■『パイレーツ・オブ・カリビアン/命の泉』■(映画) 


パイレーツオブカリビアンイノチノイズミ
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大人気ヒットシリーズ、まさかの4作目。

てっきり前の3作で物語は終ったと思っていたのですが、ヒットに気を良くしたプロデューサーのブラッカイマーとしては、こんな金づる、早々に打ち止めにするのはもったいないわなぁ、と思ったんでしょうね。

そもそも、前の3作もそれほど面白いとは思わなかったのですが、監督もゴア・ヴァービンスキーからロブ・マーシャルに替わって、どのように仕切りなおされているのか、という興味もあったのですが・・・。

一言でいえば「惰性の映画」でした・・・。

ジョニー・デップ演じるジャック・スパロウというキャラクターは、そこそこ一般に浸透しているキャラだから、それを主役にした新シリーズというスタイル。

いやちょっとまてよ、ジャック・スパロウって主役じゃなかったでしょ。

前の3作の主役は、あくまでウィルとエリザベスであって、ジャック・スパロウはこの二人の物語の引き立て役。
「SW」シリーズでいうところのハン・ソロのような立場。
だから、今回、彼を主役としたこの4作目は、つまりは前の3作のスピンオフのような存在。

まぁ、それはそれでええわいな。

巻早々に派手なアクション・シーンが登場するのですが、そこの演出のキレの悪いこと悪いこと。
なんというか、アクションのリズムをぶつぶつ切ってしまうような、なんとも気持ちの悪いぎこちなさに口がポカン・・・と開いてしまったほど。

前の3作を監督したゴア・ヴァービンスキーの演出も、さほど優れていたとは言えないけれど、今回のロブ・マーシャル、おおよそ数々の名作を生み出した監督とは思えないていたらく。
いや、脚本が悪いといえばそれまでだけど、それを演出でカヴァーするのが監督の役目でしょ。

演出のキレの悪さの最たるものは、物語の中盤、ジャック・スパロウが高い崖の上から川へ飛び込むかどうか躊躇するシーン。
逐一書くのもイヤなので、興味がある方はまだ劇場で上映しているので確認されればよろしいでしょう。

あ、その代わり、文句は言わないでくださいよ。


とにかく、前3作のヒットにあやかった、惰性の産物でしかない本作は、たとえヒロインにペネロペ・クルスを迎えようとも、新しいキャラとして人魚を登場させようとも、作り手側に新たに面白いものを作ってやろうという気迫がなければ、それを打破することはできないし、観る方も正直つらい。

今回も長いエンドクレジットの後に1シーン用意されており、次回作があるような暗示を残していますが、そりゃ本編が面白ければ、その1シーンにもワクワクするものですが、今回ばかりはねぇ・・・。


パイレーツオブカリビアンイノチノイズミ(メガネ)
さて、本作を観たのはTOHOシネマズ橿原の3D上映にて。

このシネコンでの3Dは、従来はXpanD方式を採用しており、あのやたらと重たい眼鏡と、視野が暗く狭くなってしまうことが不満で、それによって3D上映そのものにいい印象を持ってませんでした。

それが、本作の上映を機にMasterImage方式に変更したという告知が映画館側からありまして・・・。

それによると、従来のものより眼鏡は軽量になった、画面が明るくなった、視野が広くなった、眼鏡は持ち帰りOK、次回その眼鏡を持参すれば入場料金を割引く、ってなことで、こりゃいいことづくしじゃありませんか。

では実際にどんなもんだろ? という興味は、本作がシリーズ4作目ということよりもはるかに強かったんですよ。


で、実際に体験してみたらば・・・。

確かに眼鏡は軽量になりました(おもちゃの眼鏡みたいにかなり簡素なつくり)。
なったけれど逆にこれが悪い。
なんせ、僕は通常でも眼鏡をかけていて、3Dを観る場合はその上に専用眼鏡、というスタイルになってしまうんですが、今回はそれが軽すぎて上映中に何度も下にずれてしまい、そのたびにかけ直さなくちゃいけないという、以前以上にわずらわしくなってしまったのです。
これが、以前のXpanDだったら、固定用のアジャスターが付いていたのですが・・・。
続く、売り文句である画面が明るいとか、視野が広くなったというのはさほど違いは感じられず・・・。
そんなだから、よほどのことがない限り、持ち帰ってきたこの眼鏡を再び使用することは、おそらくないでしょう。

というか、3Dはもうええわ、って思いましたよ。


パイレーツオブカリビアンイノチノイズミ
さて、本作の音楽は、一応、ハンス・ヅィマーが担当。
無論、あの有名なテーマ曲を作曲した彼だから当然といえば、当然の起用です。

とはいえ、そもそもシリーズ1作目の作曲家のクレジットはクラウス・バデルトだったにも関わらず、テーマ曲が人気を博すると、
「実際に作曲したのは私です」

ってことでしゃしゃり出てきたヅィマー。

バデルトはヅィマー率いる作曲家集団「リモートコントロール(以下、RC)」のメンバーでもあり、いわば、おいしいところを親方にさらわれたバデルト、といった感じ。
ただ、こういうケースは、RCのメンバーが音楽担当でクレジットされた作品で往々にしてあることで、そこにヅィマーの税金逃れ対策とか、いろんなことが囁かれたりするけれど、バデルト自身が訴えたりしなかったところをみれば、RCにはRCのルールみたいなものがあるんでしょうね。

でもねぇ、作曲家としてのプライドとかを考えれば、どうも納得いかないんですよねぇ。
ま、当人たちがなんとも思ってないんなら、ただの老婆心だけれども。

ちなみに、今回もクレジット上はヅィマーによる単独作曲のようになっていますが、純音楽の作曲家エリック・ウィテカーも幾つかのスコアを書いているので、実際のところヅィマーはどれだけ仕事をしたのやら。
また、ギター・デュオ、ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ(彼らも一部、作曲も担当したそうで)のギターをフィーチャーしてのスコアづくりは、音楽的にも映画の世界感に広がりを持たせようとしたのでしょう。

それはそれでよしとしても・・・。

驚いたのは全18曲のスコアの内、7曲がオリジナル・スコアとそのテクノ・リミックス・バージョン。

なんだこりゃ? そんなリミックス・バージョンなんて聴いて、誰が喜ぶんだ?

映画本編もヒドかったけれど、このサントラの構成もそうとうにヒドい。
というか、こんなシロモノでGOを出すハンス・ヅィマーが、ただの守銭奴にしか見えなくなってくるのがとても悲しい。


(TOHOシネマズ橿原にて鑑賞)

【採点:100点中10点】


※本作のサントラ。
スコアは一応、ハンス・ヅィマー(でも、ほんとのところはよくわからない)。
内容についてはレビューに書いたとおり。
あくまでシリーズのファンのコレクターズ・アイテム以外のなにものでもないと思う。



パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉 - Various Artists



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