■『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』■(映画) 







スターウォーズフォースノカクセイオモテ
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3月25日で日本での上映は一斉終了する。
一斉公開というのはよくあるけど、一斉終了ってのは珍しい。
まぁ、いつまでもずるずる引きずってたら、ブルーレイとか売る際の支障になるというものだろうが。

とにかく記録的な大ヒットになったのは、SWファンとしては素直に嬉しいわけで、これだったらもう1回くらい観に行ってもいいかなと思っていた。
なんせ、セブンイレブンで世界最速チケット販売! ってのに乗せられて買った前売り券がまだあるし・・・(笑)
んなこたぁともかく、やっぱり、大スクリーンで観るSWは格別だった。

そもそも、ジョージ・ルーカスのつじつま合わせのようなEP1~3は、ファンとしてはそれはそれで公開されるのは楽しみだったけど、手放しで喜べなかったというか、のめり込めなかったというのが本音だ。
ルーカスが作った世界なのだから、楽しまなきゃいけないという半ば使命というか、強迫観念というか、そんなものがあったように思う。
それでも、アナキン・スカイウォーカーがダース・ヴェイダーに転生して、ヨーダがダゴバに隠棲して、ルークとレイアはオーウェン&ベル夫妻に預けられたところで物語に一応の決着がつき、これでSWの世界を劇場で観るのは、今後3Dでのリバイバル上映くらいになるんだろうな、と思っていた。
結局、3DのリバイバルはEP1だけだったけどね。

それがまさかの新作公開。
しかも、ルーカスの手を離れてJ.J.エイブラハムズが監督するというニュースを聞いた時は、これはガセネタだろうと思った。
なにしろ、『スター・トレック』を監督したエイブラハムズである。
『スター・トレック』に『SW』ってあんた、そんな都合のいい話はないやろ、ってなもので。

しかし、それは現実となった。
それでも、たとえばEP1~6の世界とはパラレルワールドのお話で、最後に時空の壁を超えて年老いたルークがスレイブ1みたいなひょこひょこした宇宙船に乗って現われるような、そんな話になるんじゃないかと思った。
まぁ、同じ手は二度も使わないだろうけれど、それでも予告編を観るまではすべてが信じられなかった。

配給も20世紀FOXじゃなく、ウォルトディズニーになると聞いた時も、ある程度の落胆(オープニングにアルフレッド・ニューマンのファンファーレが響かないSWなんて!)もしたが、それでも徐々に伝わってくるスチール写真であるとか、小出し小出しで流れ出したほんの短い予告編にこれはひょっとしたらやってくれるかも、という期待は徐々に高まっていった。

スターウォーズフォスノカクセイウラ
2015年12月18日の全国一斉公開の日は仕事で観に行けなかった。
そりゃあ、平日の夕方なんて会社の隣に映画館がなけりゃ観に行けますかいな(笑)
翌19日は四国に出張で観に行けず。

結局、劇場で観たのは公開3日経ってからの20日の朝だった。
それまでの3日間、すべての情報をシャットアウトして過ごす辛さよ。
それでも、おしなべてネットではネタバラシをするような方はおられなかったように思う。
アメリカではネタバラシして殺す、殺さないなんて騒動もあったみたい。
もっとも日本でもとある模型ライターが、雑誌で早々にネタバラシするような愚行をしてたけど、ああいう空気の読めないバカタレもいないわけではなかったが、そんなのはほんとに極少数だった。

懸念していた冒頭のシンデレラ城と「星に願いを」のメロディは排除されていた。
これはSWの世界観を壊さないようにとの、エイブラハムズの配慮だったそうだ。
エイブラハムズ、ええ奴やん。

まず驚いたのは、あのオープニング・ロールの最初の一文。
え? EP6以降、いったい何が起こったんだ? と思わせる絶妙なイントロだ。
エイブラハムズ、憎い奴。

そこから怒涛の130分あまり。
結局、本編では3回泣いた。
どこで泣いたかは具体的には書かない。
まだご覧になっていない向きもあるだろうから、あえてネタばらしはしない。

予告編でぐっと心を掴まれた、砂漠の惑星(タトウィーンかと思いきや、別の星なんやね)に横たわるスターデストロイヤー、Xウィングの残骸といった、ビジュアル面での感動は、本編ではさらにつるべ打ちのごとく次々と登場する。
ヒロイン、レイがかつての反乱軍のヘルメットをかぶりながら、スノーウォーカーの残骸にもたれて飯を食らうなんて、それだけでも絵になる。
こういったシーンがてんこ盛りで、それらが逐一琴線を刺激してくる。

たしかに指摘されているように、ストーリーはEP4の焼き直し、というのも否定できない。
帝国軍vs反乱軍、そこに主人公が巻き込まれる、という構図は、今回のファースト・オーダー(帝国軍の残党というか、それを崇拝するネオナチのような存在)vsレジスタンス(面子はレイアを筆頭とする反乱軍)、そこにヒロインが巻き込まれるという形で再現されている。
まぁ、歴史は繰り返すといわれるので、そこは贔屓目に見るとして、それでもこういうストーリー展開にすることで、新たな観客もSWの世界に入りやすくしたんじゃないかと考えると、そこはエイブラハムズ、そして脚本を担当したローレンス・カスダンの英断だったと思う。
すこしギリシャ悲劇的要素を匂わせているところも、隠し味として効いていたと思う。

