ビンさんの銀幕音楽堂・第829回(2018年1月13日放送分) 



20180120銀幕音楽堂










【放送日:2018年1月13日(土)PM9:00オンエア】
【再放送:2018年1月17日(水)PM6:00オンエア】

・イオンシネマ西大和 みてみて探訪記

『キングスマン:ゴールデンサークル』ostより「Eggsy Is Back」(co:ヘンリー・ジャックマン、マシュー・マージソン)

『ギフテッド』ostより「ギフテッド」(co:ロブ・シモンセン)

『IT ”それ”が見えたら、終わり。』ostより「27年周期の惨劇」(co:ベンジャミン・ウォルフィッシュ)
『IT ”それ”が見えたら、終わり。』ostより「紙で作ったボート」(co:ベンジャミン・ウォルフィッシュ)

『天使のいる図書館』より「スパティフィラムの詩」(vo:佐々木友里)


・銀幕音楽堂メールボックス
番組宛にいただいた、メール、FAXを紹介。

『戦場のメリークリスマス』ostより「Merry Christmas Mr.Lawrence」(co:c坂本龍一)


以上のラインナップでお送りいたします。


奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時
再放送日:毎週水曜日 PM 6時~7時 (土曜日放送分の再放送です)

当番組はサイマル・ラジオでも発信しています。
ご自宅のPC、スマートフォンでお聴きいただけます。
上記、サイト内のバナーをクリックしてください。




【裏ばなし的なもの】

正月第2弾でございます。
まぁ、もう正月なんて気分じゃないでしょうが(笑)

月の2週目は、奈良県にありますシネマコンプレックス、イオンシネマ西大和さんに特化したコーナー、「イオンシネマ西大和 みてみて探訪記」をお送りします。

まぁ、とにかくこの1月から2月にかけて、いわゆる一般的に公開される映画はもとより、独自のプログラムが組まれておりまして、その怒涛のラインナップに驚いています。

特に大阪のミニシアターで上映されたような作品が、2週間限定とはいえ地元で観ることができるというのは、毎度書いているようですけれど本当に嬉しい限りです。
番組でもそのあたりのラインナップ情報と、上映される作品のサントラをお送りいたします。

そして! 2月3日からは『天使のいる図書館』もリバイバル上映が決定しました!!
大スクリーンで、またビンさん・・・もとい、小芝風花ちゃん、横浜流星くん、そして香川京子さんの名演が堪能できますよ!

ってなことで、むちゃくちゃ寒い日が続いて、家にこもっている方も、そうでない方も、ご用とお急ぎでなければ、ぜひお聴きあれ。



■『最低。』■(映画) 



さいてい
【公式サイトはこちら!】

『8年越しの花嫁』が公開中の瀬々敬久監督作品。

『8年越し~』の1本前になるが、公開時期はほぼ同じ。
いずれにせよ、メジャーな作品から、本作のような小規模作品まで、じつに精力的な活動をされている。

瀬々監督といえば、知る人ぞ知る「ピンク四天王」と言われた一人。
でも、エロティックな部分が皆無だった昨年の『64』や、続く『8年越し~』といった作品を担当する中で、本作のような作品は監督の本領発揮なのではないかと思った。

原作はAV女優である紗倉まなが書いた小説。
高専出身者で在学中にAVに出演してそのままその世界に入っていったという経歴もさることながら、工業地帯をバックに撮った写真集が発売された頃には、僕も書店で見かけたことがあった。
ユニークな人が出てきたなぁなんて思ったものだが、いわゆる「工場萌え」なんて言葉をよく耳にした時期でもあったので、彼女がその火付け役なのかな?
あと、明〇家さ〇まとツーショット写真が撮られたこともあったっけ(笑)

小説は未読だし、いわゆる文学界ではどれくらいのレベルのなのかわからないけど、本業のかたわらに文筆業もこなすというのは凄いと思う。
AV女優って、けっこう本業とはギャップのある活動をしてたりする(かつての黒木香みたいな)印象があるが、彼女もその一人なんだろうか。


物語は3人の女性が登場する。
夫婦生活に満ち足りなさを感じ、AVの世界に足を踏み入れる人妻美保(森口彩乃)。
地方出身者で実家には内緒ながら、現役売れっ子AV嬢の彩乃(佐々木心音)。
母がAV嬢だったことが同級生たちに知られ、学校生活に馴染めない高校生あやこ(山口愛奈)。
いずれも、自身の生活にAVが介入してくる。

3人の女性の姿を描きながら、物語のテーマは「家族」というところが興味深い。
AVを非日常とするならば、日常に非日常が入り込んでくることで、逆にそれによって家族の絆が深まるという視点がユニークだし、時にストレートに胸を打つ。
映画の内容はまったく異なるし、描き方は違うけれど、これは続く『8年越し~』でも「家族」を描いていたこともあって、監督の作品に据えたテーマはまったくぶれていないのが面白いと思った。

