ビンさんの銀幕音楽堂・第605回(2013年8月31日放送分) 







【放送日:2013年8月31日 PM9:00オンエア】

・ニューシネマ・サウンド・スペシャル:2013年夏休み映画特集!

『パシフィック・リム』ostより「Pacific Rim」(co:ラミン・ジャワディ)

『ワールド・ウォーZ』より「Philadelphia」(co:マルコ・ベルトラミ)

『ホワイトハウス・ダウン』より「ホワイトハウス・ダウン・オープニング・テーマ」(co:ハロルド・クローサー&トーマス・ヴァンカー)

『少年H』より「不死鳥~The Sun Will Rise Again」(co:池頼広)

『スター・トレック イントゥ・ダークネス』より「STAR TREK MAIN THEME」(co:マイケル・ジアッキーノ)

『ローン・レンジャー』より「Finale」(co:ロッシーニ、AR:ジェフ・ザネリ)


また、番組にチケット提供していただいてます、MOVIX橿原さんの上映情報など。



以上のラインナップでお送りいたします。



奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時

コミュニティFMですので、奈良県内だとカーラジオならたいてい聴取可能なのですが、自宅となると限られた地域しかクリアに聴けません。
もし、聴取可能だよ~、という地域にお住まいであれば聴いていただけるとありがたいです。
聴けない方には、雰囲気だけでもお伝えすべく、ここに放送内容をUPしておきます。

番組では、MOVIX橿原のペア・チケットをプレゼント中!
ご希望の方は、上のリンク先より当番組宛に番組の感想、リクエスト、映画に関連することならなんでもメール、FAX、受け付けております。
いただいた方には全国のMOVIXで使用できる(できれば地元、MOVIX橿原で使用していただきたい・・・)ペア・チケットをお送りいたします。



《裏ばなし》

今回は2013年サマームービーの音楽を一挙お送りいたします。

この8月は数週間にわたって特別企画をお送りしてきましたので、新作の音源、いろいろ溜まっております。
ここで一気に大放出いたします。とはいえ、『マン・オブ・スティール』と『ガッチャマン』は次回になってしまいましたけど・・・。

とにかく今年のサマームービーはバラエティに富んだ内容で、映画ファンとしてはじつに嬉しいラインナップでした。

エンターテインメントのあらゆるジャンルが網羅されいて(なかったのは恋愛ドラマくらいなものか?)、これぞ夏休み! という印象でした。

猛暑、酷暑の中、避暑地として映画館へ駆け込まれた方も少なくなかったと思いますが、と同時に「いい思い出」を映画館で作った方も少なくなかったのではないでしょうか。

そして、少しでも映像ともに流れたいたスコアを覚えてらっしゃる方は番組で追体験していただき、まだ観てない映画もあるよ、という方には鑑賞の参考にしていただければと。

今回は取り上げる作品が通常よりも割増し(笑)になっているので、極力よけいなお喋りは控えたつもりですが、そこはそれ、喋りがあっての当番組でもありますし、ちょっとはご了承いただければ幸いです。
それに関連して、じつは今回、リクエストをいただいたナンバーもあったし、番組宛にお便りもいただいたのですが、時間の関係上、次回に回してしまいましたことをお許し下さい。

最後に告知。

来週の土曜日、9月7日の正午からオンエアしております、「土曜もちゃりすた」(りーべる王寺地下サテライト・スタジオより生放送)に、ゲスト出演決定しました。
ゲスト出演といいますか、最初から最後までメインパーソナリティのトキ北川さんとともに、珍奇な歌謡曲をネタに久しぶりに「銀幕でない音楽堂」をお送りいたします。

ご用とお急ぎでない方、あるいはビンさんってどんな顔して喋ってるんだろう? という奇特な興味をお持ちの方(笑)は、7日(土)正午から、りーべる王寺地下サテライト・スタジオまでお越しくださいませ。よろしゅうに!