また、新たなキャラクターが物語を膨らませており、そのあたりも詳細には触れないが、個人的には今回のEP7はすべてにおいて満足だった。
マックス・フォン・シドーを贅沢に使っているなぁとか、重箱の隅をつつくといろいろないわけではないが、レイはええおね~ちゃんだし、BB-8はキュートだし、ハン・ソロとレイアはいい感じで歳を重ねてるし、伴大介みたいな風貌になった・・・それ以上は書かない(笑)

20日の公開の翌週にはIMAX3D(20日は2D版での鑑賞だった)で観たし、さらに年が替わって一か月後には吹き替え版で4DX版を観た。
それだけ鑑賞に耐える作品であり、観るたびに新たな発見のある密度の濃い作品である。
ゆえに、最終上映までにあと1回くらいは観てもいいなと思っていたが、先にも書いたようにそれは残念ながらかなわない。
今後は、そのうち発売されるであろうブルーレイで追体験するしかないのは、なんだか祭りの後の寂しさみたいなものを感じる。



スターウォーズフォースノカクセイ
スコアは過去6作同様ジョン・ウィリアムズが担当。
エイブラハムズが監督となると、スコアはマイケル・ジアッキーノかと思ったが、ジアッキーノ自身、ウィリアムズのスコアでSWを観たいと言ったとかで、じゃあ、当初はやっぱりジアッキーノにオファーがあったのか、と思わせるエピソードも漏れ伝わっている。

スコアはやはりライト・モティーフの手法(登場人物それぞれに具体的なテーマを書くというもの)を取り入れ、EP1~3のスコアよりもより具体的かつ聴きやすいスコアに仕上がっている。
ヒロインのレイ、敵役のカイロ・レン、レジスタンス、ファルコン・チェイス(惑星ジャクー上で展開される、TIEファイターとのチェイス・シーンに流れる)といったそれぞれの主題が用意されており、場面に合わせてそれらが流れてくるという構成。
そういった新たなテーマ曲に、お馴染みのレイア、ジェダイの主題が絡んできて、音楽面でも往年のファン心理をくすぐるという趣向だ。
無論、ルーク・スカイウォーカーの主題であるメインテーマも、オープニングはもとより、随所に流れてきて盛り上げてくれる。

とりわけ本作ではヒロイン、レイの主題が特出した仕上がり。
ウィリアムズ作品では『SAYURI』のテーマを想起させるエキゾティックな旋律は、これまでのエピソードでは聴かれなかったものだ。
ここに御年80歳を超えるベテラン・マエストロの衰えないパッションが実感できるというものだ。

対する敵役カイロ・レンの主題はかつてのダース・ヴェイダーの主題(「帝国のマーチ」)ほど鮮明ではないが、今後エピソードを重ねていくにつれ、エッジの効いた旋律になっていくのだろう。

ラスト・シーンについてはここで詳細は書かないけれど、相当にドラマティックな旋律でファンの感情をゆさぶってくる。
それが真骨頂に達して、お馴染みのファンファーレとともにルークの主題という定番の流れ。SWのラストはこうでなければ!
それに続くレイの主題、カイロ・レンの主題、ファルコン・チェイスの主題、レジスタンスの主題と続き、最後は壮大なクレッシェンドで終わるかと思いきや、静かにルークの主題が流れて終わるという構成になっている。
個人的にはEP4~6のように、クレッシェンドで終わってほしかったが、最近のウィリアムズは他の作品もそうだが、壮大に締めくくるというスタイルを取らない。
これは単に年齢を重ねたことで趣向が変わったのか、それともここは溜めて溜めて、EP9あたりで壮大なラストを響かせようという魂胆なんだろうか。

本作のスコア収録時に体調を崩したウィリアムズ御大。
ゆえにスコアの幾つかはウィリアムズではなくグスタボ・デュダメルがオーケストラを指揮している。
デュダメルはロス・フィルの音楽監督であり、2014年にはウィリアムズ作品のコンサートで指揮を担当、その模様はNHK-BSでも放映された。
ウィリアムズは彼に相当な信頼をおいているようで、メインテーマをはじめ本作の主要なスコアの指揮を任せている。
ちなみに、ウィリアムズは入院してしまったので、同時期に作曲予定だったスピルバーグの『ブリッジ・オブ・スパイ』は降板せざるを得なくなった。

体調の方は戻ったようでなによりだが、ぜひともウィリアムズ御大にはEP9までスコアを書き続けていただきたいものだ。

サントラCDはアメリカ本国とほぼ同時期に国内盤もリリース。
外装は本国盤がデジパック仕様に対し、国内盤は紙ケース入りのプラケース仕様。
同時期リリースのため、国内盤には本国盤インレイにあるエイブラハムズの謝辞の翻訳がついているのみ。そこにジャケットと同デザインのステッカーが封入されている。
ディズニー関連のサントラは日本ではエイベックスからリリースされているが、ここは昔からその装丁はサントラ・ファンにウケが悪い。
最近でこそ日本語による解説等もつくようになったが、ポニーキャニオンから切り替わった当初はろくに解説もつかないようなものだった。
今回も本国と同時期リリースなので仕方がないといえばそれまでだが、せめてウィリアムズに関する解説の一つくらい挟み込んでも良かろうものを。
正直、ステッカーなんて要らない。
映画は先へと進んでいくのに、エイベックスは過去に逆戻りしている。


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