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■『1911』■(映画) 


1911
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僕自身、ジャッキー・チェンに対して特に思い入れが強いわけではありませんが、映画出演100作目という謳い文句と、ご本人が予告編の冒頭で、

「ジェヒ、ゴランクダシャイ!」

とおっしゃってるものですから、そりゃ観なくちゃいかんなぁ~~~と。

100つながりでいえば、今年は辛亥革命から100年目ということで、しかもジャッキーさんは総監督という肩書きであることから、そりゃあもう漢民族の誇りをかけたゴッツイ映画なんだろうなぁ、というのはおのずとわかろうというもの。

予告編を観る限りでは、戦闘シーンテンコ盛りの映像にワグナーの「タンホイザー序曲」が高らかに流れる(ちなみに公式サイトではホルストの「ジュピター」が流れています)その壮大なイメージがとてもキャッチーでありましたし。


そもそも、ジャッキーさんの総監督っていったいどういう肩書きなんだ? という疑問はあったけれど、監督は『レッドクリフ』のスタッフでもあったというのもひとつの売り文句になっていたし、今年は、先に『孫文の義士団』というすこぶる面白い映画もあった。

今回もその流れなんだろうな、歴史的な事実はベースとして、そこにジャッキーさんのカンフーアクションてんこ盛りみたいな!! なんて思ってたんですけど・・・。

これがね、全然面白くないんですよ・・・。

いや、面白くないなんて書くと語弊があるでしょうが、とにかく真面目で固い映画といったほうが早いか。
というか、「辛亥革命」のなんたるかと知らないと、この映画、かなり辛い。
あ、「辛い」と「辛亥」って文字が共通してますね(それがど~した?)。

なんというか、羊頭狗肉という表現も語弊があるだろうし、それでも予告編から得られたイメージとは180度違う映画だったのは間違いないことで・・・。


まず、オープニングに映画のアウトラインというか、辛亥革命の触りをナレーションで聞かてくれます。
あぁ、監督のつながりで『レッドクリフ』みたいな構成なんだね、と思いつつも、なんでナレーションが塚本晋也監督なのかがよくわからん(本編のナレーションは違う人なのに)。

で、ジャッキーさん演じる黄興という人物のアウトラインがよくわからん。
本作の主役は、あくまで孫文であって、黄興は彼の盟友ということなんでしょうが、そのあたりの関わりなど説明が一切なしで物語はどんどん進みます。
なるほど、ドラマ部分の主役は孫文でアクション部分の主役は黄興なんだな、と思いきや、ジャッキーさん、いや、黄興のカンフーアクションは全体で1分にも満たないんですよ。

また、革命軍のなかの女性(リー・ビンビン)と黄興とのロマンスも描かれるんですけど、どうも取ってつけたような感じ。
この二人がどのような交流を経て妊娠まで至るのか、そのあたりのエピソードもおざなりなので、いきなり「妊娠しました~~~」なんて描かれても、「それで?」 くらいにしか観てるこっちの感情も揺らがない。

他にも革命軍のなかの若い兵士(名前忘れた)が、後半でやたらとクローズアップされていて(他にも若い兵士がバッタバッタと死んでいくのに)、その嫁さん(つまり未亡人となる)のエピソードが取ってつけたように描かれる(この嫁さんの吹き替えをしょこたんが担当してますが、映画全体の比重から考えるとその扱いはどうなんだろ?)んですけど、これとて感情を揺さぶるにいたるものではない。


場面転換にやたらフェイドアウトを使っていて、ひょっとしたらその間でバッサリ切られたシーンがあるんじゃないか(日本公開において)と思ったので、オリジナル版のランニング・タイムを調べたら、意外にも日本公開のほうが冒頭のナレーションやらのために上映時間が長いんですよ。

