ビンさんの銀幕音楽堂・第518回(2011年12月24日放送分) 


【放送日:2011年12月24日 PM9:00オンエア】

・銀幕アラカルト:ビンさんが選ぶ2011年度肌に合わなかった映画ベスト10

そのほか、番組にチケット提供していただいてます、MOVIX橿原さんの上映情報など。


以上のラインナップでお送りいたします。


奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時

コミュニティFMですので、奈良県内だとカーラジオならたいてい聴取可能なのですが、自宅となると限られた地域しかクリアに聴けません。
もし、聴取可能だよ~、という地域にお住まいであれば聴いていただけるとありがたいです。
聴けない方には、雰囲気だけでもお伝えすべく、ここに放送内容をUPしておきます。

番組では、MOVIX橿原のペア・チケットをプレゼント中!
ご希望の方は、上のリンク先より当番組宛に番組の感想、リクエスト、映画に関連することならなんでもメール、FAX、受け付けております。
いただいた方には全国のMOVIXで使用できる(できれば地元、MOVIX橿原で使用していただきたい・・・)ペア・チケットをお送りいたします。



《裏ばなし》

今週は毎年恒例、「ビンさんが選ぶ2011年度肌に合わなかった映画ベスト10」をお送りいたします。

常々申していることですが、「肌に合わなかった映画」という表現について一言。

俗に「ワースト映画」なんてことを申しますが、僕はこの「ワースト」という言葉を使いたくない。

誰もはなっから「ワースト映画」を作ろうと思っている作り手なんていない。
その映画を観た時の自分の体調であったり、状況であったり、それが映画そのものの印象を左右していることも大きいと思うのです。

だから、僕にとっては「ダメだったなぁ」、と思う映画でも他の方にとっては「良かった!」ということもあるわけで、それが映画の奥深さでもあり、映画そのものの面白さなんじゃないか。

また、はなっから「これはダメだろう」と思って映画を観る方もおられないでしょう。
けっして安くはない料金を払って、その映画を「面白い」と思って観に行ったところ、そうでもなかったなぁ・・・というのは、自分自身の審美眼がなかったといわざるをえない。

だから僕は「金返せ!」なんて、これまで一度も思ったことはございません。
(すみません、ウソです・・・)

ま、とにかく、毎年、年末にこの「肌に合わなかった映画」を10本挙げるのは、自分自身への審美眼に対する戒めでもあり、また映画に対する興味への再確認でもあるのです。


と、グダグダ書いてはいますが、結局のところ自分にとって「ダメダメだったなぁ」な映画なわけで(笑)、番組ではなぜ「ダメダメ」だったのかを喋らせてもらっております。

アマゾンノハラサキゾク
で、毎年、この回のテーマ曲としてオープニングを飾るのが、『アマゾンの腹裂き族』(77)(別名:『猟奇変態地獄』)の主題歌、「Make Love On The Wing」。

映画自体は知る人ぞ知る、イタリアの職人監督ジョー・ダマトによる最低最悪映画の誉れ高い(?)一品で、まぁ、アマゾンの奥地にそういう部族がいるんだってね、コワいよね、ってな内容。


これを「肌に合わなかった映画」のテーマ曲として使っているのは、「腹を割って話しましょう」という僕の姿勢を表現せんがためです。


ま、当日はクリスマス・イヴということもあり、気楽に聴いていただければ幸いでございます。


なお、内容については放送オンエア後にアップいたします。

毎年そうなんですけど、1時間の放送のなかで、最も流れる音楽曲数が少なくてどうもすみませぬ。
今年なんて、全曲フルで流しているのはたった1曲ですから・・・。


※※※ さて、オンエアも無事終りましたので、肌に合わなかったベスト10、アップさせていただきます。※※※

【第10位】:『アンチクライスト』(2月26日公開)
アンチクライスト
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デンマークの奇才、ラース・フォン・トリアーの作品。

