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■『武士の家計簿』■(映画) 


ブシノカケイボ1
ブシノカケイボ2
※本作の劇場パンフレットは、ソロバン型の紙ケースに、劇中に登場する入払帳をかたどったパンフレットが封入されているという、凝った作りになっています。
が、こういう技巧を凝らしたパンフは、本来の「読む」目的を大いに妨げるものであり、正直、どないかしてくれよ!! と思わずにいられないシロモノでございました(内容は充実してましたけどネ)。


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詳しいことは定かじゃないけど、日本の俳優で高感度の高い俳優は?
とリサーチすれば、おそらく堺雅人は上位にくるんじゃないかな、と思います。
僕自身も、けっこう好きな俳優だし、なんていうか彼の演技は安心して観ることができるんですよね。
男前だし。
あ、ヘンな意味じゃなくてね。

いやいや、ヘンな意味で言うならば、三浦春馬なんてあのまま女性になっても全然イケると思うんですよ。
なにがイケるのかはともかく、あくまで個人的な印象ですけどね。

で、何の話だ?
そうそう、堺雅人については、好きな俳優なんですけど前から気になることがありまして・・・。
それはあの笑顔
いや、別に笑ってなくても彼って普段からどこか笑顔じゃないですか。

怒ってたり悲しんでたりというネガティヴなシチュエーションでも、あの笑顔の表情で演技してらっしゃいますので、観ているほうとしては

「ほんまに怒っとんのかい?」 もしくは、「ほんまに悲しんでるんかい?」

と、いささか違和感を抱いてしまうんですよね。
今年放映されたTVドラマ『ジョーカー』なんて、観ながら毎回そんなツッコミ入れてましたもの。

そ~いやぁ、僕も高校時代に、

「おまえ、いつも何ニヤけとんねん!」

と、原哲夫の漫画に出てくる悪人(「ひでぶっ!」と言いながら悶絶死するような)みたいなツラをした、隣のクラスの●●君によく因縁つけられたことがありましたっけ。

僕としてはべつにニヤけてるつもりはないんですけど、顔を観るたびにそんなことを言うわけですよ。
ただし、そいつ以外の者からもそう言われるんだったら、

「そうか、僕はニヤけた顔をしているのか・・・」

と自覚しようものですが、因縁つけるのはその●●君だけ。
なので、おそらくそいつの目が腐ってるんだろうな、と気にしなかったんです。
後で聞いたら、●●君が僕に因縁つけるのは、もっと他の理由があったことが判りました。
というのも・・・、あ、そんな話はここでは必要ないですね。


だから、堺雅人もニヤけて、もとい、いつも笑顔なのは僕だけが感じていることなのかもしれないな、と思っていたらば、ウィキペディアを覗いたら、

「いつも微笑んでいるような顔つきが特徴」(原文のママ)

といきなり書かれてましたなぁ(苦笑)


さて、そんな堺雅人が主演の『武士の家計簿』は、今年やたらと作られた時代劇のなかにおいて、一切チャンバラが出てこない時代劇というのがまず異色。
幕末から明治という激動の時代、実在した加賀藩の下級武士猪山家の姿が綴られていくという物語で、この猪山家というのが代々、お城の御算用者なる藩の経理係のような役職についている、ってなわけで、猪山家の武器は刀ではなくソロバンというのがユニーク。
未読ですけど原作はベストセラーになってますよね。
作者が神田神保町の古本屋で見つけた、猪山家の入払帳(いわゆる家計簿)を元に著した新書であり、小説ではないのですが本作ではそれを巧みに一本の映画として構成しています。


監督したのは森田芳光。
彼の作品では、一時期強烈に拒否反応を起こしてしまった映画(『黒い家』(99)、『模倣犯』(02))が続いたこともあったのですが、それ以降は概ね個人的にも楽しめる作品を発表されてます。
今回も監督にしてはまったくクセもケレン味もない映画に仕上っていて、観客を選ばない映画っていうんでしょうか、そういう感じに仕上っていましたね。


さて、物語の話ですけど、そもそも見栄や建て前という、いわば武士の真髄(といっていいのかな?)ゆえに、浪費がかさむ武家社会において、主人公の猪山直之はなんとか出費を抑え、借金を減らそうと考える。
で、考えた結果、入払帳にて家計を記録するということを思いつくわけです。
これがタイトルの意味にもつながってくるんですね。

本作で描かれることはなにも武家社会の話だけではなく、現代でも十分通じることであり、見栄や体裁のために浪費してしまう、ということはよくあることなんじゃないかと。
そこところをどう切り詰めていくか。
見栄や体裁に捉われず、ちょっと考え方を変えるだけで、この不景気を乗り越えるヒントがあるかもしれない。
あ、そうか、そのヒントのひとつがこの映画というわけやね。
それを考えると、不景気のど真ん中である昨今、本作のような映画が作られるというのは、とても大きな意味がわるわけなんですな。


で、堺雅人ですよ。
彼にも息子ができ、その息子にも御算用者として、ソロバンの使い方やら経理の勉強やら、猛特訓を施します。
しかし、幼い息子にとっちゃ、それがどうも我慢ならない。ついに不満を爆発させてソロバンを壊そうとするんですが、堺雅人はそれを制した挙げ句に、息子に暴力をふるってしまうんです。
刀をソロバンに持ち替えた「ソロバン侍」にとっちゃ、ソロバンは命でもある。
だから、つい息子に暴力をふるってしまうんですが、そんな場面においても堺雅人は表情が笑顔。
これじゃぁ、息子が反発するのも無理もない。

この場面はクライマックスでいい効果をあげてるんですが、きっかけがそんな状態だったのでねぇ。
堺雅人には悪気はない(もちろん!)のでしょうが、かといってキャスティングをミスったか、というわけでもない。
あの場面だけ顔をアニメーションでおっそろしい形相にすげ替えたらよかったのかも。
最近は邦画のSFX技術もどんどん発達してますから、そんなのパパパっとできるんじゃないかな。
・・・ってなことを考えるだけの、観ているほうとしても余裕のある映画でございました。

あ、そうそう、堺雅人の嫁に仲間由紀恵。
そりゃあ、堺雅人じゃなくってもニヤけ顔になるってなもんや三度笠!!


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さて、スコアを担当したのは森田芳光監督作品の常連、大島ミチル。

本作でもなじみやすいメロディのメインテーマはもとより、エモーショナルなメロディ(夫婦、親子の絆が描かれる場面で流れる)や、マーチ風のスコア(主にコミカルな場面で)など、変化に富んだスコアを聴かせてくれます。
エンドクレジットは、劇中に流れた幾つかのスコア(それぞれ演奏時間は短い)を、悪く言えばだらだらと並べただけの、特に技巧的な部分ゼロの状態でした。

じつは、そのメインテーマのメロディに歌詞をつけ、Manamiというシンガーが「遠い記憶」というイメージ・ソングを歌っています(予告編などに流れてます)。
もともとのエンドクレジットがそんな状態なんだから、それならManamiのヴォーカルを流せばよかったのに。
音楽面ではそこがちょっと納得いきませんでしたねぇ。

ちなみに、Manamiのナンバーは、CDでのリリースはされておらず、ITune等の音楽配信サイトのみでダウンロード中。
・・・時代ですねぇ。


(MOVIX八尾にて鑑賞)

【採点:100点中60点】


※そのManamiによるイメージ・ソング。
ダウンロード希望の方は、下のタイトルをクリックすると、iTuneのサイトへ飛びます。

遠い記憶 - Single - Manami

※本作の原作本です。





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