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■『ロビン・フッド』■(映画) 


ロビンフッド1
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かつて、僕にとってロビン・フッドといやぁ、陽気なキツネのおっちゃんというイメージがありました。
幼い頃に観たディズニーのアニメーションの影響なんですけど、後にケヴィン・コスナーがタイトルロールを演じた『ロビン・フッド』(91)を観て、一応は僕の中でこのヒーローのイメージは確立したと思います。

その古典的ヒーローをリドリー・スコットが監督すると聞いて、最初はちょっとした違和感がありました。
ここ数作コラボレーションを組んでいるラッセル・クロウをロビン・フッドに、というのは、彼が『グラディエーター』(00)で古代ローマの剣闘士を演じ切った前例がありますから、キャスティングとしてはバッチリかとは思いましたが、ロビン・フッドの物語って果たしてリドリー・スコットが監督する題材なんだろうか、というところでの違和感だったのです。

これはまったくの先入観ですが、リドリー・スコットが演出となると、リアリズムに徹した映像、それは重厚という言葉がピッタリなもので、そこに陽気なおっちゃん(ヒーローなんですけど・・・)の冒険活劇というのは、いくらリドリー・スコットでもちょっとなぁ・・・って。

しかし、逆に考えればリアリティ重視のロビン・フッドというのもこれはこれで面白いんじゃないか、という楽しみもあったわけで。

で、実際の映画は予想通り、リアリティ重視の歴史大作に仕上がっていました。


ロビンフッド2
物語自体は、十字軍の一兵士だったロビン・ロングストライド(ラッセル・クロウ)がいかにして伝説のヒーローであるロビン・フッドになったのかを描く、いわばエピソード0のような内容。
しかも、彼がヒーローになるきっかけが、偶然が重なってというのがなんとも人間臭いんです(笑)

また、恋人であるマリアン(ケイト・ブランシェット)とのなれそめも、大人の恋愛ドラマのような仕上がりでありながら、極めて淡白なのもユニーク。

もちろん、リアリティ重視ということで、生活感あふれるセットや衣装はいうに及ばず、セリフひとつをとっても登場人物の出身地ごとに訛りを変えているんだとか。
とはいえ、ヒアリング能力のない僕にはそこんところはいまいちよくわかりませんでしたけど(苦笑)

また、当時のイギリスとフランスとの関係だとか、イギリスそのものの歴史だとか、史実にのっとった脚本になっているとうことで、西洋史に疎い僕には映画について行けるかなぁ、と最初は危惧しましたが、それも杞憂に終るほどとにかく簡単明瞭な内容になっていたのは嬉しい誤算でしたね。
そうなんですよ、この映画、イギリスの歴史がわからなくたって全然大丈夫です。

たしかにプロダクション・デザイン等の細やかさはいつもながらのリドリー・スコットなんですけど、彼のフィルモグラフィーでは最も万人受けする仕上がりなんじゃないかって思いました。
物語上のロビンの敵役(マーク・ストロング。ここんところ、悪役続き・・・)も、じつにわかりやすい設定であり、ヒーローと悪役が明確ゆえに重厚な歴史大作ながら冒険活劇としての楽しみも備わった稀有な作品でした。

ロビンフッド3
マックス・フォン・シドー、ウィリアム・ハートといった名優がきっちり脇を固めているのも観ていて安心。

また、クライマックスのイギリス軍とフランス軍との戦闘シーンのスケール感は相当なもので、こういうのを目の当りにすると、映画を映画館で観ることの醍醐味というものをひしひしと感じます。
他にもロビンがフリーメイソンの出自であることを示唆するところなど、脚本(ブライアン・ヘルゲランド)上の面白い仕掛けも用意されています。


・・・ただ、これがリドリー・スコットの最新作だよ、といわれると、判りやすく万人受けしそうな内容なだけに、多少なりとも複雑な心境に。
いや、無難な仕上がりであると言えなくもないのですが、こんなに角が取れた映画を撮るようになったのは、リドリー・スコット、なにかプライヴェートで心境の変化のようなものがあったのでしょうかねぇ。


ロビンフッド2010
音楽を担当したのはリドリー・スコットとは『アメリカン・ギャングスター』(07)でコラボレーションを組んだマーク・ストレイテンフェルド。

彼はハンス・ヅィマー率いる作曲家集団「リモート・コントロール」(以下、「RC」)の一員。
リドリー・スコットの作品ではすでに『ブラック・レイン』(89)で親方のハンス・ヅィマーがスコアを書いており、その後、数作品でヅィマーとのコラボレーションが続いていました。
そのなかでストレイテンフェルドはヅィマーの補佐をしていた模様。
そして、『プロヴァンスの贈りもの』(06)で独り立ちという経緯。

ただ、この「RC」所属の作曲家は正直なところ誰が書いても印象としては大きな差異はなく、今回のストレイテンフェルドのスコアも、メインテーマの旋律はいつもながらのいわゆる「RC」調で、やっぱり「どこかで聴いたような」仕上がり。
舞台がイギリスなので、ケルティックなテイストを忍ばせているところが本スコアのオリジナリティともいえますが、それとて特出した個性を感じさせるものではありません。

いつも思うんですけど、「RC」の作曲家たちは、親方ソックリなスコアを書くことに満足しているのでしょうか。
いや、ハリウッドで仕事をもらうだけでもラッキーで、いまは経験値を積んでいつかは個性を発揮したスコアを! と思っているんでしょうかねぇ。
曲がりなりにも作曲家。
サラリーマンじゃなく、芸術家としての意地ってのもあると思うんですけどねぇ・・・。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中65点】


※ディズニーのアニメーション版です。
僕にとってのロビン・フッドは、これだったんですけどね(笑)



※ケヴィン・コスナー主演の『ロビン・フッド』。
ラストに大物俳優がカメオ出演している、というのが公開当時話題になりました(なったか?)
あら、知らない間にいろいろ出てたんですね・・・。





※本作のサントラ。
RC調スコアがお好きな方にはお薦め。




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