FC2ブログ

■『アデル ファラオと復活の秘薬』■(映画) 


アデルファラオトフッカツノヒヤク
【公式サイト】はコチラ。

お天気おねえさんといえば、誰を思い出すだろうか?
いまだったら皆藤愛子とか根本美緒ってことになるのかな。
でも、個人的にお天気おねえさんといえば、チチダスmimiに限る。

さて、この『アデル~』のタイトルロールを演じるルイーズ・ブルゴワンは、フランスの有名なお天気おねえさんだったそうで、TV番組の天気情報コーナーで毎回趣向を凝らしたファションで話題になったそうな。
それを見初めたのがかのリュック・ベッソン(TVっ子かよ)。

おそらく、ソファに寝そべりながら、ポテチなどを喰らいつつTVを観ていたら、

「お、この娘、ええやんかいさ」

ってなことでの大抜擢だったことは容易に想像できる。


で、この『アデル~』。
なんでも原作はフランスのコミックとのこと。
なるほど、「まるで漫画やなぁ・・・」と、思わずつぶやいてしまうほど、その内容の軽いこと軽いこと。
それを心地好いと感じるか、うざってぇなぁ~~~と感じるかで、本作の評価は大きく違ってくると思う。
僕の場合は・・・まぁ、それはちょっとおいといて。


時は1911年。
映画はまず、突如パリを襲った翼竜(プロダクティスルというそうな)による騒動がスラップスティック調に描かれる。
登場するのはちょっとピントの外れたパリ警視庁のカポニ警部(ジル・ルルーシュ)。
どうやら翼竜は博物館に展示されていた化石が孵化したようだ。
その孵化に関与していたのは老齢の科学者エスペランデュー博士(ジャッキー・ネルセシアン)。
彼は持論の「魂の蘇生法」を実践している時に、博物館に展示されていた翼竜の卵が孵化してしまったのだ。
なんだかんだですったもんだの末、エスペランデュー博士は逮捕されてしまう。

アデル1

「あれ? タイトルロールのアデルはいつ出てくるの?」

とイライラしだしたところでようやくヒロイン登場。

美しきパリジェンヌでありジャーナリストのアデル(ルイーズ・ブルゴワン)は、エジプトの「王家の谷」で、とあるミイラを捜し求めている。
ようやく、お目当てのミイラを発見したのも束の間、それを邪魔するのが彼女の宿敵デュールヴー博士(演じるは素顔がわかんないくらい、とんでもないメーキャップを施されたマチュー・アマルリック)。
博士の妨害をはねつけて、見事パリの自宅にミイラを連れて帰るアデル。
(ここで描かれるミイラの入った棺が、まるで段ボール箱のようにとっても「軽く」見える)

なぜ、彼女はそうまでしてミイラに執着するのか? それについては明確な説明はまったくない。
ただ、彼女の部屋には寝たきり(でもお目めはパッチリ開いているいわゆる脳死状態)の妹がいて、そこになんらかの理由があるようだ。
もっとも、本作のチラシなどには、「アデルは不治の病の妹を救うべく云々」と書かれているが、劇中でそれが明確になるのは映画が4分の3くらい過ぎた後になってから。

その後、物語は逮捕されたエスペランデュー博士の知り合いだったアデルが、なんとかして彼を牢屋から出そうと奮闘する姿と、件の翼竜退治のお話が描かれていく。
そこにアデルと科学者見習いの若者とのロマンスなども挟み込みつつ、物語も残り後少しになって、ようやくアデルの妹アガット(ロール・ド・クレルモン)の身に起こったことが明確になり、アデルがエジプトから持ち帰ったミイラがここで活躍することになる。

アデル2
かように本作は、基本的にコミカルな味わいをもった作品であり、1本の映画のなかにあらゆる要素がつまった、バラエティゆたかな内容になって飽きさせはしないのだが、どうも個々のエピソードが互いにうまく噛みあっているとはいいがたい。
そもそも本作の主人公はアデルなのだが、その中心がどうもズレているというか姿勢が定まっていないというか、登場人物が多すぎる(それぞれに個性が強い)のも、その要因なんだろうけれど、最終的にはヒロインよりもサブ・キャラのカポニ警部にまつわるドタバタ劇のほうがかなり印象が強いのである。


