ビンさんの銀幕音楽堂・第682回(2015年2月28日放送分) 







【放送日:2015年2月28日 PM9:00オンエア】

・ニューシネマ・サウンド:『アメリカン・スナイパー』

『続・荒野の1ドル銀貨』ostより「The funeral」(co:エンニオ・モリコーネ)
「夜空のトランペット」(co:ニニ・ロッソ)
『荒野の用心棒』ostより「荒野の用心棒」(co:エンニオ・モリコーネ)


・銀幕アラカルト:フレンチ・フィルム・ノワール特集

「グリスビーのブルース(演奏: スリーサンズ)
『現金に手を出すな』ostより「グリスビーのブルース」(co: ジャン・ウィエネル)
『地下室のメロディ』ostより「パーム・ビーチ」(co: ミシェル・マーニュ)
『フリック・ストーリー』ostより「テーマ」(co: クロード・ボラン)
『ボルサリーノ』ostより「フィナーレ」(co:クロード・ボラン)
『シシリアン』ostより「シシリアン」(co: エンニオ・モリコーネ)


・銀幕音楽堂メールボックス

番組宛にいただいた、メール、FAXの紹介など。


以上のラインナップでお送りいたします。



奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時

コミュニティFMですので、奈良県内だとカーラジオならたいてい聴取可能なのですが、自宅となると限られた地域しかクリアに聴けません。
もし、聴取可能だよ~、という地域にお住まいであれば聴いていただけるとありがたいです。
聴けない方には、雰囲気だけでもお伝えすべく、ここに放送内容をUPしておきます。



《裏ばなし》

いよいよ発表になりました本年度のアカデミー賞。
期待していた『かぐや姫の物語』は残念ながらオスカー受賞を逃してしまいました。
作品賞等、主要な賞のノミネート作品が、軒並み日本未公開ということで、例年に比べるとイマイチ、賞に対する注目度は低かったような気がしますねぇ。

音楽面でいえば、ようやくオスカーを手にしたアレクサンドル・デスプラには、映画音楽ファンとしても納得&賞賛を送りたい気持ちでいっぱいです。
デスプラの特集は次回にでもやってみようかな、なんて思っています。

さて、今回の番組では、そのアカデミー賞でも主要部門でノミネートされており、日本でも先週から公開が始まった話題作、『アメリカン・スナイパー』を特集。
クリント・イーストウッド監督最新作ということで、彼の映画には彼自身が作曲したスコアがつきもの。
ただし、今回はサントラのリリースはありません。
劇中では彼が作曲したスコアはほんの僅か流れるのみ。
エンドクレジットはまったくの無音という、ちょっと異例な内容になっています。

ただ、クライマックス・シーンでは、エンニオ・モリコーネが手掛けた65年の作品、『続・荒野の1ドル銀貨』(65)の中から「The funeral」というスコアが引用されています。
このスコア、原曲は南北戦争中、ダニエル・バターフィールドによって作曲された「タップス(消灯ラッパ、もしくは葬送ラッパ)」のメロディであり、モリコーネはこれを劇中の葬儀の場面の音楽としてアレンジして使用したわけです。

で、その曲を今回はイーストウッドが自身の最新作において、クライマックスの印象的な場面に使ったわけですが、同じタップスを元に、同じく65年に大ヒットしたナンバーに、ニニ・ロッソの「夜空のトランペット」があります。

モリコーネとニニ・ロッソの間に、なんらかの交流があったのか、ただ偶然にこの2つの曲が同じ時期に生まれたのか、その真相は定かではありません。
ただ、番組ではその2つの音楽の関連性を示唆するエピソードについて取り上げており、そのヒントとなる音楽であるモリコーネの『荒野の用心棒』(64)について言及しています。

今回はいつになく、アカデミックな内容でございますよ(笑)

続く、「銀幕アラカルト」では、リスナーさんよりいただいたリクエストを元に、「フレンチ・フィルム・ノワール特集」を。
リクエストいただいたのは、『現金に手を出すな』(54)のテーマ曲である「グリスビーのブルース」。
映画音楽を離れ、いまやポピュラー・ミュージックとしても親しまれているナンバーですが、番組ではスリーサンズによるアレンジ・バージョンとオリジナル・サウンドトラック・バージョンの聴き比べを。