原作は4つのストーリーが独立した形になっているそうだが、映画はその中から3編をピックアップし、それぞれが相互に関わりを持つように脚色されている(監督も脚色に参加)。
これは映画としてじつにドラマティックだし、具体的なことは挙げないけれど、まさに文芸作品を観ているような箇所もあってじつに見応えがあった。

もちろん、セクシャルな場面については、けっこう迫力のあるもので、やっぱりそこは最初に書いたように本領発揮というところなんだろう。
なんでも撮影時には監督と助監督が男同士でそういったシーンを演じてみせるとのこと。
そりゃあ、口で指示するよりも演じてみせる方が女優さんたちにも理解しやすいだろうし、女優さんの(男優もそうだろうけど)緊張感を緩和するということもあるんだろう。
つくづく、映画って面白いなぁと思う。

主演の3人の女優については、それぞれにあまり馴染みがないが、その分先入観なく映画と対峙できたのも僕としてはプラスだった。
それぞれの役柄を見事に演じきっており、さらに江口のりこ、渡辺真紀子、高岡早紀、根岸季衣といった実力派女優を脇に配してのキャスティングも映画に深みを持たせている。

どうしても偏見の目にさらされる(本作でもそういう描写はある)AV女優だが、その世界に入ったいきさつはそれぞれあるにしても、一つの職業として誇りを持っているのは本作の登場人物の言動でも理解できる。
そこは原作者の慟哭とも捉えられる。
どうしてもセクシャルな部分のみがクローズアップ(まあ、それが本来の目的なんだけど)されて、それに出演する女優の人間性が無視されてしまいがちなAVの世界。
いや、AV観る人はそんなことまでいちいち考えてらんないよ、というところなんだろうが、現場にいる者から生の声を発信するという意味でも、原作も含めて本作はとてもいい機会だったんじゃないだろうか。
仕事に携わる者には、それぞれにプロ意識がある。
それはどのような仕事であれ変わりないものなのだ。
それはじつに尊いものだと思う。

この映画はAVの内幕ものというわけではなく、たまたま自身の生活にAVが関わったということ。
今置かれている立場から、次のステップへと踏み出していく3人の女性の姿をみつめる、瀬々監督のまなざしは慈愛に満ちたものに見えた。



📖パンフレット📖

・縦257㎜×横182㎜
・18ページ 無線綴じ製本
・株式会社マージネット
・定価:800円(税込み)
表紙、中身ともにマット調の原紙(厚みはすべて同じ)を使用。
オールカラー。
3人のヒロイン、監督、原作者それぞれのロング・インタビューを掲載。
監督補によるプロダクションノートなど、読みどころ多し。



♬音楽♬
さいていふちどり
スコア担当は入江陽。

瀬々監督とは『マリアの乳房』のスコアも担当。

予告編でも流れている、ピアノとエレキギターによる静謐なスコアが印象深い。
全編にわたってスコアが流れる、というスタイルではなく、ヒロインたちの心の機微を音楽で表現するというスタイル。
なので、劇中、ここぞ、というところで静かにスコアが流れてくるといった感じ。

サントラはリリースされていない。

エンドクレジットに流れてくるのは、泉まくらのヴォーカルによる「ふちどり」。
いわゆるラップ調のナンバーで、歌詞の内容がわかれば映画としても効果的なんだろうけど、正直エンドクレジットで初めて聴く身にしては、なにを歌っているのかよくわからない。
独特なヴォーカルで、それをひっくるめて「音」として捉えればよいのだろうか。

因みに先に挙げたパンフレットの最後のページには、「ふちどり」の歌詞が掲載されている。

楽曲自体は泉まくらのベスト盤「5 Years」に収録されている。
【amazon】
【amazon MP-3】
【タワーレコード】
【iTunes】





ビンさんの銀幕音楽堂・第828回(2018年1月6日放送分) 



銀幕20171230














※2週間分一緒に収録したので、写真は前回と同じです(笑)

【放送日:2018年1月6日(土)PM9:00オンエア】
【再放送:2018年1月10日(水)PM6:00オンエア】

・ニューシネマ・サウンド

『オリエント急行殺人事件』ostより「Never Forget」(vo:ミシェル・ファイファー)
『オリエント急行殺人事件』ostより「Orient Express Suite」(co:パトリック・ドイル)

『8年越しの花嫁 奇跡の実話』ostより「繋がり始めた新たな糸」(co:村松崇継)


