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◆『映画クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』◆(DVD) 

クレヨンシンチャンアラシヲヨブアッパレセンゴクダイカッセン

『BALLAD 名もなき恋のうた』の公開をひかえ、その前に原作である「クレヨンしんちゃん」の劇場版である本作を観ておいたほうがよいでしょ、ってことでレンタルショップにて借りてきましたですよ。

そもそも、「クレヨンしんちゃん」って、劇場版は一作も観たことがなかったし、TVシリーズもたった2話くらいしか観ておりません。両親を呼び捨てにするようなクソガキ、もとい、ガキンチョ、もとい、お子ちゃまという設定がどうも気に食わねぇ、という思いもありましたのでね(笑)
しかし、2年前に僕の涙腺を猛攻撃してきたあの『河童のクゥと夏休み』の原恵一監督の作品ということもありますし、とりわけ公開当時は様々な賞も獲っている作品となれば、それなりの期待もしていたわけで・・・。

いやぁ、聞きしに勝る傑作でした!!

たとえばタイムスリップの驚くほど簡素な描写であるとか、現代から来たしんちゃんたちをすんなり受け入れる戦国時代の人々とか、本来なら時間を割きがちなシークエンスを思いっきり簡略化することで、作り手が描きたかった部分を浮き彫りにしているところが巧いですねぇ。
もちろん、懸念していたキャラクターのアクの強さ(それが「クレヨンしんちゃん」という作品の魅力なのだけれど)はともかく、笑いとペーソスあふれるストーリーのなかで展開される、深い深い人間ドラマに思わず涙・・・。

とりわけ、「人の死」に対する扱い方には、本作のターゲットが幼少の年齢層ということも考えるに、これほど崇高な情操教育の教材はないのではないか、と思うくらい真摯であり、そしてそれが「クレヨンしんちゃん」というシリーズのなかで描かれることに大きな意味があるんですよね。
あえて詳細な部分には触れませんが、本作を観るお子ちゃまの代弁者でもあるしんちゃんの、「人の死」に対するストーリーの前半とクライマックスにおける感情の違い。このあたりがしっかりと描かれているところが、本作が傑作といわれる所以なのでしょう。

不思議な出来事を通じてしんちゃんがどのように成長したのか、あるいは彼にどのような感情の変化が訪れたのか、それさえも敢えて明確に描かずにエンドとなるあたりの潔さも、作り手からテーマを押し付けるのではなく、観た者それぞれに考えてもらおうという部分においてもじつに優れた作品だと思いました。

そしてなにより嬉しかったのは、戦国時代という時代設定のなかにおける描写、特に中世の平山城の描かれ方には思わずうなってしまいました。
だいたい、戦国時代を扱った映画にしろドラマにしろ、城が登場する場合は天守閣をいただく巨大な城郭か、あるいは木の柵を巡らせた簡素な砦というのがほとんどのパターン。
もちろん、予算の関係やロケやセットの都合でそうならざるを得ないのは仕方のないことですが、そこを本作ではアニメという「利」を活かして存分に平山城を映像化してくれているのがじつに嬉しい。

僕の住む奈良県内にも戦国時代に無数の城郭があり、中学生の頃から郷土史に興味を持っていた身としては、特に家のそばにあったとされる城郭など、現存する資料などから当時の姿を自分なりに想像しておりましたが、驚いたことにそれなんて本作に登場する「春日城」そのまんまなんです。

いやぁ、それを映像で目の当りにして思わず鳥肌が立ってしまいましたよ!

本作を観て、これを実写化できるのであれば、それだけでもう今年観た映画のベスト1にしてもいいんじゃないか、って、まだ『BALLAD~』を観ないうちから確信してしまうほどに、「よくできた」アニメでした。

とにかく、「食わず嫌い」はいかんなぁ、と痛感したのはもとより、今度はさらに傑作の誉れ高い『映画版クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(01)も観なくちゃいかんなぁ、と思いましたとさ。

【採点:100点中90点】


※設定資料はもとより、オープニングのモデル・アニメーションのノン・クレジットバージョンも収録されたDVDはコチラ。


※2年前の夏、僕の涙腺を猛攻撃した日本製アニメの個人的ベスト1作品。

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