さらに、同ジャンルの作品からいくつかピックアップしての、いつもよりちょっと大人な番組に仕上がっています。
どうか、ご堪能あれ。


ユウヒノヨウジンボウゾクコウヤノイチドルギンカ
エンニオ・モリコーネによる、マカロニ・ウェスタン2作品のカップリング。
『夕陽の用心棒』と『続・荒野の1ドル銀貨』(共に65年)のスコアを収録。
いずれも主演はイーストウッドではなく、ジュリアーノ・ジェンマ。

公開されている『アメリカン・スナイパー』のクライマックスには、『続・荒野の1ドル銀貨』のなかから「The funeral」を使用している。

イタリアGDMレーベルからリリースされていたCDは既に廃盤。
現在はダウンロードで購入可能。


【amazon MP-3】
【iTunes】




ニニロッソエイエンノオリジナルヒットシュウ
世界的トランぺッター、ニニ・ロッソの作品集。

代表作「夜空のトランペット」をはじめ、数々の名曲を網羅。
これ一枚で彼の魅力が堪能できるようになっている。

嬉しいのは「水曜日の夜」が収録されていること。
かつて日本テレビ系「水曜ロードショー」のテーマとして使われた名曲で、これを聴くと強烈なノスタルジーに襲われてしまう。


【amazon】
【タワーレコード】




コウヤノヨウジンボウ
『荒野の用心棒』(64)のサントラ。
スコア担当はエンニオ・モリコーネ。

言わずと知れたモリコーネの代表作であり、マカロニ・ウェスタンの代表作でもある。
そして、クリント・イーストウッドの出世作でもある。

『アメリカン・スナイパー』の音楽を語る上で、モリコーネのスコアが使われているということは、やはり自身をスターダムに押し上げた映画の音楽担当という思いもイーストウッドにはあったのだろう。
それもそうだが、番組では違う見地から、『荒野の用心棒』を取り上げてみた。
なぜかは、番組をお聴きあれ(笑)

本作のサントラは、いろんな形でリリースされているが、ここでは『夕陽のガンマン』(65)とのカップリングのCDを挙げてみた。


【amazon】



フレンチフィルムノワーツアンソロジー
『フレンチ・フョイルム・ノワール・アンソロジーVol.1』。
フランス製犯罪映画のオリジナル・サウンドトラック音源を、50年代の代表作から収録した画期的なシリーズ。

プレイタイムより99年リリース。
中には有名な作品もあれば、日本では公開すらされていない作品、はたまたTVドラマまで、いわゆるフィルム・ノワールなら集めようというコンセプトは、マニアのためにこそ許されるものだと思う。

Vol.1には『現金に手を出すな』、『地下室のメロディ』、『ピアニストを撃て』等々、比較的日本でも馴染みのある作品が収録されている。

残念ながらすでに廃盤。




クロードボランサクヒンシュウ
フランスの作曲家、クロード・ボラン(ボーリング)の作品集。

『ボルサリーノ』(70)、『ボルサリーノ2』(75)、『フリック・ストーリー』(75)、そしてドキュメンタリー作品の計4作のスコアを収録。
とりわけ『ボルサリーノ』2作品の主要スコアが収録されているのがお得感があるというものだ。

これ1枚でボランの魅力を十分堪能できる優れものなCD。
ただし、現在はすでに廃盤。




シシリアン
『シシリアン』(69)のサントラ。
スコア担当はエンニオ・モリコーネ。

監督、出演者共にフランス人であり、フランス映画に違いないが、モリコーネが音楽を書くだけで、どこかイタリアンな香りが漂う。
インパクト大なメインテーマは、口琴の眩惑的な音色と共に強烈に耳に残る。
こういうスコアを書かせると、本当にモリコーネは天才だなぁ・・・とつくづく思う次第。

なお、CDは既に廃盤。