・銀幕アラカルト:戌年映画特集

『黄金の犬』ostより「黄金の犬 タイトル・テーマ」(co:大野雄二)
『黄金の犬』ostより「天使の墓標」(vo:長瀬晴美)
『ハチ公物語』ostより「メインテーマ~白い大地」(co:林哲司)
『ハチ公物語』ostより「さよならの微笑み」(co:林哲司)
『わさお』ostより「僕の宝物」(vo:薬師丸ひろ子)


・銀幕音楽堂メールボックス

番組宛にいただいた、メール、FAXを紹介。


以上のラインナップでお送りいたします。


奈良のコミュニティFM、FMハイホー(81.4MHz http://www.fm814.co.jp/)にて、お送りしております1時間の「映画音楽専門番組」です。

放送日:毎週土曜日 PM 9時~10時
再放送日:毎週水曜日 PM 6時~7時 (土曜日放送分の再放送です)

当番組はサイマル・ラジオでも発信しています。
ご自宅のPC、スマートフォンでお聴きいただけます。
上記、サイト内のバナーをクリックしてください。




【裏ばなし的なもの】

みなさま、明けましておめでとうございます。
本年も何卒よろしくお願いいたします!

ってなことで、2018年最初の銀幕音楽堂です。
とはいいながら、最初に掲げてますように、2週間分を一挙に収録しましたので、実際の収録は昨年末だったのでした。
新年を迎えました、という体で喋っております、というのは収録番組の運命(さだめ)であります(笑)

さて、最初は公開中の映画の音楽を紹介するニューシネマ・サウンドのコーナー。
今回は『オリエント急行殺人事件』と『8年越しの花嫁』の2作品を。

そして、銀幕アラカルトは「戌年映画特集」と題しまして、犬が登場する映画、特に邦画に限って特集してみました。
本来なら、このネタで1時間やればよかったのですが、新作も取り上げてみたかったので、このような形になりました。

特に、『ハチ公物語』のサントラは、なんと当番組初蔵出しです。
ある理由があって、これまで封印してきたんですけどね・・・。
映画音楽に詳しい方ならその理由はお分かりかと思いますが、今回お送りする「さよならの微笑み」というスコアを聴いてもらえれば、ああ、なるほど! かと存じます。
それ以上は敢えて申しませんが、僕もあの映画を観た時に、いろんな意味でビックリいたしました・・・。

『わさお』については、実際にわさおの飼い主だった方が、昨年末にお亡くなりになったという記事を読んだもので。
それと主題歌を歌う薬師丸ひろ子は、ニューシネマ・サウンドで取り上げた『8年越しの花嫁』での演技が素晴らしかったこと、そして作曲を担当されたのが奈良市出身の作曲家、海田庄吾氏ということもありまして。

『黄金の犬』は、単に僕の趣味です(笑)

ってなことで、年明け早々連休で、なんだか体の調子がまだ戻らないや、という方も、ご用とお急ぎでなければ、ぜひお聴きあれ。



■『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』■(DVD)※加筆済※ 



おんなごくもんちょうひきさかれたにそう
77年公開の東映映画。
監督は東映異常性愛路線の作品をいくつも監督した牧口雄二。
併映(というか、こっちがメインなんだけど)は『新宿酔いどれ番地 人斬り鉄』(主演:菅原文太)。

77年といえばすでに父に手を引かれ、あらゆる映画を観に行っていた。

月に1~2回、日曜日に父は好きな競艇に行って、その帰りに映画館へ行くというのがパターンになっており、僕は競艇は興味なかった(幼少から興味あるほうがおかしいけど。もっとも僕は競艇場で売ってるイカ焼きを買ってもらうのが目当てだった)わけで、その帰りの映画館が楽しみだった。
競艇で勝てばロードショー作品、負ければ名画座(千日前、新世界、布施あたり)というのパターンで、小ぎれいなロードショー館も好きだったが、2~3本立てが普通だった名画座もいろんな映画が観れるということで好きだった(たいてい場内はタバコの煙、床はヤニでベタベタな小屋が多かったけど)。

そんな中、東映作品もかなり観に行った記憶があるが(それがいったい何という作品なのか、膨大すぎて整理できていないのが正直なところ)、この本作は観たおぼえがない。

それは本作の牧口雄二監督の他の作品、たとえば『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』についても同じこと。
ただ、『~牛裂きの刑』は、磔にされた女性の構図のポスターには、幼少の頃に強烈な印象を受けたものだった。
おそらく東大阪は布施の映画館で上映されていた頃に、街角に貼り出されていたポスターを観たんだと思う。

