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■『しあわせの隠れ場所』■(映画) 


シアワセノカクレバショ
主演のサンドラ・ブロックがゴールデン・グローブ賞、アカデミー賞共に最優秀主演女優賞を手にした感動作。
よく知らないんですが、アメリカン・フットボールの選手にマイケル・オアーという方がおられるそうで、その彼がプロ選手になれたのには、とある家族との心の絆があったのでした、という実話を基にした物語。


貧しい生活を送る黒人青年マイケル(クイントン・アーロン)。
家を出たままの父親は誰かに殺され、母親はコカイン中毒者。
兄弟とは引き離されるという境遇の彼は、自分の居場所もなくホームレスな日々を送っていました。

ある冬の日、Tシャツと短パン姿で夜道をとぼとぼと歩いているマイケル。
彼はわずかでも寒さをしのぐために、学校の体育館で寝泊りしようとしておりました。食事は拾ったスナック菓子。

そんな彼の横を、一台の車が通り過ぎようとしております。その車にはショーン・テューイ(ティム・マッグロウ)一家が乗っておりました。
家長のショーンは、タコベル(日本ではほとんど見かけないハンバーガー・チェーン)やケンタのオーナーである、いわゆるお金持ち。その奥さんでインテリア・デザイナーのリー・アン(サンドラ・ブロック)は、マイケルの姿を見かね、夫に頼んで車に乗せるや自宅へ連れて行きます。
そこでテューイ一家の温かいほどこしを受けたマイケル。
そんなマイケルの、貧しくとも心が清らかなところに打たれたリー・アンは、彼の後見人になることを決意します。

実の母親の承諾を得、晴れてテューイ一家の一員となったマイケル。
学校へも通うようになり成績もアップ。
また、アメフト・ファンであるチューイ一家の後押しもあって、アメフト・チームに入団してメキメキ活躍するマイケルでしたが、心が優しいゆえに肝心のタックルができないのが玉にキズ。
しかし、ある事件をきっかけに無敵の選手となったマイケルは、あらゆる大学からのスカウトがひっきりなしにやってくるのでした。

そんな順風満帆かと思えたマイケルの前途には、しかし、ある試練が待ちうけていたのでした・・・。

シアワセノカクレバショ1
お金持ちの気まぐれに貧乏人を助けてやるなんて、

それで感動作っていわれてもなぁ・・・、
嫌味な映画だなぁ・・・、
しかも実話っていうのがなぁ・・・、

と観る前はマイナスな要素がいろいろ渦巻いていたんですけど、なんというか素直な映画という言葉がピッタリな清々しい作品でした。

本作の本当の主役はマイケルなんでしょうけど、気は優しくて力持ちなまるで「ドカベン」みたいなマイケルのキャラクター以上に、テューイ一家がとっても人間的によくできているんですねぇ。
ホームレスでしかも黒人の青年を家に連れて帰るって、まるでマザー・テレサか光明皇后かというべきヒロインのリー・アンですが、よくありがちなのはヒロインがそうでも夫は疎ましく思う、ってなものですが、本作は夫婦共に人間が出来ている。
そんな人間、おりまへんでぇ~~~と、たとえ実話とはいえ、それってファンタジーじゃん、と穿ってしまうのも僕だけじゃないと思うんですよね。

でも、本作のテューイ夫妻はそういう人間なんだから仕方がない。


また、一家にはお年頃の娘さん(リリー・コリンズ)や、息子さん(ジェイ・ヘッド。この子がとっても味のある演技を見せてくれます!)もいるんですけど、この子供たちもマイケルを温かく受け入れるのす。
とにかく、テューイ一家は全身全霊でこのマイケルを救おうとするんですね。

特にリー・アンの友達が、

「あ~~~ら、おたくには年頃の娘さんがいらっしゃるのに、平気で若い黒人を住まわせてらっしゃるなんてぇ・・・
何かあったら大変でございますことよ、おほほのほ・・・(細かいことはともかく、こんなニュアンスです)」、