ってことは、はなっから、ああいう編集だったわけだ。


「辛亥革命」のなかで多くの若い命が散っていった、という事実はともかく、それをどう描くかというところで、構想10年、総製作費30億円というこのビッグバジェットを任された、本作が監督1作目という新人監督チャン・リーには、正直言って荷が重すぎた感がありますし、彼の手腕はお世辞にも上手いとはいえず、いったいなにを考えてこのような人選をしたのか疑問に思うところ。

ただ、このチャン・リーの経歴をみれば、TVドラマで歴史物を多く演出してきたそうで、その手腕を認められての本作への抜擢だったそうですが・・・本作を観るかぎりではそのTVドラマの出来もはたしてどうだったのか。質より量で選んだのか?

ここで確かに言えることは、チャン・リーという人物は『レッドクリフ』のスタッフではあったけれど、あくまでスタッフであって、ジョン・ウーではないということ。
これなら、冒頭にも書いたけど、よくわからん肩書きである総監督のジャッキーさんが演出から編集まで、すべて担当すればよかったのに、とさえ思ったほど。

戦場を馬に乗って駆け抜ける黄興の勇姿であるとか、さすがお金かかってるなぁ、と思わせる戦闘シーンなど、「絵」になるところは幾つもあるのですが、これがドラマ部分とスムーズにつながらず、浮いたように見えるのも辛くて落ち着かないし、そもそもドラマ部分における人間が描かれていないのは致命傷。
そのなかで人間臭いキャラで異彩を放つ、清朝軍の袁世凱(スン・チュン)や、まだガキンチョで側近のおっちゃんたちにイタズラばっかりしてる、後のラストエンペラーである溥儀やその伯母である皇太后(久しぶりにその姿を見たジョアン・チェン。やっぱ、『ラストエンペラー』(87)つながりか?)といった、清王朝側の人々のドラマのほうが観ていて面白いのは、本作の製作意図とは正反対なんじゃないか。


あ、そうか、辛亥革命に関わった人々については、逐一詳しく描かなくなって、中華民国の方々にとっては、それぞれのアウトラインはインプットされているんでしょうね。だから、あんな編集でも大丈夫なんだな。
この映画、いうなれば日本人以外の人が「忠臣蔵」のダイジェストを観た時の感覚に近いのかもしれませんねぇ・・・。


ところで、当のジャッキーさんの言では、この映画が出演100本目かどうかは、はっきりわからないんだそうです。
どないやねん!!


1911イメージソング
スコアを担当したのはデン・ウェイという女性の作曲家。

しかし、観終わってどんなスコアだったか思い出せない・・・。
ドラマティックな感じだったかなぁ、くらいの印象しかなくて・・・。
調べてみたところサントラのリリースはないようです。

なお、予告編で大々的に使われているワーグナーの「タンホイザー序曲」は、本編では一切流れません(さらにいえば、公式サイトのホルストも使われていません)。
ただ、日本公開の際につけたオープニングの「辛亥革命説明ナレーション」部分には、同じくワーグナーの「ワルキューレの騎行」が流れますが、そもそも辛亥革命とワーグナーっていったいなんの意味があるんだろうか?


エンドクレジットに流れるコーラス曲も、いったいどういう内容なのかよくわからないんですけど、日本語吹き替え版の一番最後、吹き替えを担当したスタッフのクレジット(ジャッキー・チェン:石丸博也 みたいなね。よくあるパターン)があるのですが、そのBGMとしてバックストリート・ボーイズのハウィー・D城田優がコラボレーションした「if I Say feat.U」というナンバーが流れます。

二人とも、中国と関係ないじゃん!!


(MOVIX橿原にて「日本語吹き替え版」を鑑賞)

【採点:100点中20点】



※日本語吹き替え版のエンドクレジットの一番最後に流れる、なんかようわからんナンバーが収録されているアルバム。

使用意図が意味不明・・・。


あ、ちなみにDVDがついている特別仕様なんだそうで。










※こちらは通常盤。




















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