昔の近鉄布施駅は現在のような高架式の駅舎ではなく地上にあった。
片方のホームへ行くには地下道をくぐる形式になっており、その薄暗い地下道に当時布施駅周辺に数多くあった映画館で上映中のポスターが、何枚も貼り出されていたのだ。
ポスターは記憶にあっても本編は観たことがない。
想像するにこういったエロ・グロ映画は子供に観せたらあかん、と父が判断したのだろう。
まぁ、作品そのものが成人映画扱いだったし、あえて見せなかったのか、あるいはひょっとしたら父一人で出かけた時に観ていたのかもしれない。
とはいいながら、洋画のそういった珍奇な映画は、普通に僕も観てたけどね。『悪魔のいけにえ』や『処女の生血』とかね。
2~3本立ての映画の中に、1作だけ成人映画が組み込まれているということも、しばしなあった。
そういう時は、モギリのおばちゃんかおっちゃんが、
「成人映画もあるんやけどなぁ」
と父に注意(というほどのもんじゃないけど)していたことも何度かあったが、
「子供やから、わからへんわからへん」
とそのたびに父が答えていたこともあったっけ。
たしかに、あまりに幼少の時は、スクリーンでなにが映し出されているのか理解できなかったけど、小学校の低学年くらいになれば、だいたいのことはわかるもんで(笑)
まぁ、父親からすれば情操教育もへったくれもなかったんだろうが、後年よく父が口にしていたのは、きれいなこともそうじゃないことも隠さず見せることが大事、と言ってたもので。
映画館へ僕を連れて行ったのも、そういうことの一環だったんだろうな。


大人になり、東京で単身赴任をしていた頃、品川区の大井町に今は亡き、大井武蔵野館という知る人ぞ知る映画館があって、ここではいわゆるカルトな映画を独自のラインナップで上映していた。
暮らしていたのが江戸川区だったので、ここへ行くのは結構遠かったこともあって、ほんの数回しか訪れたことがなかったが、上に挙げた牧口作品や石井作品も繰り返し上映されていたと思う。
情報誌「ぴあ」で上映情報を眺めては切歯扼腕していたことも数知れずだった。

いまやこの手のカルト映画も、最後の砦といわれた『~恐怖奇形人間』が、今年無事DVD化(サントラCDまでリリース!)されたこともあり、多くの方が鑑賞可能になったが、数年前まではこの大井武蔵野館のような小屋がなければ、映像としての資料は輸入版DVDを購入する以外に方法は限られていたんじゃないかと思う。
(あ、いまは東京にはラピュタ阿佐ヶ谷とかいう小屋があるんだっけ?)
大阪にも、新世界東映という稀有な映画館があるが、ここでかかるのは主にカルトな方じゃなく、2本立て興行作品でいえばメインの方の作品を中心にプログラムが組まれるのが定番なのが惜しい(本作でいえば、上に挙げた『~人斬り鉄』の方ね)。


さて、数年前より東映ビデオも、それまで封印されてきた、カルトな映画を精力的にDVD化してリリースしている。
おそらくは海外の輸入版DVD(国内ではリリースされず、米国ではリリースされるという変な現象だったな)を買い求める方が多くなったり、それをコピーした粗悪な海賊版DVDにお金が流れていくことを阻止するためなのだろう。

いずれにせよ、レイティングが細かく定められ、映像表現の規制が厳しくなった折、その反面こうしてDVD化されて、幻のカルト映画群が手ごろに茶の間で観ることができるようになったのは、時代に反比例していいことだと思う。
もちろん、描かれる内容は常識人からすれば、眉をひそめ、目を背ける作品が多いことだろう。
しかし、そういった作品は当時の活動屋たちが、いかに観客を楽しませてやろうかという智恵を搾ったうえでのバイタリティとサービス精神の表れであり、多少それがゆがんだ形だとしても一つの形として結実したのが、これら「東映異常性愛路線」の作品群なんだと思う。


ここ数年はレンタルショップへ出向いて映像作品を借りるという習慣がまったくなくなった。
よく行ってた近所のレンタルショップがことごとくなくなった上に、自宅で映像作品を観る時間もなくなったのが大きな理由だが、それでも観たいと思った作品があれば、いまは某ツ○ヤのネットレンタルを利用している。
(ネットが発達したのも、ショップがなくなった大きな要因なんだろうけど)
牧口監督の『~牛裂きの刑』や『毒婦お伝と首切り浅』などはこれで観たわけだが、なぜか『~引き裂かれた尼僧』だけがラインナップにない。
なんで? と思いつつ、よくよく探してみればなんてことはない、「成人映画」扱いになっていた。
それだったら『~牛裂きの刑』だって「成人映画」だろうよ(笑)
でも、こちらは「成人映画」扱いではないという、ツ○ヤのスタッフもなんだかいい加減だなぁ・・・ということで、まぁ、そんなこんなでようやく『~引き裂かれた尼僧』を借りることが出来、晴れて本編を観る事ができたわけだ。