パシフィックリム
『パシフィック・リム』のサントラ。
スコア担当はラミン・ジャワディ。

ジャワディはハンス・ヅィマー率いる作曲家集団「リモート・コントロール(以下、RC)」の一人。
『アイアンマン』(08)、『タイタンの戦い』(10)、TVシリーズ『プリズン・ブレイク』(05)など話題作を担当。

今回はロボットと怪獣の対決を描いた作品ということで、『クローバーフィールド』(08)でマイケル・ジアッキーノが書いたような伊福部サウンドみたいなスコアかと思いきや、耳に飛び込んでくるのはギンギンのエレキギターの響き。

もちろん、スコアの基本はシンフォニックだが、ロック・テイストあふれる「今風」なサウンドになっているのが面白いし、繰り返されるフレーズは確実に耳に残る。
ちなみにギター演奏で参加しているのは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのトム・モレロ。
他にコーラスとしてプリシラ・アーンが参加。ヒロイン、マコのテーマに彼女のコーラスが響く。
また、エンド・クレジットにはジャワディの書いたテーマ曲をRZAがアレンジし、ブレイク・パールマンが唄うラップ・ナンバーが流れる。このブレイク・パールマンは、監督したギレルモ・デル・トロのデビュー作からの付き合いである怪優ロン・パールマン(本作でももちろん登場)の娘さんでもある。

なお、日本で入手できるサントラにはそのブレイク・パールマンのナンバーが収録されていない。
(以下のリンク先のものも、すべて未収録)
たとえば、amazonならば海外のサイト、iTunesも海外のサイトからダウンロードするものには収録されている。
版権の問題なんだろうか?


【amazon】
【タワーレコード】




ワールドウォーゼット
『ワールド・ウォーZ』のサントラ。
スコア担当はマルコ・ベルトラミ。

ゴア描写の希薄なゾンビ映画なれど、パニック映画の秀作としてみれば、そこから醸し出すスケール感と、それをサポートするベルトラミのスコアの相乗効果は、相当なものだ。

全体的に攻撃的なスコア、それこそ大挙として押し寄せてくるゾンビの群れの恐怖を、見事にスコアで表現している。
もはやベテランの域に達したと思えるベルトラミの手腕を堪能できる作品になっている。

強いていえば、メロディ的な要素がほとんどなく、そのあたりも満足いく仕上がりだったらなぁ・・・と思うのは、一スコア・ファンの勝手な要望だろうか。

いろんなサイトで書かれていることだけど、演奏にペッカリーという動物の骨を使用している。
これにはある俳優のアイデアが活かされているということだが、それについてはネットで調べるといろんな方が触れてらっしゃるので、あえてここでは書かない(情報の又聞きになってしまうので・・・ね)。
ちなみにペッカリーという動物については、僕が来週末に出演させてもらうFMハイホーの生番組「土曜もちゃりすた」のメインパーソナリティ、トキ北川氏が詳しい。・・・本作とはまったく関係のない知識であいすみませぬ。


【amazon】
【amazon MP-3】
【タワーレコード】
【iTunes】




ホワイトハウスダウン
『ホワイトハウス・ダウン』のサントラ。
スコア担当はハロルド・クローサー&トーマス・ヴァンカー。

エメリッヒ監督作品では、ここ数作スコアを担当しているハロルド・クローサー&トーマス・ヴァンカーが今回も登場。
パニック映画を盛り上げるシンフォニック・サウンドを堪能できる。

特に主旋律が印象深く、開巻早々にながれるメインテーマは、おそらく今後、多くのバラエティ番組やドキュメンタリー番組で使われること必至(いや、すでにもう使われているかもしれない)なキャッチーなメロディ。