毎回エキセントリックな作風がセンセーショナルを巻き起こすトリアー作品、今回も多分にもれず相当にセンセーショナルでした。
なんせ、タイトルからして「反キリスト」ですからねぇ・・・。
ただ、センセーショナルはともかく、それから派生するスキャンダラスなほうがクローズアップされた感があって、それはなにも映画を宣伝するほうの責任だけじゃなく、トリアー監督の姿勢にもいえること。

結局、観終わってもグロテスクな部分ばかりが印象に残ってしまい、ウィレム・デフォー、シャーロット・ゲンズブールの熱演もかすんでしまうことになったのは、相当に残念なことではあります。

当初、日本公開が危ぶまれていた作品ですが、画面に幾つかs修正を入れることで一般公開にこじつけたことは、配給会社の努力の賜物でしょう。
ただ、その修正の向こう側にあるものが、物語上の重要な要素となれば話は別。
結果、日本の劇場で上映されたものは、映画としては「不完全」であり、それに対して正しい評価などできようはずもございません。

もともとトリアー作品は興味深く観てきた僕としては、期待があまりに大きすぎたのかもしれませんねぇ・・・。

《テアトル梅田にて鑑賞》



【第9位】:『あしたのジョー』(2月11日公開)
アシタノジョー
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あまりにも有名な劇画を曽利文彦監督が実写映画化。

意外と原作に忠実に映画化されていて、それはそれでいいのですが、映画化することへの付加価値がまったく感じられませんでした。
まぁ、作り手としては無難な道を選んだ(香川照之の丹下段平のメーキャップに顕著)というところなんでしょうけど、はたしてそれでいいんだろうか? という疑問がグルグル頭の中を駆け巡った一作。

まぁ、冒険している点といえば、白木葉子をバタ臭い雰囲気プンプン(あ、これはあくまで彼女への賛辞です)の香理奈でキャスティングしたところでしょうかね。

《MOVIX八尾にて鑑賞》



【第8位】:『わさお』(3月5日公開)
ワサオ
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ブサカワ犬で一世風靡した、わさお君がわさお君自身を演じるという、おそらくは映画史上初の試みであったろう、画期的な一作。

が、演技らしい演技をしないわさお君(じっと突っ立ってたいり、じっと座っていたり)はもとより、ストーリー自体にもいささか無理のあるもので、動物人気に当て込んで数多く作られた動物(特に犬が主役)もののなかで、多少人気が過剰してしまった印象が残りました。

結局、わさお君だけのストーリーじゃ2時間近くもたないので、まったく関係のないサイドストーリーを挿入したり、トンボが飛んでいるなどの自然の風景をあちこちに挟み込んでの「水増し」映画。

というか、犬一匹にスタッフが振り回されている姿が見えるようで、それがなんとも悲しゅうございました。

《TOHOシネマズ橿原にて鑑賞》



【第7位】:『ハウスメイド』(8月27日公開)
ハウスメイド
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一時期に較べると一般的な映画館で韓国映画が上映される本数は少なくなりましたが、そんななかでもおしなべて質の高い作品が公開されるのは嬉しいことです。

さて、昨年のベスト10にも推した『母なる証明』を超える衝撃のラストという宣伝文句、これに思いっきり興味をひかれましてドキドキ・ワクワクしながら映画館へ行ったのですが・・・なんだありゃ?

冒頭のシークエンスも、いったいそれがそのあとのドラマにどう影響してくるのかよくわからない。

エロティック・サスペンスというスタイルで、どちらかというとエロ8割、サスペンス2割といったところ。
このエロティックな部分は相当にねちっこく描かれているので、そっちのほうに興味のある向きには満足度高し、といえるでしょうが・・・。

《TOHOシネマズ橿原にて鑑賞》



【第6位】:『シャンハイ』(8月20日公開)
シャンハイ
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太平洋戦争前夜の上海を舞台に、幾人もの男女の姿が交錯するクライム・サスペンス。