※以下、ストーリーについて触れる。いわゆるネタバレもしているので、まったく知りたくないという方は、読み飛ばしていただきたい。
引き裂かれた3
江戸時代。
開巻早々、足抜けした女郎おみの(田島はるか)が、ボロボロになりながら逃げている。
演じる田島はるかは、高橋伴明監督の作品の端役で出演していたのを牧口監督が見初めたんだとか。
彼女がインドが好きだということで、芸名の由来はタージマハール。
この映画のギャラでインドへ行く夢を抱いていたという。
引き裂かれた2
だんごっ鼻のコケティッシュな女優で、いまでいえば二階堂ふみみたいな感じ。
雪の中を転げ落ちたり、大根やふきのとうを生でかじったり、のっけからから相当にハードだ。
これもインドに行くため、と我慢していたんだろうな。


それを追う岡場所の弥太八(汐路章)と亀(佐藤蛾次郎)。
いわゆる悪役だが、この陰惨とした映画のなかでコメディ・リリーフ的な役割を担っている。
やることはえげつないけどね(ここでは敢えて書かないけど)。
引き裂かれた5
ここでおもむろに挟み込まれる回想シーン。
おみのはその夜の客(いまや、誠実な豆腐屋を演じる主演映画まで作られるようになった小林稔侍。いきなり濃厚なお布団シーンを展開してくれますよ)に、一緒に逃げるよう頼み、足抜けしようとするのだが、すぐに弥太八らに見つかって哀れ稔侍はその場で殺される。
その隙をみて逃げ出すおみの。

引き裂かれた6
おみのは途中、二人組みの猟師(片桐竜次と野口貴史。前者はいまや『相棒』で警察のえらいさん。後者も息の長い俳優さんだな)に襲われさらにボロボロに。

その後、イケメンの行商人、伊三郎(成瀬正。現:成瀬正孝)に助けられて、ようやく目指す駆け込み寺へとたどりつく。

引き裂かれた8
寺には美しい庵主、桂秀尼(折口亜矢。藤田敏八監督作品でデビューし本作が2作目。その後、映画の世界を離れてダンス界で活躍されているとか)と、修行中の三人の女性、おかじ(ひろみ麻耶。 『女教師 少年狩り』での彼女は僕の幼少期のトラウマだ。本作では蛇好きという設定だが、本人もほんとに蛇が好きで撮影で使った蛇を持って帰ったそうな。だが、クランクアップの翌日に麻薬で逮捕される。にしきのあきらに麻薬を提供していて、二人とも逮捕されたのは有名な話)、おつな(芹田かおり。撮影中に逃げ出したところを京都駅で監督らに連れ戻される。猫好きという設定。劇中で猫の死体が出てくるがやけにリアルだなと思ったら、麻酔で眠らせるつもりが本当に死んでしまったという。それが嫌で逃げ出したんだろうか)、おとく(藤ひろ子。ピンク映画にいろいろ出てらっしゃいましたな。本作でも胸をさらけ出す場面はあるけど、それよりエキセントリックな芝居で後半の空気全部持って行きます)、そして口の利けない少女小夜(佐藤美鈴)がいた。
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おつなの話では、桂秀尼はとある旗本の娘だったが、男に騙されて下女の小夜を連れ流浪の果てにこの寺にたどり着き、先代の庵主に助けられたのだという。

彼女たちが読経している本堂には、即身仏(蛆がたかっているのが、なんとも悪趣味。『サンゲリア』かよ。中に人が入ってて、微妙に動いてるし)が安置されているが、これが先代の庵主なのだろうか。
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ある日、寺に一組の駆け落ちカップルがやってくる。
嘉助(五十嵐義弘)、お絹(内村レナ。『~牛裂きの刑』で牛裂きされたのに、本作ではちゃんと体くっついてます)を親切にかくまってやる桂秀尼。
ここで二人の濃厚なお布団シーン(本作はそもそも「成人映画」、いわゆる「ポルノ映画」扱いだったのを、いまになって気づく。こんな内容で当時のおっちゃんたちは満足したんだろうか?)が展開される。
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しかし、翌朝、嘉助の姿が見えなくなる。
不審に思ったおみのとお絹は、小夜の指し示す寺の裏に回ってみると・・・。




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ボッサボサの頭に顔面白塗りの寺男、作造(志賀勝)が、生肉の塊をナタでバラバラにしてるじゃあ~~~りませんか!!

