしてクライマックスにおける円山クンの大活躍が引き起こすカタルシスに思わず感動。
『あまちゃん』もよかったが、より好きな作品だった。

チュウガクセイマルヤマ
♪ 「中学生円山のテーマ」 co:向井秀徳 ♪

宮藤官九郎作品ではお馴染み、向井秀徳によるスコア。
特にエンドクレジットに流れるテーマ曲の珍奇なこと(笑)

観終わった後に思わず、
♪まるや~~~まっ!♪
とくちずさんでしまったくらいにインパクト大な1曲。

サントラはダウンロードのみで全6曲からなるミニ・アルバム。


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【第9位】 『はじまりのみち』(日本)   6月1日公開
ハジマリノミチ
今年は松竹の一時代を築いた、木下恵介監督生誕100年プロジェクトが発足され、さまざまな催し物が企画された。
そのなかの一つがこの映画。
かの原恵一監督による初の実写映画ということでも話題となった。

映画監督としてのプライド、母親への愛情などなど、琴線に触れる要素が詰め込まれた秀作。

木下監督を演じた加瀬亮、その兄を演じたユースケ・サンタマリア、あらゆる映画の美味しいところをさらっていく(笑)濱田岳、そして木下監督の母を演じた田中裕子と、出演者の熱演も忘れられない。

もっとも、本当の意味で美味しいところをさらっていったのは、物語のキーとなる、木下監督が撮った『陸軍』(44)のラストシーンをノーカットで見せてくれる部分と、同じく数々の木下作品の名場面をつなぎあわせたクライマックス・シーンだった。

ハジマリノミチマッスグナココロ
♪ 「まっすぐな心」 vo:池田綾子 ♪

メインテーマの美しさ、そしてそのバリエーションでクライマックス(木下作品のダイジェスト場面)を彩るスコアに聞き入ってしまった。

スコア担当は、昨年『わが母の記』で最年少で日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞した富貴晴美。

残念ながら本作のサントラはリリースされなかったが、エンドクレジットに流れるエンディング・テーマ「まっすぐな心」は、シンガーソングライター池田綾子のアルバム『この時の中で』に収録されている。

メインテーマのメロディにスキャットによるコーラスがフィーチャーされた、心に染み入る名曲だ。


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【第8位】 『さよなら渓谷』(日本)   6月22日公開
サヨナラケイコク
ある一組の夫婦と、その夫婦に隠された秘密を探る新聞記者。
この3人が織りなす人間の業を深くえぐったミステリー風の人間ドラマ。

その肝心な「秘密」についてネタバレしているキャッチコピーが物議を醸した。
ただ、事前にその「秘密」がわかっていても映画に対する興味は削がれることはない。
逆に、登場人物に深く入り込んでいける。

まぁ、それでもネタバレしないにこしたことはないけれど・・・。

とにかく、本作での真木よう子は絶品。
今年は『そして父になる』の演技も印象深かったが、本作での彼女は壮絶なまでに女優魂が炸裂している。

サヨナラケイコクサイサキザカ
♪ 「幸先坂」 vo:真木よう子 ♪

熱演だけでなく、本作では歌手デビューまでこなした真木よう子。

エンドクレジットに流れる、彼女のヴォーカルがさらに映画の余韻を深めることとなった。

作詞・作曲は椎名林檎。
真木よう子とは知人という間柄でもあって、今回のヴォーカル担当抜擢が決まったとのこと。

PV収録のDVDも付属のシングルCDは、タワーレコード限定とのことだが、amazonでも扱っている。


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【第7位】 『クロニクル』(アメリカ)   9月27日公開
クロニクル
3人の高校生がひょんなことから超能力を身につけてしまう。
それがきっかけで思いもよらない事態に発展していく姿を、ファウンド・フッテージの方式で描いたSF映画。

特に3人のうち、もっとも能力の強い主人公は、内気な性格で学校ではイジメに遭い、家ではアルコール依存症の父に暴力を振るわれ、母は重病で寝たきりという毎日を送っている。
そんな彼の唯一の趣味はビデオカメラで身の回りのことを映像に収めること。