予告編を観る限り、戦争がからんだ一大スペクタクルのような様相を呈していますが、フタを開けてみれば一人の日本人女性(菊池凛子)を巡る痴話話でした・・・。

ってなわけで、映画が進むにつれスケール感もどんどん尻すぼみ・・・。

渡辺謙、菊池凛子の扱いに、ハリウッドにおける日本人の扱いって、まだこんな状態なのかい、と時代遅れな印象も受けましたが、それは物語の時代背景を考えれば致し方ないか。

同じ監督の作品では、今年は『ザ・ライト エクソシストの真実』の公開もありましたが、あちらはけっこう見せてくれる仕上がりだったんですけどねえ・・・。

《MOVIX橿原にて鑑賞》



【第5位】:『ノルウェイの森』(2010年12月11日公開)
ノルウェイノモリ1
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村上春樹の世界的ベストセラーを、ベトナム人監督、トラン・アン・ユンが映画化。

原作が流行った頃は、これを読まないと女性にモテないよ、と当時の同僚が言ってたものですが、僕自身は村上春樹ってまったく興味もなかったし、まぁ、当時はお付き合いしている女性もおりましたのでね。

ま、それはともかく、思わず赤面してしまうようなセリフが、しかもヒロインの口からポンポン飛び出すような、平たくいえばエロ映画な内容に、これのどこが女性に受けた(原作が)のか頭の中にはクエスチョン・マークが何個も点灯してしまった次第。

エロいし暗いし救いのない映画なれど、主演が松山ケンイチってだけで、かろうじて「観れる」映画になってたんじゃないのぉ・・・と。

ジョニー・グリーンウッドが書いたスコアは、けっこう聴きものでしたけどね。

《TOHOシネマズ橿原にて鑑賞》



【第4位】:『朱花の月』(9月3日公開)
ハネズノツキ
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わが奈良県が生んだ映画監督河瀬直美の最新作。

奈良県人としては、彼女の作品は応援したいのはやまやまなれど、どうも「肌に合わない」んです。
これは生理的なものだから仕方がない。理屈じゃないんです。

でも、新作ができたとなると、どのような作品なのか興味があるのは事実であり、今回も観に行ったわけですが、やっぱりいつもどおりの河瀬直美映画になっていました。
ま、あの映像感覚、空気、その他諸々が好きな方にとってはそれが安心できるんでしょうけどね。

明日香村を舞台に、1人の女性と2人の男性の三角関係が描かれていきます。
物語自体はかなりドロドロしているのに、そこは河瀬マジック、いつもながらのドキュメンタリー・タッチで淡々と描いていくのですが、そこに何十年も前のエピソードを絡めたり、万葉集から引用した大和三山を三角関係の象徴としたイメージ映像を挿入したりして、一筋縄ではいかないつくりになっています。

大和三山云々については、岩室に眠る古代人のショットが登場するんですけど、あれってどうみても折口信夫の「死者の書」のイメージに酷似。でも、河瀬監督は「死者の書」にはまったく言及されていないので、偶然なのかもしれませんが・・・んなこたぁないだろう。
いみじくも劇中には二上山のショットも登場するし、河瀬監督が「死者の書」を知らないとは到底思えない。
いっそのこと、彼女の演出で「死者の書」を映画化してくれないかな。

結局、物語の結末も明確なものがないまま、「はぁ?」ってな感じで終るのもいつもどおりでしたなぁ。

《TOHOシネマズ橿原にて鑑賞》



【第3位】:『ラビットホラー3D』(9月17日公開)
ラビットホラー3D
【公式サイトはコチラ!】

今年も数多くの3D映画が公開されまして、映画会社もやたらと3D人気をあおってらっしゃるようですが、正直僕の周りではどちらかというと3Dよりも2Dのほうがいい、という声をよく聞きます。