大きな鍋で肉塊をぐつぐつ煮て、それにくらいつく作造と小夜。
お絹はその肉塊が嘉助だと察知し、狂乱のあまり首をくくってしまう。

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駆け込み寺とは表の顔で、この寺は迷い込んだ男を食い物(本当の意味での)にしていた、おそるべき食人寺だったのだ。
境内で栽培されているのは真っ赤なケシの花。
これで夜な夜なトリップしている桂秀尼はおみのとお布団シーン(またかよ)を展開。
彼女を自分たちに引き込もうとする。

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おかじとおつなは仲良くお布団シーン(もうええって)。

年増のおとくは陀羅尼経を唱えながら護摩を焚いている(このハイテンションな演技は見ものですよ)。

彼女たちはそれぞれに男に対する恨み(があるようなことをほのめかすセリフはあるけれど、具体的なシーンは描かれず)から、この寺に迷い込んできた男を食い物(しつこいけど本当の意味で)にしていたのだ。

でも、志賀勝は平気で寺内ををウロウロしてるけど・・・。
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すべてを悟ったおみの(彼女の内面を表現するシーンで、極彩色なサイケなスタジオで、登場人物たちが珍奇に踊る場面が挿入される)は、こんな寺にいてられるかい! と出て行こうとする。




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が、寺へ来る前に彼女を襲った猟師コンビにばったり遭遇。
またも襲われそうになるところを、食人尼さんたちが猟師を捕らえ、またまた食料にしてしまう。

さらに、おみのを追ってきた弥太八と亀も捕らえられてしまう。

さらにさらに、伊三郎も寺にやってくる、ってここは男ホイホイかよ。
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おみのは伊三郎を逃がそうとするが、「俺ぁじつは幕府の隠密だから心配すんな」、とかっこいいことを言っておみのとお布団シーンを展開するが、翌朝、伊三郎は首を切られた無残な死体となる。



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十手をくわえた生首が、水桶に沈んでいるのだが、成瀬正、桶の底から首だけ出しての渾身の演技。
しかし、本人も監督もどうやって撮影したのかおぼえてないんだとか。
そんなもんなんやね・・・。


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おみのは食人尼たちを倒そうと、捕らえられていた弥太八をそそのかすが、あっという間に桂秀尼に返り討ちに遭う(汐路章は今回もいいところなしだ)。

亀はおとくに母乳を飲まされて窒息死(どんな死に方や?)されてしまうし。

その間、おみのはおかじ、おつなを殺害、おとくは落下した本堂の梁の下敷きになって死ぬ。

と、ごちゃごちゃあって、おみのと桂秀尼と最終決戦に突入する。
燃えさかる寺の本堂で、闘う二人。
たいていこういう作品って、クライマックスは燃える建物の中だね。
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で、おつなは桂秀尼を倒すのだが、彼女は小夜に槍で突き殺されてしまう。
ヒロイン、死ぬのかよ・・・。





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ここで小夜の回想シーン。
雪深い中を旅行く桂秀尼と小夜。
しかし、猟師に襲われる桂秀尼。
それを助けようと、小夜は猟師を殺害する。

この二人が親子だったかはわからないが、強い絆がそこにあったことを示唆する場面だ。
そして燃え盛る本堂で、小夜は初潮を迎えるのだった。
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ここで、安置されていた即身仏がいきなり立ち上がるという、珍奇なシーンが盛り込まれるのだが、せっかくのセンチメンタルな場面をぶち壊す、最後の最後で残念な演出だ。




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すべてを失った小夜は、一人雪の中を旅立っていく、というところで「完」。









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はたして、田島はるかはこの映画で、インドへ行けるくらいのギャラをもらったんだろうか?

というか、あれ? 志賀勝はどこ行った?



すべてにおいて陰惨な物語だが、汐路章と佐藤蛾次郎の使い方や、醜悪だがどこかコミカルな志賀勝といった、こういうところに作り手のバイタリティを感じる。
男に騙された女の悲哀、というのが物語の根底にあって、いつも酷い目に遭うのは女性であるという視点は、物語こそ醜悪だが揺るがないテーマでもある。
そして、一人の少女の通過儀礼の物語(人肉喰ってたけどね)という、リリカルなエンディングという、終わりよければすべてよし、ではないが、70分足らずの映画の中で語られるものはかなり多い。
じっさい、冗長な映画もある中で、凝縮しての70分足らずはじつに濃密な体験を与えてくれる。
とはいえ、こういう映画に慣れた向きじゃないとキツイ映画であることはたしかだか。
【amazon】 DVD ※18歳未満の方は購入できません】



おんなごくもんちょうひきさかれたにそうかるとぜんしゅう
本作に関しては、ワイズ出版より発売された日本カルト映画全集8(96年発刊)に詳しく、シナリオ(完成した映画と多少の違いがあるのも面白い)や牧口監督のロングインタビュー、出演者、スタッフの談話、撮影時のスナップ写真、スチール写真などが掲載されており、本作に興味を持った方には必携の書である。