また、劇中、主人公の娘が聴いているナンバーはミッキー・アンド・マロリーの「シェヴィー・ナイツ」。
これもスコアとともに収録されている。


【amazon】
【タワーレコード】
【iTunes】




ショウネンエッチ
『少年H』のサントラ。
スコア担当は池頼広。

どうしても『相棒シリーズ』のようなスコアを連想する池頼広氏だが、本作ではハートウォーミングなフル・オーケストラによるメインテーマが印象深い。

その旋律はエンディングではコーラスをともなって、幾分壮大に演奏される。
こういうスコアを聴くと、ああ、映画を観たなぁ・・・という気分にさせてくれる。


【amazon】
【タワーレコード】
【iTunes】




スタートレックイントゥダークネス
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のサントラ。
スコア担当はマイケル・ジアッキーノ。

J.J.エイブラハムズによるリブート版「スタトレ」第2弾。
スコアも前作同様ジアッキーノが担当し、あいかわらず見事なシンフォニック・スコアを聴かせてくれる。

シリーズということもあって、前作で鳴らしたリブート版「スタトレ」のテーマ曲も、随所に登場。これは嬉しい。

ただし、エンドクレジットのスコアが完全な形で収録されていないというのは、いったいどういうことだ?
アレクサンダー・カレッジが作曲した、オリジナルTVシリーズのテーマ曲が高らかに鳴り響く、前半部分がバッサリとカットされているのには、正直唖然・・・とした。

前作も最初のディスクをリリース後、完全盤CDをリリースしたという経緯があるので、ひょっとしたら今回も同じ手を使うのかもしれないが、はたしてそんな商売ってどうなんだろう・・・。


【amazon】
【タワーレコード】
【iTunes】




ローンレンジャー
『ローン・レンジャー』のサントラ。
スコア担当はハンス・ヅィマー。

本作のスコアは、もともとジャック・ホワイトが担当すると報じられたが、蓋を開けてみたらばハンス・ヅィマーになっていた。
もっとも、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズと同じスタッフなので、最初からヅィマーでも不思議ではなかったけれど。

なお、ホワイトが本作のために書いたナンバーは、ヘレナ・ボナム=カーター演じるレッドが経営するバーのサロン・ミュージックとしてサントラ内に収録されているので、その名残は確認できる。

さて、肝心のヅィマーのスコアだが、本作のベースは西部劇ということもあって、音楽面でもその要素が活かされたものになっている。
ただし、クレジットこそヅィマーとなっているものの、実際にエンドクレジットをご覧になればお判りだろうが、「追加音楽」の作曲担当者のなんと多いことか。

急遽、スコア担当が変更になったために、作曲に要する時間も限られた中で、多くの作曲家を要するRCとなれば、わからないことではないのだけれど。

こういうケースは親方のヅィマーだけでなく、RCのメンバーがスコア担当になった作品でもけっこう多い。
こうなると、いったいヅィマーは全体のどれだけのスコアを書いたのか、あるいは名前だけでまったく書いてないのか、その役割分担がじつに曖昧になってくる。
もっとも、製作サイドは個々の作曲家の個性重視というよりも、ヅィマーが書くような、つまりは「ヅィマー風」なスコアが欲しいわけで、それに応えるRC、もとい、ヅィマーの営業システムは、いまのハリウッドにマッチしているのだろう。

さて、『ローン・レンジャー』といえば、オリジナルのTVシリーズをご存知の方なら、ロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」ということになる。
本作でもラスト11分間の壮絶なアクション・シーンを爽快に盛り上げており、映像と音楽のリンクがじつにエキサイティングだった。

この「ウィリアム・テル序曲」をアレンジしたのは、いろんな媒体でヅィマーの名前が挙がっているが、エンドクレジットではRCメンバーであるジェフ・ザネリ(『ヒットマン』(07)など)がアレンジしたとなっていた。
そういうのを目の当たりにすると、RC所属の作曲家たちは、自分たちの個性をどう考えているんだろう? といつも疑問に思ってしまう。

そんなこたぁどうでいい、ヅィマー風なスコア大歓迎! という向きには、そのアレンジされた「ウィリアム・テル序曲」を聴くだけでもお薦めのサントラではあるけれど。


【amazon】
【amazon MP-3】
【タワーレコード】
【iTunes】