その映像をつなぎ合わせた記録映画というのが本作の基本設定。
だが、その映像は物語が進むにつれ、主人公が巻き起こす騒動を捉えたニュース映像へとスライドしていく。
カタルシスを呼び起こすクライマックスがたまらない。

ここ数年、ファウンド・フッテージやPOVといった手法で疑似ドキュメンタリーな映画が数多く作られているが、本作はそんな中でも画期的な手法をとっており、このジャンルの可能性の広さを示してくれた。

ちなみに脚本を書いたマックス・ランディスは、かのジョン・ランディスの息子である。

クロニクル
♪ 「This Bright Flash」 vo:M83 ♪

本作にはスコアは流れない。
あくまで記録映像をつなぎ合わせたという設定なので。

ただ、たとえばクラブのシーンなどで流れる楽曲を集めたソング・コンピレーション・アルバムはリリースされている。

『オブリビオン』のスコアも担当したM83による、「This Bright Flash」は、エンドクレジットに流れる印象深いナンバー。


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【第6位】 『グランド・イリュージョン』(アメリカ:フランス)   10月25日公開
グランドイリュージョン
4人の手品師が巻き起こす奇想天外な物語。
ラスベガスでショーを行うその同時刻に、パリの銀行から大金を強奪することをやってのける。
それはいったい、どのようにして行うことが可能だったのか。

ってなことから始まって、とにかく観客をダマすわダマすわ(笑)
しかし、そのダマされる快感を味わえる第一級のエンターテインメント作品である。

4人の手品師を追うFBIとインターポールとの丁々発止も描かれて、最後の最後まで飽きさせない。
ほんとに観終って素直に「面白かった!」と思わせてくれた快作。

グランドイリュージョン
♪ 「Now You See Me」 co:ブライアン・タイラー ♪

スコア担当はブライアン・タイラー。
彼自身がドラムを叩いてスコアを収録している姿は、YouTubeなどでもアップされていた。

サントラもリリースされてはいるが、ダウンロードのみ。
しかも、日本ではダウンロードできない状況となっている。

最近、こういったパターンでのリリースというのが、いくつか見受けられる。
なぜ、アメリカ本国じゃないとダウンロードはダメなんだろうか?
納得いく説明を・・・キャロライン大使にでも説明を乞いたいところだ。




そのほか、番組にチケット提供していただいてます、MOVIX橿原さんの上映情報など。


以上のラインナップでお送りいたします。



奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時

コミュニティFMですので、奈良県内だとカーラジオならたいてい聴取可能なのですが、自宅となると限られた地域しかクリアに聴けません。
もし、聴取可能だよ~、という地域にお住まいであれば聴いていただけるとありがたいです。
聴けない方には、雰囲気だけでもお伝えすべく、ここに放送内容をUPしておきます。

番組では、MOVIX橿原のペア・チケットをプレゼント中!
ご希望の方は、上のリンク先より当番組宛に番組の感想、リクエスト、映画に関連することならなんでもメール、FAX、受け付けております。
いただいた方には全国のMOVIXで使用できる(できれば地元、MOVIX橿原で使用していただきたい・・・)ペア・チケットをお送りいたします。



《裏ばなし》

本業が忙しく、番組オンエア後の内容アップとなりました。

今回は年末恒例、「ビンさんが選ぶ、2013年度映画ベスト10!!」の前編です。

2012年12月1日~2013年11月30日の間に公開された作品を対象に、全部で111本観た作品の中から厳選した10本を発表。

今回は前編、第10位~第6位までをお送りしまして、次週、今年最後のオンエアで残りのベスト5を発表するという流れになっています。


なお、オープニング・テーマはジョン・ウィリアムズ指揮、ボストン・ポップス・オーケストラの演奏による、「ハリウッド万歳!」。
日本テレビ系の「世界まる見え!テレビ特捜部」でもオープニング・テーマとして使っているといえばわかりやすいか。

そして、各作品の解説のBGMにはエンニオ・モリコーネによる『ルーブル美術館』(85)から、「ベネツィアの祝祭」を使っております。


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