■『007 スカイフォール』■(映画) 







007スカイフォール
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シリーズ23作目、そして50周年記念作品と相成った本作、いきなり音楽面のことから書けば、連続登板だったデイヴィッド・アーノルドがロンドン五輪の仕事で多忙だったため降板になったのはまず残念なニュースだった。

監督がサム・メンデスということもあって、すでに独自の映像スタイルを持っている監督ながら、アクション映画となるとどうなんでしょ?(ハリウッド版「子連れ狼」な『ロード・トゥ・パーデション』(02)ですでにアクション映画を撮っているとはいえ・・・)とか、彼が監督となると必然的にスコアはトーマス・ニューマンになるわけで、じゃあ、彼が「007」の音楽を書くとなると、これまたどうなんだろうなぁ、とかいろいろ不安要素はあった。

しかし、本作はダニエル・クレイグがジェームズ・ボンドを演じた過去の2作品と比較しても引けを取らないばかりか、3作中もっとも見ごたえのある、且つまごうことなき「007」映画に仕上がっていたのはまず大いに喜ぶべきところ。

考えてみれば、前作『~慰めの報酬』(08)だって監督はアクション監督とは言い難いマーク・フォースターだったけれど、結果的に出来上がった映画は見事に「007」映画になっていたわけで、あらためて僕自身のモノを見る目の甘さを大いに通関した次第・・・。


おや? と思わせるオープニングに連なるアヴァン・タイトルにおける息をもつかせぬアクション・シーン、そして目にも鮮やかなオープニング・タイトルと、007史上初のバック・コーラスを伴ったアデルによる主題歌との見事なマッチング。

さらには今回の悪役ハビエル・バルデムの嬉々とした演技も、観る者の興奮を大いにあおるし、レイフ・ファインズや大御所アルバート・フィニーの起用も映画ファンには嬉しいところ。

さらには長崎の軍艦島をモデルとしたセット(エンドクレジットの漢字表記は後で書き足したような感がなくもなかったけど)や、多彩なロケーションの美しさ(特に後半のスコットランドの荒涼とした風景には息を呑んだ)、そしてアストン・マーティン登場にかぶさるモンティ・ノーマンのあの有名なテーマ曲等々、「007」シリーズには欠かせない魅力もあますところなく盛り込まれていて、そのあたりの満足度も高い。

また、娯楽映画としてのサービス精神も旺盛で、途中に登場する「怪獣」も「007」という映画のイメージを損なわない程度の扱いでじつに楽しい。


いや、この映画の面白さや素晴らしさについては、もっともっと書きたいのだけど、ことごとく未見の方の楽しみを奪いかねないので、このあたりで自主規制させていただく。
でも、ご覧になった方ならば、その自主規制がいかに耐え難いものか(笑)は、お判りいただけるだろう。

もちろん、プラス面ばかりでパーフェクト! というわけではなく、たとえばシルヴァ(ハビエル・バルデム)がM(ジュディ・デンチ)を憎む理由についての説得力が弱いとか、女優の扱いの薄さとか(本作での本当の意味でのボンド・ガールは、「あの人」なんだけれど)、気になった部分もなくはないが、そんなものは見事なまでの大団円を見せられた今となっては取るに足らないこと。

いみじくも劇中でボンドが言う「世代交代か」のセリフを噛みしめつつ、50年というひとつの区切りを迎えたシリーズを大いに讃えるとともに、これからも続いていくだろうストーリーに多大な期待を寄せるにあまりある快作だった。必見!!


007スカイフォール
さて、スコアを担当したのは先述のとおり、サム・メンデス監督の常連、トーマス・ニューマン。

父親にアルフレッド、兄がデイヴィッド、叔父がライオネル、その息子がランディ(つまり従兄弟)という、いわゆる映画音楽作曲家ニューマン一家のひとり。
父親のクラシカルな作風とは違い、どちらかといえばミニマル・ミュージックであったり、打ち込み系のメロディが特徴といえるかもしれない。
決して嫌いな作曲家ではないが、これまでのジョン・バリーの後継者のようなスコアで自己主張を続けてきたデイヴィウッド・アーノルドに比べれば、線が細い印象が否めず、今回のスコアは大丈夫なんだろうか・・・と正直危惧していたのは、冒頭にも少し触れたとおり。

しかし、確かに彼特有のミニマル・ミュージックのスタイルも取り込みつつ、しっかり「ジェームズ・ボンドのテーマ」のメロディを隠し味として使っているところに、これまた本作全体から得た「サービス精神旺盛」な印象をスコアからも受けたことは嬉しいことだった。
ジョン・バリーでもデイヴィッド・アーノルドでもなく、トーマス・ニューマンならではのオリジナリティを鳴らしながらも、しっかり「007」のスコアになっている。そのさじ加減には相当に苦労したことと思う。


007スカイフォールアデル
ただ、やっぱりこれだけは触れておきたいのは、主題歌にトーマス・ニューマンがノー・タッチだったこと。
アデルが唄う今回のテーマ曲は、これまた「007」の世界観を損なうことのないドラマティックなバラードになっていて、特にバック・コーラスがクライマックスを盛り上げるというナンバーは、「007」史上初。

聴きごたえ十分なれど、やはり随所にこのメロディが流れてほしかった(サントラでいえば1曲だけ、主題歌のメロディをアレンジしたものが流れる)し、今回は物語の関係上、必要なかったのかもしれないが、いわゆる「愛のテーマ」にあたるメロディも無いに等しい。
エンドクレジットに流れるスコアも、ここにそういう感じのものを持ってくるか? と正直違和感は拭えなかったけれど、これはこれで長いシリーズのなかでの異色な試み、ということなのかもしれない。

いずれにせよ、今回のトーマス・ニューマンの起用は映画としてもプラスだったし、それを考えれば今後のシリーズにおいても、デイヴィッド・アーノルドだけではなく、他の作曲家にも門戸が開かれていることがわかったわけだから、そういう意味でも今後のシリーズが大いに楽しみになった。


〖シネマサンシャイン大和郡山:IMAXシアターにて鑑賞〗




※本作のサントラ。
スコア担当はトーマス・ニューマン。

ライナーノートは賀来タクト氏が担当。
ただし、本編鑑賞前に書かれたようで、どこでどのスコアが使われているか、というところまでは言及されておらず。

国内盤にはボーナス・トラック1曲収録。
ただし、正直どうっていうことのないスコアだったりする。

アデルが唄う主題歌は未収録なので注意。

ダウンロード販売あり。

Skyfall - トーマス・ニューマン


※アデルが唄う主題歌。

サントラには収録されておらず、このナンバーだけのマキシ・シングルでのリリースとなる。
『~カジノ・ロワイヤル』の時と同じパターン。

昔からのシリーズのファンとしては、スコアと主題歌が別々にリリースされるのは、レコード会社の事情もあるのだろうが、とても複雑。

ダウンロード販売もあり。

Skyfall - Single - ADELE



※シリーズ50周年記念ブルーレイBOX。

そのボリュームと価格に一瞬たじろいでしまうものの、よくよく考えれば1作品1000円少々。
案外お買い得価格なのかもしれない。

amazonで購入すると先着購入者に特製キーチェーンがプレゼントされるとのこと。








※シリーズ50周年記念トランプ。

シリアル・ナンバー入りの世界5000個限定品。

これでポーカーなんぞをすれば、気分はル・シッフェル(じゃ、ダメでしょ)。










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