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■『白いリボン』■(映画) 


シロイリボン
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エキセントリックな映画が好き(そればかりじゃないんですけど)な僕なんですけど、ミヒャエル・ハネケ監督の作品を一度も観てないってのは、エキセントリック映画好きとしては、沽券に関わることでありますな。

漏れ伝わることを聞いて見れば、相当にヘンな映画を撮る監督だ、いや、芸術的センスにあふれた監督だ、とか、その評価もいろいろありまして、少なくとも普通の映画を撮る監督じゃないな、それじゃ観ておかないといけないな、とは思っていたのです。

たとえば、個人的に好きな女優のひとりであるナオミ・ワッツ主演の『ファニー・ゲーム U.S.A.』(08)が公開された際には、観たい、観たい、と思いつつも、そのオリジナルである『ファニー・ゲーム』(97)を観ておかないとオリジナルとリメイクの比較もできないし、かといって近所のレンタル・ショップには置いてないし、なんてモタモタしている間に上映が終ってました。
で、後日同じレンタル・ショップに行ったらば、ちゃんとオリジナル版のDVDが置かれていた(単に見落としていただけ)という、なにがなにやらでございますわ(苦笑)


『白いリボン』は、そんなハネケ監督が昨年、2009年のカンヌ映画祭でパルムドール(最高栄誉賞)を受賞した作品。
本当ならば、もっと入門編的な作品から入っていけばよいのでしょうが、ちょうどタイミングも合ったので初ハネケ体験をさせていただきました。

いやぁ、確かにエキセントリックといえばエキセントリック、芸術的といえば芸術的。
じつにユニークな映画を撮る監督ですねぇ(笑)

シロイリボン1
『白いリボン』の舞台は第一次大戦開戦直前のドイツの片田舎が舞台。
その村の医者が何者かのイタズラで大怪我を負ってしまう事件をきっかけに、次々と不可解な出来事が起こります。
村の学校の教師(年老いた彼が当時を回想する。それがナレーションとして流れるという構成)は独自に事件の捜査をするも、いっこうに解決されません。

結局、映画はなにひとつ真相が明かされないままに終ります・・・。

観終わって正直、呆気にとられたというのが正直な感想です。
え? それで終わりかいな? って。


これ、上映時間2時間半近くあるんですけど、その間登場人物は一応の主人公的存在である教師をはじめ、それぞれに右往左往するも何ひとつ解決されない。
でも、退屈かというとそうじゃなく、特にむちゃくちゃ難解な映画でもなく、登場人物もみんな魅力的。

が、な~~~んにも事件は解決されない(笑)

シロイリボン2
第一次大戦前夜ということで、人々の不安な心境が事件となって現れたというのが、僕なりの精一杯の解釈で、全編モノクロという映像も、人々の心理を表現していると思いますし、さらにこの映画、一切スコアが流れないんですよ。
スコア、いわゆる映画音楽がまったく流れないというのも、ある種の不安感、緊張感をもたらすもので、それだけでも劇中の人物(特にここでは教師)と同じく、なんともいえないもどかしさのようなものに終始包まれてしまうのです。


タイトルの「白いリボン」について。
劇中に登場する村の教会の神父。彼がとっても厳格な人物でして、3人の子供(娘と二人の息子)がいるんですけど、ある日、粗相をした娘と息子に、罰としてその腕に巻くのが「白いリボン」なんです。

「いつまでも純粋無垢な心を忘れたらアカンでっ!」

ということで巻くわけですが、これも何かの比喩なんでしょう。
ただ、それが何かは僕には理解できませんでしたけど・・・。

う~~~ん、一度観ただけではなかなか掴みきれない映画でしたねぇ。
できればもう一度、トライしてみたいです。
というか、それよりも『ファニー・ゲーム U.S.A.』、観なくちゃね。

シロイリボン3
さて、この映画、大阪は梅田のテアトル梅田で観ました。

ここはミニ・シアターですので、キャパは小さめでして、僕はたいてい一番後ろの列で観ます。
一番後ろに座ってると、場内の他の観客の様子がよくわかるんですよね。

面白かったのは今回の映画、モノクロでスコアが流れないとなると、退屈に感じる方も多いのでしょうか、ほぼ満席だった場内のあちこちで、こっくりこっくり舟を漕いでる方が多かったんですよ(笑)
しかし、劇中、事件のカギを握る少女が登場し、刑事に尋問を受ける場面がありまして、取調べの刑事に対して泣いてなかなか喋れない少女に、

「泣くなっ!!」

と、刑事が大声で怒鳴った途端、舟を漕いでいた方々が一斉にビクッ! と(笑)

映画館で映画を観る醍醐味ですなぁ・・・(いえいえ、そんなのを観察してるってことは、映画が退屈だったわけじゃないですよ。ホント、ホント)

(テアトル梅田にて鑑賞)

【採点:100点中50点】


※『ファニー・ゲーム U.S.A.』(08)のDVD。
やっぱり、これくらいは観ておかなくちゃ、ね。
ハネケ監督自身がセルフ・リメイクした映画で、オリジナルとまったく同じ演出、構図なんだそうです。



※こちらはオリジナルの『ファニー・ゲーム』(97)のDVD。



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