とりわけ、小夜を演じた佐藤美鈴は当時中学生であり、完成した映画は成人指定だったので、父親と一緒に上映中の映画館に観にいったという本人による談話が微笑ましい。

さらに、監督を囲んで女優たちが談笑しているスナップ写真は、完成した映画こそエログロナンセンスではあるが、撮影時はわきあいあいとしていたことが感じ取れてじつにいい雰囲気(じゃあ、なんで芹田かおりは逃げ出したんだろう。あ、逃げ出す前の写真なんだな)。

監督のインタビューでは撮影時の秘話があれこれ語られており、スコアを担当した渡辺岳夫についても、作り手仲間の友情というか義理のようなものを感じられる逸話が披露されている。

すでに入手しづらくなっている書籍だが、これは資料として、また映画そのもののパンフレットとしても、じつに読み応えのある一冊だ。
【amazon】 まだ扱ってます。



※加筆(2018.1.3)
なお、この作品には原作が存在する。
オープニング・クレジットにも挙がっているが、島森俊夫 著:「女地獄獄門帖」がそれ。

上に挙げた「日本カルト映画全集8」にて、本作のプロデューサー本田達男氏の談話によれば、原作のタイトル(実際の映画は「地獄」が抜けているが。語呂が悪いので削ったんだとか)と、尼寺が舞台ということを引用しただけで、内容はまったくの創作とのこと。

当時話題になったトビー・フーパーの『悪魔のいけにえ』の路線で、生き地獄から逃げだしたヒロインが駆け込んだ尼寺が、それ以上の地獄だったという内容で、脚本を担当した志村正浩氏が考え出したオリジナル・ストーリーである。
同じく「日本カルト~」では、志村氏の談話も掲載されているが、宮沢賢治の「注文の多い料理店」の影響もあるというのが面白い。

とはいえ、原作があるというのなら、それも読んでみたい、というのが人情だ(どういう人情だよ?)。
で、amazonで調べたら、ちゃんと扱ってるじゃないか。
早速注文したら、あっという間に届いたよ。
おんなごくもんちょうひきさかれたにそうげんさく
作家は島森俊夫。
不勉強で存じ上げなかったが、いわゆる江戸時代を舞台にした官能小説を多く書かれている。
「女地獄獄門帖」もその一つで、昭和50年代前半、東京スポーツ紙に連載されていたのを、昭和52年(77年)に双葉社の双葉新書という形で1冊の本にまとめられて出版。
内容は15編の短編から構成されていて、いわば、団鬼六作品をもうちょっとソフトにしたような内容だ。
本作の原作という「引き裂かれた尼僧」は一番最初に登場する。

ヒロインはとある尼寺の美貌の庵主、春蘭。
周囲の貧しい農民に施しを与え、慕われていた尼僧だが、じつは相当な淫乱だった。
時に町娘、時にあでな姿の姐さんのいでたちで、夜な夜な町に繰り出しては男をたぶらかし、最後に金品を奪うというとんでもない春蘭尼の所業が描かれる。
それがバレそうになると、相手を平気で殺してしまうおそろしい悪女だ。
しかし、最後には騙した男にひょんなことで遭遇、文字通り、引き裂かれてしまうという因果応報なお話。

・・・ほんとに映画とまったく違う(笑)

実際、映画のタイトルは「引き裂かれた尼僧」だが、映画ではそんなシーンはまったくない(引き裂かれてるのは男だもんね)が、原作を読めばなるほど、ってなもので。
内容はおろか、登場人物の名前も全然違う。
それでも、クレジットに原作云々を掲げなければいけないのは、タイトルだけであっても後で問題が生じることの防御策だったのだろう(だったら、タイトルも創作したらよかったのに)。
逆に、当時はこの原作がけっこう知名度があって、映画の製作陣もそれにあやかったのかもしれないけれど。

本書に掲載されている短編小説だが、ほかにも興味をそそられるタイトル(逐一挙げませんよ(笑))が掲載されていて、まぁ、暇つぶし程度に読めばいいだろう、くらいなもので。
この手の映画を作ろうと思う向きには、アイデアの宝庫かもしれない。
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■『勝手にふるえてろ』■(映画) 



かってにふるえてろ
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意外にも本作は松岡茉優映画初主演作なんだそうだ。

本作を観た前日は彼女が主演していた『コウノドリ』が最終回だったので、なんだか松岡茉優デーのような感じだったな(「探偵!ナイトスクープ」では本作の宣伝でゲスト出演も)。