なんて下世話なことを言おうものなら、

「あほんだらっ!! うちの娘はアンタらとは人間の出来が違うんじゃい!! しょ~もないこと言うとったら、いてこますどぉ!!!(詳細はともかく、こんなニュアンスです)」

と、啖呵を切るリー・アン。

こんな、肝っ玉母ちゃんみたいなヒロインのキャラクターが、とってもさっぱりしてまして、本作を観て特に感動するとか強く感銘を受けるというよりも、先にも書いたようにとっても清々しい気分になるそんな映画でありました。

ま、そういうところが今回のアカデミー賞での評価につながったんじゃないかと思いますねぇ。



映画はクライマックスでマイケルにある試練がふりかかるのですが、それさえも爽やかな印象の残る形で対処されていきます。
とにかく、人を信じる力は何事にも替えがたいものであることよ!! としみじみ実感した佳作でした。

シアワセノカクレバショ2
ただ、どうしても気になるのがマイケルに対して何の見返りもないほどこしをする、リー・アンをはじめとするテューイ一家の、なんでそこまでできるのか? という部分が薄いんです。

そこを突っ込んで描かれていないのが、この映画の弱いところ。
ただし、劇場パンフをよくよく読んでみたらば、ショーン・テューイもマイケルと同じく、かつては極貧の生い立ちだったそうで、そこからのしあがって現在のお金持ちになったとのこと。

つまりはマイケルに自分の若かった頃の姿を重ねたわけですね。


映画はマイケルがいかにして極貧の生活から、アメフトのプロ選手になったかが本筋なので、サイド・エピソードは不要と考えたのかもしれませんけど、確かに性善説を謳うのは素晴らしいと思いますが、その根拠となる部分が語られないのはちょいと納得いきませんなぁ、というのは、僕の心が汚れているからなんでしょうかね・・・。


同じくスポーツ感動物で爽やかな映画だった『オールド・ルーキー』(02)を監督したジョン・リー・ハンコックの演出、そしてここ数作、彼とコラボを組んでいるカーター・バーウェルのスコアもソツのない仕上がりになっていますが、すでに何度もかそれゆえさっぱりし過ぎな印象があったて、印象深さに欠けるのも否めませんでしたねぇ。


さらに書けば、邦題の『しあわせの隠れ場所』というのも、あまりピンとこない。
これ、原題は『THE BLIND SIDE』といって、アメフトの専門用語なんだとか(「視角」とか「盲点」という意味)。
それを邦題に絡めたということなんでしょうけど、それでもねぇ、やっぱりピンとこないんですよねぇ。。
どうせなら、原題のまま「ブラインド・サイド」(原作本のタイトルは原題のままだし)でも良かったんじゃないのかなぁ・・・。


あと、もう一つ気になった(というか、これが本編中最も気になった)のは、サンドラ・ブロックの衣装。
特にクライマックスにおける彼女なんですけど、そのぉ・・・ブラジャー着けてらっしゃらないんですよ。

だから、そのぉ・・・胸のポッチリがハッキリ浮き上がっておりまして、そこばかりに視線が集中してしまって、映画どころじゃございませなんだ。
昨年公開された『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』(09)ジェニファー・アニストンもそうだったなぁ。

アメリカの女性って、そんなの気にならないのかしらん・・・?

(MOVIX橿原にて鑑賞)

【採点:100点中60点】


※本作のサントラ。
ジョン・リー・ハンコック監督とは、『オールド・ルーキー』(02)、『アラモ』(04)などでコラボレーションしているカーター・バーウェルによるスコア。
エモーショナルなスコアではなく、どちらかといえば軽い仕上がり。それが映画の清々しさを引き出しています。
iTuneによるダウンロード販売(購入希望の方は、画像をクリック!)。


The Blind Side: Music From The Motion Picture


※本作の原案となった、ノンフィクション。




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