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■『ロストクライム 閃光』■(映画) 


ロストクライムセンコウ
【公式サイト】はコチラ。

昭和43年に起こった「三億円事件」については、時効が成立した昭和を代表する怪事件ということで、その真相に迫った映画やTVドラマもいくつかあって、それぞれに独自の考察がなされているのが面白い。
たとえば、4年前の『初恋』(06)では、犯人の一人(あの白バイ警官)は、宮あおい演じる女子高生だったという大胆な解釈。
もっとも、犯罪映画以前に秀逸な青春映画としての印象が強かった。

今回の『ロストクライム 閃光』は、永瀬隼介という方が書かれた小説(すんません、未読です)を、巨匠伊藤俊也監督が映画化したもの。


物語の舞台は現代の東京。
隅田川の河口で、ある水死体が発見される。
事件の捜査に当たったのは定年間近の老刑事滝口(奥田瑛二)と駆け出しの新米刑事片桐(渡辺大)。
滝口はその水死体の身元を調べるうちに、ある確信を抱く。
その事件の鍵を握るのは、40年前に起こった「三億円事件」であり、映画は両者の関係を描いていくことで、「三億円事件」の真相を暴いていくという内容。


滝口と片桐といういわゆる二人の刑事によるバディ・ムービーのスタイルをとりつつ、「三億円事件」がもたらした社会的な影響とその陰で辛酸をなめた人々の姿を、伊藤俊也監督の多少ケレン味あふれる演出でもって描かれており飽きさない。
正直、映像に合ってなかったんじゃないか・・・と思う大仰な大島ミチルのスコアも、そのケレン味を加速させるに一役かっている。

ってなことはともかく、本作においては、本題よりももっと違う部分で思わず驚いてしまった部分があって、それはまた後で触れることにする。

映画では「三億円事件」の犯人は明確に描かれてはいるものの、正直なところそこに強い意外性はない。
つまりは予想できる範疇を超えないということ。

現代に起こった事件と「三億円事件」とのつながりも、十分に納得できる内容になっており、その過程と顛末についてはここで明らかにするものではなく、ぜひ映画をご覧になってその究極のタブーとやらを目の当りにしていただきたい。

ただ、犯人の動機がいまいち不明瞭なのが難点。
その犯人の置かれた背景などから、あの大胆な事件を計画するにいたった、という流れは理解できるのだが、決定的な部分が曖昧になっているのでなんともすっきりしない。
それは本作のラストにおいてもそう。
あまり詳細なことは書けないが、エンドクレジットにおいて、いくら夜明けの隅田川の水面が延々と映し出され、そこにDEEPによるロッカバラードが高らかに流れていても、爽快感は皆無に等しいと書いておこう。

とにかく、昭和の大事件の真相とその顛末における、ひとつの考察という意味では、興味を持たれた方はご覧になってみるのもよろしかろう。


さてこの映画、たしかに本題の「三億円事件」についての描写も興味深いが、先にも触れたように、それ以上に驚いた部分が幾つかあった。

そのひとつは、やたらと食べるシーンの多いこと。

最初の水死体の身元が中華料理屋の店主ということで、聞き込みに行った滝口&片桐刑事が、未亡人からラーメンを薦められ、それを黙々と食べるシーンをなんと1カット長回しで描く。
特に奥田瑛二演じる滝口刑事のラーメンの食べ方、あれはいただけなかった。
多分、実際にあんな食べ方をしてるんだろう。
どういう食べ方をするかってのは、これまた実際に映画を観ていただきたい。

それを筆頭に、焼肉屋で焼肉を食べる場面が2回も登場する。
ひとつは鉄板で肉を焼く店。
もうひとつは七輪で肉を焼く店。
個人的には後者のほうがおいしそうに見えた。

あと、おにぎりを食べる二人の刑事などなど・・・。

っていうか、そういう映画じゃないんだけどね、これ。
でも、そういう場面がやたら脳裏にこびりつく。


それともうひとつビックリしたのは、ベッドシーンがやたら多いこと(笑)

渡辺大演じる片桐刑事は、元ソープ嬢の恋人(グラビアアイドルの川村ゆきえが好演)と同棲中なんだが、まずこの二人のベッドシーン(渡辺大は尻丸見えなのに、川村ゆきえはほとんど見えないのはどういうこった!)に始まり、なんと、奥田瑛二と中田喜子(!)とのベッドシーンが登場!!
中田喜子って、それまでエロティックなイメージがまったくなかったものだから、これには目からウロコが落ちましたですよ。
で、どういうシチュエーションで、そういう場面が展開されるかは、これも実際に映画をご覧いただきたい(けっこう哀しい場面でもあるのだが、それ以上に滑稽に見えてしまったよ・・・)。

そして極めつけが宅麻伸とかたせ梨乃とのベッドシーンまでおまけでついてくるという出血サービスぶり(何に対するサービスなのかよくわからんが)。
こんなの、2時間ドラマでも観られませんよ。
貴重でございますよ~~~奥さん!!


ってなわけで、本題とは全然違うところで、全然違う部分ばかりが印象に残ってしまったという意味では、まさに「ただでは、すまない」異色作であった。

・・・それでいいのか?


追伸:本作は劇場パンフレットが販売されてなかった(劇場の売店ではパンフが製作されていないと但し書きあり)。
やたら価格が高いわりに内容の薄いパンフが氾濫している中で、これはひつの英断といえるのかもしれない。
もっとも、作られなかったほんとの理由は知らないけど・・・。

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中50点】


※原作本です。
なんでも、ラストシーンは映画とかなり違うみたい。原作の方がよくできていると思いました。



※大島ミチルによる本作のサントラ。
DEEPによる主題歌(ショート・バージョン)も収録されています。



※川村ゆきえの最新写真集。
いったい、どんな「罰」なんだらふか。むぅ・・・覗いてみたひ。




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