FC2ブログ

■『30デイズ・ナイト』■(映画) 


30デイズナイト
この映画、2007年の作品ということは2年間オクラ入りしていたってことなんでしょうか・・・?
いかにジョシュ・ハートネットが主演でも、ホラー映画となるとキワモノ扱いですかぃ。

もともとはグラフィック・ノベル(こういうパターンも最近多いですね)なんだそうで、それを『JUNO/ジュノ』(07)でキュートなヒロインを演じたエレン・ペイジの出世作『ハード・キャンディ』(05)において、世の男どもを震撼させるとともに思わず股間を押さえさせたデイヴィッド・スレイドが映画化。プロデュースにはかのサム・ライミの名前も。


アラスカ州のバロウという小さな町は、いましも30日間暗闇に包まれようとしていました。
「白夜」の反対で「極夜」というんだそうで、冬のある時期、地球の地軸の傾きの影響でそのような現象が起こるのです。って、そんなのあるの知らなかったよ。勉強になりますねぇ。
で、「極夜」の期間中は住民のほとんどは町を脱出するのですが、もちろん頑なに居残る方もおられるわけで。
主人公のエバン(ジョシュ・ハートネット)も保安官という職業ゆえ町を離れるわけにはいきません。彼にはステラ(メリッサ・ジョージ)というべっぴんさんの奥さんがいましたが、何があったか知らないけれど二人は現在離婚協議中なのでありました。
さて、ステラは「極夜」が来る前に町を出ようとしますが、いろいろあって足止めくらっちゃう。そうこうしているうちに、「極夜」に包まれた暗闇のバロウの町に突如、不気味な一団がやってきます。
マーロー(ダニ-・ヒューストン)をリーダーとするヴァンパイアの御一行がそれ。
彼らは日光に当たると身を滅ぼすので、「極夜」のシーズンを狙って、人間狩りをするためにやってきたのです。
ヴァンパイアたちに次々と殺され血をすすられるバロウの人々。
やがて、エバンを筆頭にほんのわずかな生存者たちは行動をともにしつつ、なんとか町を脱出しようと奮闘する姿が描かれます。

はたしてエバンたちは無事に脱出できるのか?
はたまたまた太陽が昇る30日間を生き延びることが出来るのか?
それともあっさりとヴァンパイアの餌食になってしまうのか?
いわゆる昨今のゾンビ物における、ホラー・サバイバル・アクションといった趣向です。


全体をかなり抑えた色調で描いていて、これが雰囲気作りに絶妙に貢献。
どこかゴシックホラーの雰囲気を醸しだしており、冒頭、氷で覆われた海面に突如出現するマーローたちヴァンパイアの乗った巨大な船の場面などは、ヴァンパイア映画の古典『ノスフェラトゥ』(22)を想起させて、思わずゾクゾクっとくる感動をおぼえました。
また本作のヴァンパイアは動きが俊敏かつ、凶暴、残忍。おまけに怪力。
幼い子供にも容赦せずに襲い掛かり、しかも血をすするというよりは、まさにゾンビのごとく齧りついて、あわよくばそのまま喰ってしまう。
そのあたりの描写のエゲつなさも含めてけっこう見せるものがあります。
また、ヴァンパイアに襲われた者はしばらくするとヴァンパイアになってしまうという設定も、いわゆる古典から連綿と伝わるものですが、面白いのは本作のヴァンパイアのリーダー、マーローは血を吸ったら相手の首を胴体から切り離して息の根を止めようとするのです。
マーロー曰く、ヴァンパイアの人口増加防止のためなんだそうな。
吸血鬼も吸血鬼なりに環境のことを考えているというわけだ(違うよ)。


30デイズナイトオリジナル
肝心のサバイバル・アクションの部分も決して珍しいものではなく、いわば定石どおりの展開になっていきますが、物語の決着のつけ方には本作特有のものがありまして、これは観ていて素直に感心しました。
ホラー映画ということで、先にも書いたように残酷な描写(SFXは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズを手がけたオーストラリアの工房WETAが担当)がてんこ盛りなんですが、本作ではそこにエバンとステラという、いましも崩壊を目前にした一組の夫婦の再生をも盛り込んで、単なるジャンル映画には終らない奥深さを醸しだしています。
極限の状態で展開される物語ゆえに、人間の本質が剥き出しになってくる。
それによって深いドラマが描かれるという点を考えてみれば、ホラー映画は単に娯楽映画という役目だけなのではなく、人間そのものを見つめ直す術を持ったジャンルでもあるのだ、ということを本作では如実に語っているんですよねぇ。


主人公エバンをジョシュ・ハートネットが人間臭く演じており、こういう映画って主人公がいきなりヒーローのように毅然と危機に立ち向かうものですが、本作のエバンは突然の惨事にうろたえ、涙ぐむ。そういう人間臭い部分がよく出ています。ただし、物語が進むにつれて、やっぱりヒーローとしての活躍が描かれますけれど。
ヒロイン、ステラを演じるメリッサ・ジョージはオーストラリア出身の女優。出演作のラインナップを見れば、いままで観た作品もけっこうあるのですけど、ほとんど記憶にないんですよね。でも、今回とっても印象深かったのは、その口元。これがとっても・・・エロティック! それだけでお腹いっぱいって感じです。
そして、ヴァンパイアのリーダー、マーローを演じるダニー・ヒューストン(名匠ジョン・ヒューストンの息子)は、まだ公開中の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』でのストライカー役が記憶に新しく、仇役続きなれど本作でも存在感たっぷりにヴァンパイアを好演しています。


先にも書いたように2年間オクラ入りしていたので、正直なところ目も当てられないようなシロモノなのでは・・・と思いましたが、けっこう掘り出し物に出会ったような、満足させてくれる映画でした。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中65点】


※おや? 原作コミックは翻訳されていたんですね。


※こちらは原作の続編のようです。


※こういうグッズもあるんだ・・・。


※デイヴィッド・スレイド監督の代表作。コワイですよ・・・。
ちなみにスレイド監督はヴァンパイアつながりなのか、『トワイライト』の3作目の監督に決まったそうですね。




コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://binsan67.jp/tb.php/19-f260eea7