先に書いたように、本作はコミックが原作。
その原作については目にしたことがないので確かなことは言えないが、おそらくは個々のエピソードが独立して描かれているのだろう。それをそのまま映画化してしまったがために、アデルがヒロイン、という主軸がズレてしまったのではないかと想像する。
この主軸がズレているというのが、どうも僕にはしっくりこなくて、言ってしまえばそれは気持ち悪いくらいであり、結局は、「なんじゃこりゃ?」という珍品にしか映らなかった。


アデルを演じたルイーズ・ブルゴワンは顔の黒子がとっても魅力的な美人。
さすが、本国で人気が出た&ベッソンが見初めただけのことはある。
本作では美しいバストトップも披露していて、度胸も持ち合わせている逸材だと思う。

劇中、一人七役を披露するコミカルな場面(もっとも、全編コミカルなんだけど)があって、これは彼女が担当していたお天気情報番組での彼女の「持ち芸」だったようで、おそらくその場面はフランス本国では拍手喝采だったのだろう。
ま、言ってみれば「インディ・ジョーンズ」の女性版のようなアドベンチャー映画かと思ったら、ちょいとお金のかかったアイドル映画ような仕上がりといった感じ。

アデル3
とはいえ、日本においてロードショー館でしかも大規模公開されるフランス映画となれば、久しくなかったのではないか。

そんななかでも監督がリュック・ベッソン、というだけで(なんせ、ヒロインからしてキャリアが浅いし、他の出演者のネームバリューもかなり低い)こういう公開形態がとられたことをみるにつけ、まだまだ日本ではリュック・ベッソンの名前で商売できるのだなぁ、ってなことを実感した次第。
でも、明らかに『グラン・ブルー』(88)『レオン』(94)のような作品とは、別人が撮ったんじゃないか? ってくらいにここ数年の彼の作風が変わってしまっている。
演出も下手っぴになったように思えるのは僕だけだろうか?

いやいや、ベッソンってたしか、『アーサーとミニモイ』三部作で監督業を辞めるはずだったんじゃないのか?

ってことは、本作は何なの?

あ、ルイーズ・ブルゴワンに惚れ込んだベッソンの、彼女に対するプレゼント(これをダシにして、あわよくば彼女を私物化しようと企んだのか)としての映画だったのかも・・・。
と、あれこれそっちのほうの想像が膨らんでしまう、それを考えりゃ違う意味でのファンタジー巨編であった。


本作は、おそらくは続編が作られるであろう展開でジ・エンドとなる。
最初の方に登場してから劇中に一切姿を現さないデュールヴー博士が最後の最後で再登場しつつ、世界的に有名なある事件にアデルが関わっていくことを示唆するところで一巻の終わり。
もっとも、ベッソン監督は続編を作るつもりはないのだ(ルイーズ・ブルゴワンへのプレゼント映画だとしたら、そうかもね)そうだが、あのラスト・シーンを観たら思わず「ウソやろ~~~(続編を作らないってことが)」って思ってしまうこと間違いない。

なお、本作のエンドクレジットの途中には、けっこう長めのシチュエーションが残っている。
僕が観た時は場内のお客さんのほとんどが出て行ってしまった後だった。
まぁ、見逃しても大して影響はないけど、このあたりもなんていうか、

「お客さん、もう1シーンありますよ」

みたいなニュアンスを持たせてあげればよかったのになぁ・・・というところがなんとも空しかった。

やっぱりベッソン、監督よりもプロデュース業に専念したほうがいいんじゃないかって思ったよ。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中50点】


※本作のサントラ。
スコアはリュック・ベッソンの盟友、エリック・セラ。
監督同様、セラのスコアもここ数年、かなり変わってきている(より聴きやすくなった、というか角が取れたんだろう)。
アデルを演じたルイーズ・ブルゴワンのヴォーカル曲も収録。



※本作のノベライズ。
ノベライズとは原作ではなく(混同する方がいまだにおられます)、脚本を小説に起こしたもの。
昔はお目当ての映画だったら、必ず読んだものですが・・・。



※チチダスmimiこと水原美々のベストDVDなんだそうな。
これって18歳未満でも買えるんですね・・・。




コメント

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://binsan67.jp/tb.php/111-343252a6