彼女がメジャーになったのはやはりNHKの『あまちゃん』なんだろうけど、僕はあのドラマ、半分以上観てなくって、その観てなかった部分で彼女が登場していたのだった。

実際にこの女優を初めて観たのは同じくNHKのドラマ『銀二貫』だった。
高田郁による原作(江戸時代の大阪を舞台にした人情劇)はドラマになる前に読んでおり、ドラマ化されると聞き、主人公はもとより(主人公松吉を演じたのは林遣都、見事だった)ヒロインを誰が演じるのか興味深かった。
火事に遭い、顔に大きな火傷を負ってしまうが、主人公松吉の大きな心のよりどころとなる、大事な役柄である。
結局、少女時代を芦田真菜が演じ、大人になったヒロインを松岡茉優が演じるという。
誰? それ? と思いつつ、ドラマを観たわけだが、原作のイメージ通りの役柄(火傷は顔ではなく首筋に変更されていたけれど。事務所からの要請?)を演じきったその女優に大きく惹かれた。

以後、同じくNHKでは水族館のイルカショーのトレーナーを瑞々しく演じた『水族館ガール』、そしてTBSの『コウノドリ』と、着々とキャリアを積んでいく。
そんな印象があったので、映画初主演作というのはほんとに意外(映画では『ちはやふる』にも出てたしね)だった。


綿矢りさの原作小説を、大九明子が映画化。
綿矢りさといえば、過去に映画化された『インストール』(監督は片岡K。最近まったく名前を見かけなくなったね)は観たけれど、大九監督の作品は初めて観ることとなる。

恋愛経験のないヒロインが、中学生時代からの片思いの相手(北村匠海。彼女の中で勝手にイチ(1)と呼んでいる)を理想の恋人と夢想する中で、突然告白された会社の同僚(渡辺大知。彼女の中では二(2)と呼んでいる)との間で揺れる姿を描く。
理想と現実の中で、いろんな価値観が自身の中でグルグル回るところを映画はコミカルに描き、松岡茉優はこれを多少オーバーアクト気味に演じる。
特に思い込みの激しいヒロインは、周囲を巻き込んで相当にエキセントリックなキャラである。

ただ、あることがきっかけでヒロインの価値観がもろくも崩れ去ってしまうのだが、映画はこれを境にテンションがガラッと変わる。
これには多少戸惑ってしまったけれど、あくまでヒロインの心情に沿った映画と考えれば至極当然な演出であり、松岡茉優最後までヒロインを演じ切るのだ。

最後に放つヒロインのセリフが、じつに重みを持って響いてくる。
それは一体誰に向かって放たれた言葉なのか。
なんでもそこは、原作小説とは違ったニュアンスで表現されているそうだが、いろんな解釈ができるということで、映画的な奥行きを監督は持たせているんだと思った。


自分の価値観が、なにかのきっかけで崩れてしまうことは、生活している中で多かれ少なかれあること。
程度の差はあれども、思わずうろたえてしまったりするわけだが、それを表面に出さないことで、自分を含む社会の均衡は保たれている。
でも、この映画のヒロインはそれを思いっきり表にさらけ出すのだ。
それは人間本来の姿であるものの、理性が働いて抑制することもまた人間の姿。
ただ、本作で描かれるようなテーマはもとより、あらゆることで抑制された気持ちを、この映画のヒロインの姿に投影し、少しでも発散できることを考えれば、本作は一服のストレス解消剤なのではないかと僕は感じた。


最後に一つ。
まったく恋愛経験のないヒロインを、松岡茉優が演じるのは、説得力に欠けやしないかぃ?(笑)
これは昨今の異常ともいえる恋愛映画ラッシュの、大きな欠点の一つでもある。
恋愛経験がないだの、恋人にふられるだの、人気美人女優がこぞってそういった映画に出演しているけど、普通に考えりゃありえないわな。
そういう意味では、この作品も例外ではなかったな。



📖パンフレット📖

・縦170㎜×横257㎜
・14ページ 無線綴じ製本
・アベ印刷
・定価:720円(税込み)
表紙はPP貼り。中身はオールカラー。
キャスト、スタッフの詳細以外に、幾人かの漫画家、イラストレーターによる「応援イラスト」が面白い。



♬音楽♬
かってにふるえてろべいびーゆー
スコア担当は高野正樹。

CM、ドラマなどで活躍されているそうで、大九監督とも過去にコラボを組んでいる由。
最近では『劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き』のスコアも担当。

正直、映画を観ている間は印象に残るスコアではなかったのだが、本作で最大の功労はヒロインの価値観が崩壊する場面。
あのいきなりのミュージカル仕立てな演出は本作最大の見せ場であり、松岡茉優の歌手ぶりが発揮される稀有なシーンである。

そこで歌われるソング・ナンバー「アンモナイト」の作詞は大九監督、作曲を高野氏が担当。
残念なことに本作のサントラはリリースされておらず、松岡茉優の歌声も映画を観ないと聴けないという状態。
どんな形でもいいから、音源、リースしてくれないだろうか。

なお、エンディング・テーマは劇中、二(2)を演じる渡辺大知がヴォーカルを担当するユニット、黒猫チェルシーによる「ベイビーユー」。
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