■『エアベンダー』■(映画) 


エアベンダー
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新作が公開されるたびに、それなりに物議を醸しだすM・ナイト・シャマラン監督の最新作。

個人的にはシャマラン擁護派の僕としては、彼のサービス精神旺盛な映画作りの姿勢が好きで、今度はどんなネタで楽しませてくれるんだろう(あるいは、煙に巻いてくれるんだろう、でも可)と、新作が発表されるたびに楽しみにしているのだが、今回ばかりはそれまでの擁護派というスタンス、撤回しようかと思うくらいの仕上がりであった。

本作の「特報」を劇場で観たのは、かなり前になると思う。
まるでマル●メ君みたいなガキンチョが、如意棒みたいなのを振り回しているだけの映像だったと思うが、それの監督がシャマランだと知って、「え?」となったのは僕だけではあるまい。

多分、『ドラゴンボール・エボリューション』が公開されていた頃だったと思う(記憶違いだったらあいすみませぬ)、ビジュアル的にも双方に共通するものがあったのでね。
とはいえ、擁護派の僕としては、たとえ『ドラゴン~』みたいな映画でも、シャマランなりの味付けってものがあるんだろう、それを考えると逆に楽しみになったもので、実際の公開を首を長くしてまっていたのであった。


エアベンダーアニメ1
原作はアメリカのアニメなんだそう(・・・やっぱり、アニメが元ネタかよ!)。

シャマランのお子さんがそれのファンで、一緒に観ていたシャマランものめり込んでしまって、挙げ句に今回の映画化となったってのがおおまかな流れ。

おいおい、てめぇんちのガキンチョのための映画なんかい!

いや、そこは職人監督のシャマラン。
たとえかわいいかわいい我が子のための映画だとしても、一般の観客へのサービス精神は今回も薄れちゃいないだろう、という一縷の望みも抱きつつ。
エアベンダーアニメ2



結論。
いかに職人監督でも人の子。親バカになる時もあるのだな。

そこんところ、本作を観てよ~~~くわかりました。








エアベンダー1
気・火・水・土。
この世のあらゆるものがこの4つの要素でできているってなわけで、それぞれを冠に頂いた国で世界の均衡が取れていた時代(いつなんだよ、それ?)。

火の国が他の国を侵略しだしてえらいことになりました。
ってんで、一番力の強い「気」をつかさどるヒーローが永い眠りから醒めて、世界に平和を取り戻していきましょう、というそんな映画。

で、その「気」をつかさどるが、マル●君みたいなガキンチョ。
黄色い衣装に身を包み、さながら少林寺の修行僧のようないでたち(しかし、演じてるのはヤンキー少年)。
剃髪した頭には、矢印みたいなタトゥーも入れてます(不良じゃん)。

このマル●メ君みたいなガキンチョと、彼が蘇生する現場に立ち会ったばかりに行動を共にせざるをえなくなったイヌイットまがいの兄妹。
この3人による世直し道中という、なんだか水戸黄門みたいな展開はともかく、SFXによる驚異の映像がてんこ盛りであって、とりあえずは2時間足らずのこの映画は最後まで見せる。

ここに敵である火の国のお家騒動(っていうほど大袈裟なもんじゃないけど)も絡んでの、多少複雑かつ整理のついてないままに物語が進んでいった挙げ句に、あっさりと次回に続く・・・という観客放り投げな展開には、思わず持ってたポップコーンのカップを床に落っことしてしまいそうになったほど。


エアベンダー2
とにかくね、主役のマル●メ君然り、イヌイットまがいの兄妹然り、敵キャラの火の国の皇子然り、それぞれのキャラクターの面白味がかなり薄い。

というか、全体のイメージがかなり真面目くさくって、本来ならば楽しくワクワクするであろう、ファンタジー・アドベンチャーが、かなり重くて硬いガッチガチな仕上がりになっているのは、これは観ていて辛かった。
これら主役級のキャラがいずれもガキンチョというのも、映画全体のスケールからするとバランスが悪かったのかもしれないが、ならばこのガキンチョたちにもっとくだけた味付けをすれば、映画全体の魅力も増したのではないかと思う。

もちろん、あまりにくだけすぎると、逆に目も当てられない仕上がりになってしまうのだけれど。
(くだけた、じゃないけど、アンよりも難世代も前に「気」をつかさどるマスターの石像ってのが登場するんだが、それの名前が「キヨシ」
で、その石像、なんだか演歌歌手みたいな格好してるんだよねぇ。ここ、本編で唯一笑ったところ)


かなり長い1ショットの場面にて、数々の「術」が展開される(SFXで巧みにつないであるんだろうけど)など、目を見張る場面も幾つかあって、ビジュアル的に驚嘆な部分もある。
しかし、やっぱり今回ばかりは本作はシャマランには向いてなかったんじゃないか、というのが正直なところ。

擁護派としてはかなり辛い印象であった。


ゆえに本作は、シャマランの親バカ映画。

子を持つ親であり映画監督としては、超えねばならない壁にぶちあたってしまった結果としての作品だったのかも
しれない。
でも、子供たちの成長は早く、いまはなついていてもそのうち、
「お父さん、くさぁ~~~い!」
あるいは
「おやじ、うぜってぇ~~~な!!」
なんてことを言われるのも時間の問題であろう。

本作はあと2作続きがあるらしいが、出来上がった頃にはお子さんはすでに父親なんて相手にしてないと思うので、ここは元のようにサスペンス・スリラー路線に戻した方がいいと思うぞ、シャマラン。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中30点】


※本作のサントラ。
スコアは『シックス・センス』以来、ずっとコラボを続けているジェームズ・ニュートン・ハワード。
作品が作品なだけに、相当にスケール感を抱かせるスコアに仕上がっています。
冒頭の10分を越える「組曲」に始まり、どこかワーグナーを思わせるフレーズもあって、JNH、かなり力が入っています。
正直、音楽負けしている映画ともいえる・・・。



※本作の原作アニメを元にした、ニンテンドーDSソフト。
原作アニメ、タイトルを「アバター:ザ・ラスト・エアベンダー」というのだが、ジェームズ・キャメロンの『アバター』と紛らわしいので、メインタイトルである「アバター」を取ってしまったとのこと。
でも、映画本編では「アバター」、「アバター」って連呼してますよ。




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