通常料金よりも余計にお金を払って観るわけですから、それに見合うだけのものを要求してしまうのは誰しも同じでしょう。
ま、作品によりけりだとは思うんですけど、昨今のなにからなにまで3Dにしてしまう風潮において、単に収益アップを狙っただけなんじゃないのか、という映画があるのも事実なわけで。

そんななか、この映画は3D映画用に開発されたカメラを使用したということでも、他の3D映画とはちょっと違うところをうたってらっしゃいました。
しかも監督は『呪怨』の清水崇だし、撮影監督はクリストファー・ドイル、そして主演は満島ひかりとあっちゃ、こりゃ観ないわけないでしょ。

・・・が、これがちっとも恐くもないし、別段、他の3D作品と抜きん出ているところもなく。
ホラー映画というよりも、ダーク・ファンタジーといった物語も、特に意外性もなく、いわば「ないないづくし」な映画。

ただ、劇中、3D効果を物語上の演出として巧みに取り入れている箇所があったのは面目躍如といったところでしょうが、他が他だけに残念な映画でしたねぇ。

3D料金返せ! とは言いませんが、どうも納得いかなかった1本でした。

《TOHOシネマズ橿原にて鑑賞》



【第2位】:『指輪をはめたい』(11月19日公開)
ユビワヲハメタイ
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記憶喪失になった主人公の手元には一個の結婚指輪が。
そんな主人公の前にまったくタイプの違う3人の女性が現れる。
いったい結婚指輪は誰に渡すものだったのか・・・という、ロマンティック・コメディ。

主演の山田孝之、3人の女性(小西真奈美、真木よう子、池脇千鶴)のアンサンブル、そこに謎の少女として登場する、来年公開の話題作『ヒミズ』(園子温監督)においてベネツィア映画祭でマルチェロ・マストロヤンニ賞(いわゆる新人賞にあたる)を受賞した二階堂ふみの演技と、けっこう楽しい映画だなぁ・・・と思ったのは物語の3分の2まで。

残りの3分の1で、それまで楽しかった雰囲気は一気に破壊され、まるで奈落の底へ蹴落とされてしまうかのような展開にただただ唖然・・・。

とにかく救いのない主人公の姿の、観るに忍びない展開に鑑賞後の気分も最悪でありました。

いや、シチュエーションはけっこう面白いんじゃないか、って思ったんですけどね・・・。
あまりの自分の審美眼の無さに、その日一日気分がすこぶる悪かったものでした。

《MOVIX八尾にて鑑賞》



【第1位】:『パイレーツ・オブ・カリビアン 命の泉』(5月20日公開)
パイレーツオブカリビアンイノチノイズミ
【公式サイトはコチラ!】

3作で終ったはずのシリーズですが、ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウ人気にあやかって作られた4作目。
というか、このシリーズの主役ってオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイだったんじゃなかったっけ?
この二人は早々に4作目に出ないことを公言してたので、この4作目はいわばスピン・オフ。
『スター・ウォーズ』でいうところの、ハン・ソロを主役で1本映画を作ってみましたって感じ。

監督も、それまでのゴア・ヴァービンスキーから、なんでこの人に変更したんだブラッカイマーよ、と思ったロブ・マーシャル。
とにかくキレのないアクション、だらだらした物語展開、まさに惰性で作られたとしか見えないその体たらくに、観ているこちらのテンションも下がる下がる。

一応、ラストは次回作につながるようなお約束な展開になってましたが、「もう、ええわ」って思いましたよ。

本編もそんな感じなら、サントラもまた「どないやねん?」って内容。
ハンス・ヅィマーによるオリジナル・スコアと、それのリミックス・バージョンが収録されているんですけど、そもそもリミックス・バージョンって必要か?
そもそものスコア自体が、ほんとにヅィマーが作曲したのか半信半疑なだけに、サントラそのものがじつに胡散臭い物体に見えてきて、とにかく本作に関しては何ひとつ好印象が残りませんでしたよ。

《TOHOシネマズ橿原にて、これまたいまいち効果が感じられなかった3D版を鑑賞》




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